ついに鯨出ず
vol. 15 2018-07-16 0
これまでコレクター限定でしたが、ここから全員公開にします。
6月1日、様々な魚が獲れ、漁は大にぎわいだったが、とうとうクジラは出ませんでした。40日に渡る鯨取材もいったん幕を閉じました。
応援してくださった方々には期待に応えることが出来ず申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ただ人事を尽くして天命を待つという言葉通り、今回はやれるべきことは全部やった。なので私自身としては悔いはありません。
出れば神に感謝だが、でなければそのことにきっと意味があると考えます。
今回の撮影では、偶然にも50年に一回という悲しい事故に居合わせました。事故はとてつもなく悲しいが、その場に居合わせ、ラマレラの人々の奥深い気持ちに触れたことは、やはり深い意味があると考えます。
ラプラック以来、私は伝えるために生まれてきた、と確信するようになった。このラマレラにも、ラプラックに劣らず、伝えなければならないことがたくさんあります。
それがあるからこそ単に凄い映像で人々を驚かすだけではなく、深い深い人間の取材で自分自身が感動し、その感動を伝えることで人々の魂を揺さぶることができる。人間のドラマが迫真の鯨漁撮影をより一層人々の心に訴えるものにするに違いない。
ラマレラとのつきあいはもう27年におよぶが、この村の本当の素晴らしさを今回の取材で知ることができた思いがします。
詳しいことは映画の中で伝えるつもりですが、こんな村が、人々が、21世紀の現代に存在することが奇跡としかいいようがないです。
映画「くじらびと」の撮影、もちろん今回で終わりではないです。映画も、映画を撮る側も含めて、ドラマは始まったばかりです。
今後の予定ですが、今年は事故があり、漁が中断するという事態もあり、鯨漁には遭遇できませんでした。しかし、毎年5月は、これまでほとんど不発はありませんでした。
そのため、取材を延長します。ラマレラの人間の物語を追い続けながら、来年の5月まで撮影を続行します。詳しい日程はまたのちほどお知らせします。
みなさん、もうしばらくお付き合いください。