『よみがえる声』と映画「福田村事件」
vol. 2 2025-03-02 0
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3月1日は韓国では「三一節(サミルジョン)」と呼ばれ、日本からの独立を宣言したことを記念する祝日でした。
今から106年前の1919年、朝鮮の宗教指導者らによって読み上げられた独立宣言を発端に、韓国全土で民衆たちが日本による植民地支配に抗うために「解放」「独立万歳」の声をあげて立ち上がりました。
提岩里(チェアムリ)教会虐殺事件をご存知でしょうか
『よみがえる声』は、監督の朴壽南(パク・スナム)が記録してきた16ミリフィルムを娘の麻衣と一緒に復元させていく日々が描かれていますが、朴監督が最も大切に保管してきたフィルムの一つが独立運動の弾圧を生き抜いてきた民衆の記録です。朴監督は無名の犠牲者、彼ら、彼女たち全ての人々を「烈士」と呼びます。
1919年4月、韓国の水原にある堤岩里(チェアムリ)教会では、日本の憲兵が、独立運動に参加していた住民23人を教会に集め、出入り口を塞いで銃撃で殺害し、教会に火を放ち村全域を焼きつくしました。
1990年6月、パク・スナム監督(当時55歳)は、韓国で40日間に渡り撮影を行い、提岩里(チェアムリ)教会を訪ねました。虐殺事件の唯一の目撃証人であり遺族のチョン・ドンネ(田同禮)さんを記録するためでした。
パク監督が会った時、すでに92歳だったチョンさんは、カメラの前で生々しい記憶を語ります。
제암리 학살사건의 유일한 생존자 전동례(1898~1992)씨의 생존 증언을 담은 '되살아나는 목소리'
1990년에는 한국으로 로케이션 촬영을 온 뒤 제암리 학살사건의 유일한 생존자 전동례씨를 만난다.
당시 치매를 앓던 고령의 전동례씨가 그의 카메라 앞에 서자, 1919년 4월 15일 제암리의 상황을 기억하고서 분명하게 증언하는 장면은 형언하기 힘든 감정을 불러일으킨다.
この撮影のあと1992年に証言者チョンさんは亡くなりました。
映画『福田村事件』
日本でほとんど知られていないこの事件ですが、映画『福田村事件』(森達也監督)を観て、提岩里(チェアムリ)教会虐殺事件について知ったという方々も多いかもしれません。
映画『福田村事件』では、井浦新(ARATA)さんが演じる<澤田智一>が、朝鮮半島から帰郷したところから始まりますが、澤田は、日本語通訳者として体験した、提岩里(チェアムリ)教会虐殺の記憶を映画の中で告白します。
韓国政府は1982年、堤岩里(チェアムリ)の虐殺現場を国の史跡に指定し、3.1運動殉国記念館も建設されており、歴史の教科書でも教えられてきています。しかし、テレビ局以外、証言者であり、サバイバーのチョン・ドンネさんを個人で記録したのは在日のパク・スナム監督だけでこのフィルムは、唯一の証言映像です。そのため、昨年韓国で『よみがえる声』が公開された時に、非常に大きな話題になりました。若い30代前後の観客たちからは、「教科書で習ったあの提岩里(チェアムリ)教会について生存者の映像を初めて見て感動でした!」等、感想が寄せられました。
『よみがえる声』は、在日朝鮮人2世の監督朴壽南(パク・スナム 89歳)と娘の両眼によって、提岩里(チェアムリ)教会虐殺事、そして関東大震災の朝鮮人虐殺、強制徴用、原爆被爆、・・・植民地の歴史を生き抜いてきた「烈士」たちの記録を蘇らせ、その記憶と現実に向き合います。
2月28日に韓国在住のライター成川彩さんが書かれた記事もぜひお読み下さい!
映画・ドラマに映る韓国女性のリアル (21)
戦後80年、ドキュメンタリー『よみがえる声』日本公開へ
成川彩 2025.02.28 記事のリンクはこちらです↓
最後までお読みいただきありがとうございました。 多くの映画館で上映していただけるように、SNSでの拡散や口コミで、ぜひ今後ともこちらの→
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2025年3月2日『よみがえる声』上映委員会