加藤木 朗の自宅での暮らし
vol. 12 2015-03-13 0
【映像収録シリーズ1】加藤木 朗宅 訪問レポート
映像を担当される飯田監督が最初におっしゃったのは、「加藤木 朗さんの暮らしぶりが見たい」ということでした。 一般社団法人 和力の加藤木 朗が住むのは、長野県下伊那郡阿智村という南信州の山間にある自然豊かなところです。
▲加藤木 朗の自宅より南アルプスを望む
加藤木より「栗矢の無礼講に出演しますので、そのときにおいでください」と返事があり、 夏も終わり涼しくなった昨年9月初めに、飯田監督と山内カメラマンと阿智村にお邪魔しました。 村にある栗矢神社では9月の1ヶ月程、五穀豊穣を感謝した里人が伝統芸能を奉納するお祭があり、訪問を指定された日は、神社の拝殿で加藤木ファミリーの神楽が予定されていました。
加藤木の自宅は、少し高所にあり、庭先からは南アルプスの山々が望めます。そこにたつ大正時代の養蚕農家を感じさせる家が我々を迎えてくれました。 母屋のとなりには稽古場があります。
ドキュメント作家でもある飯田監督が「加藤木さんの耕している田を見学したい」と申し出ました。9月の初めですから、穂は黄金色になりつつありますが、頭がたれるにはまだ早い季節。 野良着に着替えた加藤木が、草刈り機であぜ道の雑草を刈る姿をカメラが追います。田で作る米は出荷もしています。自宅裏には山を整地した畑があり野菜はそこで栽培しています。今年(2014年)は枝豆、トマト、茄子が豊作とのことでした。 こうして加藤木家が自給自足に近い生活を送っている様子がカメラに収められていきます。
家に戻って、薪割りをする姿を収録します。「ストーブと風呂焚きに使うので、ひと冬分を用意するのはひと仕事です」と加藤木。 南信州とはいえ、冬は厳しい地方です。「薪割りにコツがあり、体の軸で斧を振りおろすと力をかけなくてもスパッと割れる。これは太鼓を打つ要領と同じです」。その後、インタビューに応じた加藤木は、農業と芸能との密接な関係を語ります。 詳しい内容は、ただいま編集中の販売用DVDに収められる予定です。
ご近所から差し入れられたトウモロコシが茹でられ大皿でふるまわれました。「トウモロコシをくださったこのお宅は、牛を飼っていてその肥料でトウモロコシを育てているのですよ」と加藤木から説明がありました。どうりで都会では見たことがない肉厚で甘いトウモロコシです。
夕方、居間に子ども2人が呼ばれ、父親(加藤木)と舞台の打ち合わせをします。 子どもたちは、小さい頃から舞台に出ているので、父親の簡単な指示で理解します。
あたりが暗くなった栗矢神社に到着すると、拝殿の前にはイス席が設けられ、50人ほどのお客さまがすでに集まっていました。 ライトアップされた200年の歴史をもつ拝殿が幽玄な雰囲気を醸し出しています。子ども2人のお囃子で、加藤木 朗の鶏舞が奉納されました。
【長野県下伊那郡阿智村】
加藤木 朗(一般社団法人 和力 理事)の居住地。 下伊那郡の西南に位置し、恵那山、富士見台高原および大川入山から深い谷間をぬって大小の河川が流れ阿智川および和知野川となって天竜川に注いでいます。 標高410mから2191mまでの山間地に60の集落が点在しています。
【栗矢の無礼講】
無礼講は、神様の御座敷に人間があげてもらい、神様と同じものを口にできるという。 豊作を祝い神様への感謝の気持ちとして、里人が伝統芸能を栗矢八幡社にて奉納し、 里人は神社の拝殿にあげてもらい、神様と同じお神酒と神餅をいただくことを許されます。 境内では地元で取れた農産物などを販売する「夜市」も開かれます。
▲栗矢八幡社