【応援メッセージ】 吉田 千亜さん(フリーライター)
vol. 9 2019-01-13 0
【応援メッセージ】 吉田 千亜さん(フリーライター)
「朝日新聞デジタル」2018年12月11日https://digital.asahi.com/sp/articles/DA3S13807439...
(ともに)原発事故、母子避難者に寄り添う フリーライターの吉田千亜さん 東日本大震災8年目
フリーライターの吉田千亜さん(41)=埼玉県在住=は、東京電力福島第一原発事故の「その後」を取材し続けている。テーマの一つが、放射能の被害を恐れ、母子だけで県外に避難した人たちの現状だ。
原点は自分が感じた恐怖。震災時、2人の子どもは6歳と2歳だった。「放射能はどこまで広がり、どんな影響があるのか」。自宅までの距離やチェルノブイリ事故を調べる中、「同じような不安を抱え、遠くに避難した母子が大勢いるのではないか」と想像を巡らせた。
2012年4月に埼玉県で避難者交流会を開いた際、母子で避難してきた福島県いわき市の女性に出会った。避難指示は出ていなかったが、放射能の影響が分からず、地元から離れていた。女性は「周りには故郷を捨てたと思われ、避難者として認められていないように感じる」とこぼした。
吉田さんは40人以上の母親に取材し、16年に「ルポ 母子避難」(岩波新書)を出版。今も頻繁に被災地入りし、現地の様子や避難者のための情報を伝えている。
プロフィール
出版社勤務を経てフリーへ。東日本大震災後、放射能汚染と向き合う母親たちの取材を続け、原発事故と母親を取材した季刊誌『ママレボ』、埼玉県に避難している人たちへの情報誌『福玉便り』などの編集・執筆。日隅一雄情報流通促進基金賞を受賞。
原発避難白書(人文書院)2015.9.1
http://www.jimbunshoin.co.jp/smp/book/b201038.html
ルポ 母子避難・・・消されゆく原発事故被害者(岩波書店)2016.2.26
https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b226376.html
その後の福島・・・原発事故後を生きる人々(人文書院)2018.10.4
http://www.jimbunshoin.co.jp/smp/book/b373466.html
岩波書店Web連載〈3.11を心に刻んで〉2018.10.11
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/1285
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原発事故後、大好きだった小説のたぐいが全く読めなくなった。そんな時期が数年あった。わざわざ小説を読んで、その世界に行かなくても、目の前の風景がすでに現実ではないようだった。
少しずつ小説も読めるようになり、想像の世界に行けるようにもなった。それでも、以前のような読書はできていない。事故から8年が経つ。風化が進む中で、それを押しとどめる力は「想像力」しかない。そんな話を、つい先日、福島県郡山市に住む劇作家と交わした。その方も、原発事故をモチーフに表現し続けている。演劇を含め、あらゆる表現は、見たものの「想像力」を掻き立てる。それは、少し遠くに感じられる過酷な現実、つまり原発事故の被害そのものが、本当は自分に近いものだと感じることができる。
現実と真摯な表現の間にあるのは、作り手の生き方と祈りだと思う。「もやい展」に込められたその生き方と祈りを、来場する多くの人が感じるはずだ。風化を押しとどめる表現の力と、「もやい展」の盛会を、心から応援しています。
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「もやい」それは、荒縄の強固な結び。3.11から8年、福島原発事故と向き合ってきたアーチスト達の個々の表現が金沢21世紀美術館で結ばれます。絵画、彫刻、写真、生花、造形、詩歌……福島の現実と命の輝きがあなたを包みます。
引き続き、シェア・ご支援のほどよろしくお願い致します!
★もやい展スケジュール★
場所:金沢21世紀美術館 ギャラリーA(石川県金沢市広坂)https://www.kanazawa21.jp/
日時:2019年3月5日(火)〜10日(日)
5−7日/10時~18時 8−9日/10時〜20時 10日/10時〜17時
入場料:100円(各種免除規定あり)