子どもと言葉と映画
vol. 13 2019-07-30 0
今日の記事は、去年、今年と2年連続でウガンダ渡航する久留島さんに、ウガンダの幼稚園の様子について書いてもらいました。
ウガンダの幼児教育の現場で感じた保育者の実践知、そして、映画と身体性についてのコラムです!
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3歳から5歳の子どもたちが通うナーサリースクール。英語で学ぶ子どもたちのまっすぐな眼差しが印象的。
当然といえば当然だけれども、3歳から5歳にかけて「英語」が使われる量が増えてくる。
3歳では「音」や「絵」と母語を通して英語を学ぶ。5歳ではそこに「文字」が加わってくる。
面白いのが、先生の話がかなり長いのに子ども達は聞いている(先生達の指導が行き届いているともいえますが・・日本の保育の場と比べると修行のような時間)子ども達が疲れてくるタイミングで、先生は歌やダンスをしながら子ども達に問いかける。
すると子ども達もなんだかワクワクしてきて身体をゆすり歌を歌う。保育者の実践知が文化として位置づいていることが感じられました。
写真は「臭い匂いがするものを描きましょう!」という問い。
そして、先生が「腐った卵」と文字で書き、その横に丸を書くのです。子ども達は同じように丸をかいて「腐った卵」と声を揃えて唱えます。その時のみんなの顔は腐った卵をイメージし、先生も子ども達も「臭さ」を全身で表していました。
腐った卵はよくないというような話もしながら、子ども達と生活を通してそれぞれが体験をしたことを共有していました。
公用語が英語でもあるため、生活に必要だから英語を学ぶ。大人も英語と自分の母語を操りながら生活をしている。
子ども達にとって英語はコミュニケーションの媒体としての「文字(記号)」だけではなく「音」でもあり「絵」でもある。そして、身体的表現を伴うものでもある。コミュニケーションは身体を使ってということを体験的に学ぶ場がそこにはあった。
子ども達は映画を身体全体で楽しんでいた。映画と身体性。今年のcinema starsではそんな視点で子ども達と一緒に楽しみたいと考えている。
Text & Photo: Taro Kurushima