制作14日目
vol. 4 2014-01-24 0
Heating at Ashram School Ganjad / 高まる熱@アーシュラムスクール・ガンジャード
#2014. 1. 22
朝、夜中に雨が降った気配がした。
空はぼんやりかすんでいるし、空気が湿っぽい。
そういえば昨日の夜は、なんだかもあっとしていた。
あれは雨が降る前兆だったのだ。
ニワトリの鳴き声って、こっちではどういうんだろう、って話しながら朝ごはん。
ブラックティーと、ポハ。
カックルニークックック。らしい。
この日は、黒板の左側の空と雪山の絵に取り掛かった加茂さん。
制作は14日目を迎えた。
白と青のグラデーションが、絵を予感させる。
ペイントナイフが軽快に動く。
微量の青を取り入れながら、まるで植物が日に日に育つスピードの様に少しずつ色を変えていく。
山際から、丁寧に進めていく。
ほんのりと、しかし確実に、元の色とは違っている。
ビルの作業を黙々と、黙々と続けるnagasakuさん。二人が向き合う壁が対照的。
今までは、クラス7,8,9,10くらいの比較的高学年の子たちが中に見に来ていたけれど、
3,4年生も来るようになった。指さしながら、自分の好きな絵を教えあっている。
世界が塗り替えられていく。絵の密度がみっしりしてくる。
このまま、一番上まで行くかと思いきや、
なんと、僕の発注ミスで絵の具が切れてしまうという事態発生・・・。
加茂さんを困らせてしまった。
この技法は、絵の具が乾いてしまうと色が変わってしまうために、
いっぺんにやりきるのがセオリーなのだ・・・。
すぐに、Dahanuの文房具店に注文したけれど、届くのは翌日の夕方。
それまでには暗くなってしまうので、作業ができるのは翌々日。。。
それまでに、乾かなければ何とかできるのだが、
乾いてしまったらもう一度やるしかない・・・。
制作をギリギリの日程で、毎日全力を出している
加茂さんの貴重な時間が失われてしまうことに・・・。
なんとか、okazu塾のみんなの知り合いでムンバイにいて絵の具を買い、
その日中に帰ってこれる人や、Dahanu中の文具店で、
必要なものを探してもらったけれど、うまくいかなかった。
なんとか、乾かないように祈るしかない。
加茂さんも、続きができるように色を残しておくなど、最善を尽くしてくれた。
大反省。。。
どうしたらいいのか、と考える中で、
ある子が、誕生日だから、と飴を持ってきてくれた。
なごんだ。
午後、ビルの窓の暗い部分が塗り終わり、次のステップへ。
非常灯の明かりなのか、ほの暗いところをほの暗く塗っていく。
でも、均一ではなくて一つ一つが若干違う。
それに、窓の枠を少しはみ出してもいいのだそうだ。
「描いているとわかるんですが、ビルが生き物みたいですね」とnagasakuさんが、
その感触を加茂さんに伝える。
先生たちが毎日、チャイをいれてくれる。
ありがたい一服の時間。
学校には、先生たちと、給食のお兄さんなどを含めると、全部で26人のスタッフがいる。
それぞれに時間を見つけて観に来てくれるのだけれど、 明らかに、距離が近くなっている。
温まっている、と言った方がいいのかもしれない。
先生たち、子どもたち、学校の空気が温まっている。
先生たちとのちょっとしたやり取りに冗談が混じってきたり、深い質問があったり。
挨拶をしてくれる子が90%以上になっていて、帰り際に「ナマステ~」が途切れなく続いたり、繰り返し名前を聞いてくれ、呼んでくれること。
そういうこと、一つ一つからそう感じられる。
明日、akkoさんが渡印してくる。次の日には一郎さんチームが来る。
この熱は、どこまで加速していくのか。
okazu
WAPオフィシャルブログ《インドの子どもたちの今を知る》
「Heating at Ashram School Ganjad / 高まる熱@アーシュラムスクール・ガンジャード」より