サードプレイスをデザインする
vol. 3 2019-07-09 0
はじめまして。今年ウガンダへ行く田中風花と申します!atelier cinema stars では主にワークショップデザインとグル・ウガンダでのサードプレイス(家や学校以外の、居心地のいい第三の場所)の企画を担当しています。
atelier cinema starsは、地域に住む子どもたちや女性のサードプレイスとして、普段属しているコミュニティーを超えて集い、日常の中で見過ごされる彼らのクリエイティビティを自由に表現できる場を創ることに挑戦しています。
atelier cinema stars の第1弾企画として、今年は『日本とウガンダの子どもたちで映画館を作る』をテーマとしました。桜木奈央子さんが長年やってきた星空映画館の活動を今回は子どもたちが企画します。
まず、”映画”や”映画館”を見たことのないウガンダの子どもたちに向けて、日本の小学生が「映画館でできるおすすめ」を言葉を使わずに表現します。そして、私たち渡航メンバーがウガンダの子どもたちに現地でのワークショップを通じてその表現を届け、実際に映画館を作る予定です。
先日早速、日本の小学校でワークショップを実施しました。子どもたち自身がおすすめする「映画館でできること」は何かを考え、アイデアを作るというものです。
言葉や文化が違う人に対していかに自分の思いや考えを表現することの難しさと楽しさを体験することを学習目標としました。
まず最初に「自分にとって映画館はどんな場所か」考えてもらったのですが、そこで出たみんなの意見がこちら;
・いやなことを忘れられる場所
・現実逃避できるところ
・夢と感動を受け取り、人生を変えられる場所
・色々な感情(ワクワク、ドキドキ、悲しい、楽しいなどなど)の現れる場所
・年齢、性別など関係なく誰もが楽しめて、ワクワクする場所
正直もっと抽象度の低い「映画館とは暗い場所!」とか「デカい場所!」のような答えを想定していましたが、「映画をみるという体験をこんな意味付けするんだ!「言語化するとこんな素敵な言葉に表現されるんだ!」と感動しました。
アイデアを出すプロセスでは、桜木さんやファシリテーターからウガンダの日常を伝えつつ、「ウガンダの”非日常”とは何だろう?」「映画を観たときの、あの吸い込まれる感じをどうやったらウガンダにあるもので実現できるだろう?」と、想像しながら取り組みました。
なかには、自分たちの想像以上に、普段身の回りにあたりまえにあるコトやモノがウガンダにはない、ということで戸惑う子どももいました。
非日常感の演出方法を考えていたグループは、ウガンダではお菓子やジュースが毎日食べられないというヒントから、映画館に必ずある”ポップコーン”に注目しました。
ポップコーンの匂いやポップコーンを友達とシェアしながら食べる体験は映画館の醍醐味ではないかと考えたのです。
しかし、過去に桜木さんが星空映画館でポップコーンを提供した時に奪い合いのけんかやカオスな状況になったストーリーを聞き、ポップコーンのアイデアを諦めようとしていました。
それでも一旦スタートに巻き戻し、話し合いの中で、「ジュースはなかったけど、水はあったよ!」と伝えたところ、
「じゃあ、紙コップに絵を描いてそのコップを使ったら水でもテンション上がるかも!」
「ウガンダの子どもたちにも描いて欲しいね!」
と盛り上がり、素敵なアイデアが生まれてました。
今回のワークショップでは挑戦したのは、難しいミッションだったと思います。それでも、普段の授業とは違う、正解がないワークショップという非日常の場を通して、自分たちの”あたりまえ”を見つめ直し、ウガンダの子どもたちに寄り添ってゼロから考えるという体験を届けられたのではないかと思います。
次回ワークショップに向けて、アイデアがブラッシュアップされること、みんなからのプレゼンテーションをみることが楽しみです!