もう会社は守ってはくれない by 松崎勉
vol. 21 2015-11-24 0
主にオフィス家具を扱うハーマンミラー日本法人の代表でありアジアリテールの責任者でもある松崎勉さんにお話を伺った。みどり荘とは、石巻2.0に関わっているメンバーの飯田昭雄さんから紹介していただき、プロボノとして活動している石巻工房や街づくり、さらにはハーマンミラーについてのお話をお伺いして、いつかなにか(みどり荘と)一緒にプロジェクトをしたいと思っている、そんな関係だ。
小学生の頃は、毎日毎日家が建つ過程を定点観測し、大工になりたかったという。中学生になり、その気持ちが高まり、建築家に夢を馳せた。しかし当時の先生から数学が出来なくては駄目だと言われ、、、そのかわり社会の先生が見せてくれた需要供給グラフに心奪われ経済学の道に進む。
社会人のスタートは国鉄が民営化したてのJR東海。今はジェネラリストを育てる会社が少なくなってきたが、JRはまさにそんな会社だったという。その後会社の留学制度を利用してアメリカでMBAを取得し、外資の経営コンサルティング会社へ。留学は、とにかくとにかく目から鱗の連続だったという。グローバリゼーションの始まりの時期、周りの学生達は自分の力で人生を切り開くという意思を持って生きていたことがなによりも刺激的だった。会社が育ててくれるのを待つだけでなく、自ら動かなくては何も始まらない世界。まさに外資系コンサルもその延長。仕事をしたという初めての実感もコンサルで「何もしないなら給料は貰えない」と言われたときだという。留学と外資コンサルはまさに死ぬほど苦労したという。そこから自分で経営をしなくては、と言う気持ちで再度渡米し、グローバルな環境で更に自分で人生を切り開く経験を積んだ。
ITの発展とグローバル化の社会では、もう会社は守ってはくれない。日本のいわゆる大企業だってこれからどうなるかなんて分からない。そこに頼って生きるのではなく、自分で前に進むことの大切さを私たちに熱く語ってくれた。
そして食べられる状況になると、意味のある人生を送りたくなる。今は、営利事業の成長を通じて社会問題を解決するCSV(Creating Shared Value)の実現をライフワークにすることを目指している。自分が素晴らいと思うことに対して自分が役に立つ存在であることを目指している。それが幸せの定義であり、働くことだという。