猪苗代とワルリの人々の祭り〜ワルリ画ギフトその4〜
vol. 16 2017-03-03 0
猪苗代での聞き取り調査中、「他に何か聞きたいことはないですか?」と語り部の鈴木さんに尋ねられ、「昔でも、今でもよいのですが、猪苗代に住んでいる人たちにとって嬉しい時はどんなときでしょうか?」とワルリアーティストたちは質問しました。
答えてもらった中で印象的だったのは、祭りの話。
秋の収穫祭や、農地と山の真ん中あたりにあって両者をつなぐ存在「はやま」への信仰。
山から神が降りてきて地を潤していることに感謝する祭り。
または、集落ごとの村の鎮守。「風まつり」は台風雨の被害が出ないよう、お祈りします。
猪苗代のワルリ画「再び始めよう」の一部。聞いた話から想像を広げ、描かれた。
小平潟天満宮では、毎年7月25日に本祭りがあります。
24日は、よいごもりで、どぶろくやおさけのお振る舞いがあります。
小平潟天満宮にまつわるお話は、以下のよう。北野天満宮に収めるはずだった像。須磨の仏師が作ったところ、10分の1の大きさで出来てしまった。近江国の神よしざねさんが、諸国行脚中、像を見つけ、いただいた。安置場所を探す旅の中で、天神浜に来て腰をおろして休憩した。しばらく休み出発する時、よっこらしょ、と像を持ち上げようとするも、全然持ち上がらなかった。「はぁ、これは、きっとここに安置してほしい、ということだろう」と考え、村長と相談。天満宮を作り、安置したのだそう。
12月、絵本のために再度お話を聞くインタビューを終え、小桧山さんから自家製どぶろくを振舞っていただきました。猪苗代の米でつくられ、雪の下で寝かせておいたというフレッシュでまろやかなどぶろくは、フルーティで飲みやすく、ちょっとキケンでした(笑)
ワルリの村にもたくさんの祭りがあります。ワルリ画に描かれる、ダンスの図柄は有名ですが、その中心には、タルパーという楽器を演奏する人が描かれます。このタルパーは、米を植え、収穫までの時期のみ、資格を持つ人のみが演奏を許されています。資格というのは、ワルリ族のシャーマン=バガットであることです。バガットは、ジャングルの薬草の知識も豊富です。
ある時、演奏にやってきたタルパー奏者。鼻から息を吸いながら、口から息を吐き、演奏する。
長年演奏していると、演奏時の息の圧力で歯が抜けてしまうケースもある。
下の写真は、Mayurがギフト用に描いてくれたタルパーを吹く人です。
左上に輝く月が描かれています。
ワルリの人々が踊るのは、普通、夜だいたい8時から9時頃から未明まで。
自家製の蒸留酒を飲み、月の光の下、タルパーの音色と歌で人々は豊かな収穫を願い、踊ります。
特に収穫がちかづく9月、10月は毎日が祭りのようなのです。
ポストカードサイズワルリ画 painted by Mayur Vayeda
おかず