海の記憶、生物たちの記憶、大地の記憶
vol. 6 2019-10-26 0
洞窟の岩壁に化石化した微生物、プランクトンたち
ここもかつては海だったのだ。と思い馳せました。
海の記憶、生物たちの記憶、大地の記憶
皆さん、こんばんは。大小島です。
今日はプランクトンという生き物について少しお話ししますね。
プランクトンは私の作品の中にも出てくる度々登場する生物で、水中を漂って生活する浮遊生物のことを指します。
大きく分けると動物プランクトンと植物プランクトンがいて、生物連鎖にとても重要な働きをしているわけなのですが、この生き物たちを、私は北インドに行った時に入った洞窟の中で、その岩壁に混ざっているのを見たことがあります。
目前に広がる大地、海の下にも陸地は続いている。
ここはどのようにして作られた土地なのでしょうか。
TARAでもプランクトンたちの話はたくさん聞きました。その中の大事なストーリーの一つをご紹介します!(このストーリーは本の中にも掲載予定です。皆さんに少し先行でお披露目します)
寒流と暖流がぶつかる場所では、時に“ブルーム(プランクトンの大増殖)”という現象が起きます。 ブルームが発生している場所には、クジラをはじめとするさまざまな生き物たちがやって来て、プランクトンを食べます。エミリアナハクスレイのような炭酸カルシウムで出来た殻をもつプランクトンを食べた生き物から排出されたフンが海底に堆積され長い年月を経て地質学的な変化を受けて、やがてそれが地上に現れると、ドーバー海峡で見られるような白亜の大地を造ることもあるのです。
エミリアニアハクスレイEmiliania Huxley
©Daniella Schatz, Michel Flores and Flora Vincent
これはつまり、プランクトンが死してもなおいくつもの生命体を経て利用され、新しい大地へと変換されていくということです。この話を聞き、私は、海にある『生命の連鎖と物質の循環』を深く思いを馳せたのです。
大地が小さな生物の集合で作られている。私たちの生きる場所は有機物によって作られている。
生き物たちによって作られてきた地球の成分の中に生きていること。
何億年もの生物たちが受け継いできた生命のバトンを、人間もその中の一生物としてどんな未来に繋いでゆくのでしょうか。一人一人が地球の細胞となり、生きて死んで繰り返してゆきます。
Taraで仲良くなったプランクトンの研究者、フローラのお話です。
海の生態についてたくさん話をしました。
プランクトンは海の味がして、海の味は母なる胎内と繋がっています。
大小島真木