【応援メッセージ】棚澤 明子さん (フリーライター)
vol. 11 2019-01-17 0
2012年、福島から東京へ避難してきていた1人の母親との出会いをきっかけに、福島のお母さんの小さな声を集めて広く伝えていくことが、この時代を生きるライターとして、また、一人の母親としての自分の役目なのではないかと感じたという棚澤さん。
それから約3年に及ぶ取材の末、「福島のお母さん、聞かせて、その小さな声を」を出版されました。
この時の取材対象として、もやい展事務局スタッフ相原の姉を紹介したご縁で、今でもお付き合いが続いています。
この2月には、その続編「福島のお母さん、いま、希望は見えますか?(仮)」の出版も予定されています。
強いモチベーションと目を見張るほどのバイタリティーで、被災地や、避難母子のいる各地へ足を運んで、丁寧に取材される棚澤さんの新刊も、福島のリアルを知る1つのツールとして、たくさんの人の手に届いていくといいなと願っています。
棚澤さんのラジオインタビューです。
首都圏で子育てをするママとして、背伸びしなくても等身大の自分で出来ることはきっとある。
そうした思いを新たにさせてくださる棚澤さんから、もやい展へも応援のメッセージをいただきました。
ありがとうございます!!
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原発事故からまもなく8年。
平穏を取り戻しつつある方々もいらっしゃる反面、
放射線量、避難者数、甲状腺がん患者数……
さまざまな“数字”を置き去りにして、
安心安全キャンペーンが日本中を覆い尽くしつつあるのも事実です。
“実害”は“風評被害”と言い換えられ、
復興の裏側にある現実を語ることも、
子どもの健康を案じてため息をつくことも、いまやタブーとなりました。
そんな閉塞感の中、東京で子育てをするひとりの母親として、
ライターとして何ができるだろうかと考え、
福島のお母さんたちの声を聞いて書き残す、という
活動をするようになりました。
いや、 “母である”という共通点を頼りに福島のお母さんたちと向き合い、
どこに希望を見い出せるのかと、
ただただ一緒に模索しているだけなのかもしれません。
次世代へ残す負の遺産を、少しでも小さくするために。
現実を知れば知るほど、苦しさも、虚しさも大きくなります。
この社会のどこに希望を見い出して子育てをしていけばよいのか、
私自身が光を見失って途方に暮れた時期もありました。
希望を探すのは、力のいる作業です。
現実の底まで見尽くして、
そこから光を見つけるのはたやすいことではありません。
「もやい展」に出展されるのは、それぞれの方法で3.11以降の現実と向き合い、
そこから見えてきたものを伝えてくれるアーティストの方々です。
その作品から見えてくるものは、
きっと遠くに見える灯台の明かりのように、
私たちを導いてくれることでしょう。
たくさんの作品に出会えることを、
私は、どこかすがるような気持ちで待っています。
太く、がっちりとした荒縄の結び目である「もやい」。
その結び目のひとつに、誰もがなれる。
私も、なれる。
それは希望そのものだと思います。
「もやい展」、応援しています。
「福島のお母さん、聞かせて、その小さな声を」著者
棚澤明子
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「もやい」それは、荒縄の強固な結び。3.11から8年、福島原発事故と向き合ってきたアーチスト達の個々の表現が金沢21世紀美術館で結ばれます。絵画、彫刻、写真、生花、造形、詩歌……福島の現実と命の輝きがあなたを包みます。
一人でも多くの方にこのプロジェクトを知っていただくために、引き続きのご支援・そして周りの方への拡散を、何卒よろしくお願いいたします。
https://motion-gallery.net/projects/2019moyai_kanazawa
★もやい展スケジュール★
場所:金沢21世紀美術館 ギャラリーA(石川県金沢市広坂)https://www.kanazawa21.jp/
日時:2019年3月5日(火)〜10日(日)
5−7日/10時~18時 8−9日/10時〜20時 10日/10時〜17時
入場料:100円(各種免除規定あり)