【街の先輩たち #04】UN店主・植松貴人さん、長谷川春菜ちゃん
vol. 4 2023-07-11 0
街に惹かれてやってきた新世代の二人と対談
外からこの街にやってきて、古いものを活かした街の姿に魅了され、活動の場に選ぶ。私たちがそうしてお店をはじめたように、同じ感覚を持った人たちとのゆるやかなつながりが京島にはあります。
今回は、そんな仲間のお二人に、バチスカーフの共同代表・飯田&上野がお話を聞きに行きました。
場所は、少しだけ内装デザインのお手伝いをさせてもらった植松さんのお店『お茶とお出汁とワイン un(あん)』。素敵な空間で、お二人のこの街での日々とこれからをお話ししてもらいます。
■お話を聞いた人(いつもの呼び方で)
植松さん
「キラキラ立花商店街」の一角にあった小料理屋さんを改装して、2022年にワインバー『お茶とお出汁とワイン un(あん)』をオープン。金土日のみの営業で、土日には本格派のコース料理とワインのペアリングを楽しむことができる。
https://www.instagram.com/un_kyojima
春菜ちゃん
大学院生だった2021年に京島を知り、街の雰囲気に惹かれて引越してきた人。現在は京島の銭湯「電気湯」や京島にある古い建物の活用を行う「暇と梅爺株式会社」などでパラレルに活動する愛されキャラ。
植松さんと春菜ちゃん
飯田:まず、植松さんがお店を始める場所にここを選んだのはどうしてだったんですか?
植松さん:平日はwebディレクターの仕事をしていて、金土日だけ営業するイメージで物件を探していたんです。そのときに友人のツテで京島を知って、案内してもらったら「面白いな」って。そこでここを紹介してもらったんですが、週末だけの営業でも現実的に家賃がペイできるというのは大きかったです。
あと、この辺りは「古民家“風”」じゃなくて本当に古いものを上手く活かしている場所も多いので、そういうところにも惹かれましたね。「古きを知って新しきを知る」といった価値観は僕としても大事にしたいことだったんです。
ただ、ウチって看板もないし、SNSでしか情報発信をしてないから、地元の人にまだまだ知られていなくて。なので今年はもう少しつながりを広げていきたいと思っています。
飯田:このお店のつくりって、あえてお客さんと店主の境があいまいになっているじゃないですか。お客さんとの関係性も築きやすそうですよね。僕らは最近やっとそこの境界が溶けてきたなと思っているところで。お客さんの店に自分も行くし、接客を「する側・される側」の関係性が解けて友達っぽくなってきたというか。
上野:そういう面でいうと、春菜ちゃんはこの街の人の誰とでも友達みたいに話せるからすごいよね。
植松さん:たしかに。この前、春菜ちゃんが電気湯の番台をしているときに行ったら、お風呂から出てきたお客さんに対してすごくナチュラルに「こんばんは!この人、近くでお店やってるんですよ!」って僕のことを紹介してくれて(笑)。
春菜ちゃん:私はみなさんみたいにお店を持っていないし、「個人」として振る舞えるからだと思いますよ。「この街のこと好きなんですー!」って走り回っているっていうか(笑)。
上野:何かを目的としているわけじゃない関係だからフランクに立ち回れる、みたいな?
春菜ちゃん:うん。だからやりやすいのかも。あと、年の離れている人との方が仲良くなりやすいんです。この街のおじいちゃんおばあちゃんに挨拶をしても、お互いに全然自己紹介しないんですよ。だから、名前を知らないままその人が身につけてるものとかで特徴を覚えて、それがあだ名になっていって。で、ある日ふと興味を持った時にお互いやっと自己紹介をする(笑)。そういう自由な関係性が心地いいのかもしれないです。
上野:たしかに、春菜ちゃんと歩いていて「こんにちは!」って声をかけたおばあちゃんに「アンタだれだっけ?」って返されてるのを見たことがある(笑)。
春菜ちゃん:そんなときも「わっはっはー!」で解決できるのが京島の好きなところです!
植松さん:いやほんとすごい……。
飯田:その街ごとの性質ってあるよね。都心に行けば行くほど、突然人に挨拶したらヤバい奴になる(笑)。
大きな一枚板のカウンターテーブルがキッチンと客席をあいまいにつなぐ
古民家を改修した内装
植松さん:ところで1000RENがオープンしたらどんなことをやっていこうとしてるんですか?
飯田:いろいろ考えてはいて。その一つが規格外野菜のパウダーを麺に練り込んで、時間がない時にもサクっと食べられるけど、健康にもいいし気持ちも豊かになれるようなうどんを作ること。あとはうどんって毎日食べるものってイメージはあまりないかもしれないけど、具・スープ・麺の組み合わせで色々楽しめるようにして、毎日来てもらえたらいいなって。
春菜ちゃん:どんなものが食べられるか楽しみです!あと、この辺のおじいちゃんおばあちゃんの中には、自炊ができない人もいて、コンビニのご飯ばかりになっちゃったりもしているんですよね。そういう人たちに少しでも栄養のあるうどんを届けたりしたいな。
植松さん:いいですね。『UN』としては、今年は近隣のお店さんとコラボイベントもできたらいいなと思っているので、うどんとワインのペアリングを楽しむ会をぜひやりたいです。
上野・飯田:面白そう!
植松さん:『UN』に来てくれるお客さんは地元以外の方も多いので、「この辺の他のお店って行ったことありますか?」と紹介することもあって。そういう機会を活かして、はじご酒のイベントとかもいいかなと思ったり。
春菜ちゃん:スタンプラリーとか!
飯田:酒(しゅ)タンプラリーだ!
上野:笑笑
春菜:楽しそう!あと、街のおじいちゃんおばあちゃんに「新しいお店ができたよ!」と口で説明してもなかなか覚えてもらえないから、お店紹介を紙にまとめたいと思ってて。
植松さん:それを見ながらこの辺のお店を回れたら良さそうだね。
飯田:夢が広がるね。いろいろやっていきたい!最後に、お二人の今後のことも教えてください!
植松さん:僕は、『UN』では飲食だけじゃなく、セレクトしたワインや器の販売をしたいと思っています。今は使っていない2階のスペースも活用して、ショップにできたらなと。
春菜ちゃん:範囲を広げつつ、引き続き京島で人をつなげる活動をしたいです。今はシェアハウスに住んでいるけど、そのうち物件が見つかったら「家開き」をして、いろんな人が遊びに来られる集会所みたいになったらいいなと思っています。
unでのインタビューの様子
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植松さん、春菜ちゃん、楽しい対談の時間をありがとうございました!
1000RENでも、何か一緒にできたら嬉しいです。
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