地図から消えゆく津島からのメッセージ④
vol. 6 2020-03-01 0
石井ひろみ
北海道で生まれた私は、転勤族の父に連れられ、福岡・大阪・兵庫・東京・神奈川と7度の転居を繰り返しました。そして8度目の移動で津島に嫁ぎ、もう引っ越すことは二度とないと思ってました。
自然の豊かさ、美しさは勿論、将来もずっと途切れることなく繋がりあっていると思っていた人と人との絆、人情の豊かさがもたらす安心感。ふるさとを持たなかった私が、40年をかけてようやく手に入れたふるさとを、原発事故で奪われました。
築150年になる旧家で暮らしていたのですが、避難から9年が経ち、傷みがはげしくなりました。イノシシが庭に穴掘り、側溝を土で埋めたため、大雨の時には溢れ出た雨水が床下まで浸水したこともありました。
放置していても家は朽ちてゆくだけです。だから今回、歴史ある母屋も解体する決意をしました。150年に渡り、先祖や家族が暮らしたこの家が無くなるのを前に、せめて記録だけでも残したいと思います。
窪田美智代
あれから9年。帰還困難区域となってしまったふるさと津島。
一時帰宅するたび水田は森になり、
見えていた近所の家までも木が生い茂り、
見えなくなってしまっています。
とても悲しく、悔しい思いでいっぱいです。
荒れはてて行くふるさと津島を何とか残したいと思い、
今後ともご支援頂ければ幸いに存じます。