自分だから作れるスイーツ ―和歌山の魅力を伝えたい―
vol. 3 2020-04-12 0
【今日は更新情報3です!】
上霜さんの元へ移籍してたくさん成長した私ですが、徐々に次のステップを意識していました。
将来独立したいという気持ちがあったのはもちろんですが、「新しいものを吸収したい」「私だからこそ作れるスイーツを作ってみたい」。そんな思いが浮かんでくるなかで、パティシエとしての私のアイデンティティについて考えるようになっていました。
東京という大都市で、すごくたくさんの優秀なパティシエがいるなかで、自分はどういうお菓子を作っていくべきなのか。
あるとき訪れたレストランで、意外な出会いをしました。
すごく素敵で有名なレストランが、和歌山の食材を使ったコース料理を出してくれたんです。都会に移り住んだ私は地元の食材について意識がなく、和歌山の食材のことなんて全然知りませんでした。
東京で開業するにしても、和歌山の食材を使うということが自分のアイデンティティになるんじゃないかな。純粋にそう思いました。
和歌山のフレッシュな桃がメインのヴェリーヌ。すもものソースやライチとグレープフルーツのジュレ、下にはアーモンドブランマンジュを合わせてある、満足度の高いスイーツ。夏におすすめのグラスに入ったスイーツでさっぱりと味わえるものが多い。
その後、実際に和歌山に住みながら、季節感をつかみ、農家さんと繋がり、和歌山の魅力を発信するお店を持ちたい。そう思った私は和歌山へ戻ることを決意します。
そのあとの話はみなさんご存知の通り。東京での経験、和歌山に対する思い、二つが重なって、私のシュークリームができていったんです。