京都・立誠シネマでのトークイベントのレポート公開
vol. 30 2016-06-23 0
6月11日と12日に京都・立誠シネマで行なった、坂本一也監督とユースギョンさんとのトークイベントの再録レポートをアップしました。
坂本一也さんのトークイベント(6/11):信念を持って、関西から新しいアニメーションを作り出す
ユースギョンさんトークイベント(6/12):マンガの視覚表現研究者が見たWAT 2016の海外アニメーション-『ビトイーン・タイムズ』は日本的
坂本さんはWAT 2016の作品を次のように評してくれました。
坂本さんも学生時代は、海外作品を見に広島国際アニメーションフェスティバルへ足を運ばれたとか。海外作品を見て、「感性が違う」と感じたそうです。
WAT 2016が選んだ10作品を、坂本さんは「刺激的で」、「進化している」と感じられ、「新しいものを創る意欲」が掻き立てられたそうです。
日本のアニメはマンガ原作ものが多く、ストーリー性を重視する傾向があります。一方、「シンプルで叙事詩的なヨーロッパのアニメーションは感性を表に出すので、シンプルに心が揺さぶられる」。
技法的にも、ヨーロッパはアメリカのディズニーに代表されるような1秒間に24コマを描く“フルアニメーション”なのに対し、日本のアニメはわざとコマ数 を減らす“リミテッドアニメーション”。そこに日本アニメならではの表現が生まれ、定着してきたのですが、「基本的には一緒なので、一辺倒な表現」という 弊害も生じる。
ユーさんはマンガの視覚表現研究者そしてマンガ家の視点で、次のような感想を述べてくれました。
日本のアニメは作品(主人公)と“自分”(観客)との間に距離がないのに対し、海外作品では“自分”との距離感があります。たとえば、日本ではモノローグ が多用されるが、海外作品にはナレーションはあっても、モノローグが少ない。『ビトイーン・タイムズ』は、鳩時計のモノローグが舞台回しとなり、「日本的 と感じた」そうです。確かに、監督の桑畑かほるさんは日本出身ですね。
視聴前に解説を読まないユーさんは、『触感のダンス』が聴覚障害者の登場する作品と知らずに見始めたところ、「主人公の耳が聴こえないのが分かり、見直したら、細かい配慮」に気づき、感心したそうです。
また『真逆のふたり』は、夫婦が上下逆さまの空間で生活する設定が良かったとか。
これまでのトークゲスト5名の方々のレポートをまとめました>>
京都・立誠シネマでの上映も、いよいよ明日、6月24日(金)までとなりました。
Aプロ 11:40~、Bプロ 13:00~
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