演者の汗が飛び散る近さで「お祭り」を満喫
vol. 21 2015-05-18 0
【映像収録シリーズ5】 結花公演レポート
今回のプロジェクトでは、当初はホール公演のみ収録を予定していましたが、皆様に、和力をより知っていただきたいと、加藤木 朗宅・栗矢の無礼講、学校公演など収録を増やしていきました。
今回は、以前、Vol.6「躍動する獅子舞と太い梁とのコラボ映像」で紹介した「蔵のギャラリー結花公演」の演目をレポートいたします。
今回の舞台となった「蔵のギャラリー結花」様は、130年前に建てられた薬種問屋の見世蔵を松戸市矢切に移築したものです。
現在は1階で喫茶店を、2階ではイベントスペースとして運営されています。
和力は毎年お正月に招待されて、この伝統的なお蔵でおめでた芸を披露させていただいております。
2階にあるイベントスペースは二間の板敷で舞台と客席に仕切られています。
客席は通常30席ですが、今回は40人のお客さまにご覧いただきました。
演者の汗が飛び散る近さで観覧できるのが、小規模公演の醍醐味です。
今回は定番の演目の他「おはやし紀行」という演目で、お客さまを四季のお祭りにご案内しました。
・夏の盛岡 さんさ踊り
女性の踊りでにぎわいます。
・秋の岸和田 だんじり囃子
ご存じ男祭り。
・冬の秩父夜祭り 屋台囃子
祇園祭、高山祭りとならぶ日本三大祭りです。
・春の滋賀甲賀市 水口(みなくち)囃子
水口囃子は、太鼓を習っている方が一度はマスターしたいと思う人気のお囃子だとお聞きします。
大太鼓と締太鼓、鉦(かね)からなるかけ合いの演奏で、とてもワクワクするリズムです。
実はこれが江戸囃子の影響を受けたお囃子だということが解説されます。
昔は京都が文化の中心で、祭りは西から東に伝わっていくのが普通だったといいます。
ところが、水口囃子は江戸囃子の影響を強くうけ、珍しく東から西に及ぼしたというものです。
それは、近江商人の存在を抜きにして語れません。ご商売がお上手だった近江商人が江戸で成功して故郷に帰った。そのとき身につけた江戸の文化を滋賀県に伝えたというのです。
文化の伝播というのは思いがけないものがあるのだと感じます。(諸説あります)。
一度、YouTubeなどで「水口囃子」のリズムをお確かめください。
特にさびの部分で、江戸っ子の気っ風をお感じになられるかもしれません。
和力公演が終わると、お客さまは1階の喫茶店で、美味しい珈琲を味わっておりました。
蔵のギャラリー 結花 様