つくろい東京ファンドはあらゆる年齢層の「住まいの貧困」に取り組んでいます!
vol. 3 2015-09-28 0
現在クラウドファンディング実施中の本プロジェクトは、子どもや若者を主な対象者としたものですが、「つくろい東京ファンド」では年齢差別の壁によってなかなか部屋を借りることが出来ない高齢者に対しても様々な形で支援を進めています。
今月、つくろい東京ファンドが運営する個室シェルター「つくろいハウス」(東京都中野区)に入所していたKさんが、近くのアパートに入居しました。
Kさんは85歳の男性。昨年秋に入所したKさんは、これまで「つくろいハウス」に入所した30人以上の利用者の中で、最年長になります。
私(稲葉剛)はKさんと一緒に不動産店に同行し、契約に立ち会いました。
「つくろいハウス」は本来、短期滞在を想定した施設ですが、高齢のためになかなか入れるアパートが見つからないKさんの滞在は長期化しました。
単身高齢者がアパートに入居するためのハードルが高いという問題は、今年5月の川崎の簡易宿泊所火災でも明らかになっています。
(外部サイト参考リンク:【単身・低所得の高齢者が安心してアパート入居できる仕組みを!】)
福祉事務所は高齢者施設に入ることをKさんに勧めていましたが、私は「一人暮らしがしたい」というKさんの意思を尊重して、彼が入れるアパートを探してきました。
しかし、80代半ばの人を受け入れてくれるアパートはなかなか見つかりません。
また、Kさんの足腰はまだしっかりしているのですが、今後のことを考えると、階段を使わなくてすむ1階の部屋に入った方が良い、ということも考慮すると、部屋探しのハードルはますます上がりました。
そんな折、私たちの活動を応援してくれている近隣のアパートの大家さんから「1階の部屋が空いた」という連絡をいただきました。
念のため、大家さんに「85歳の方ですけど、大丈夫ですか」と聞いたところ、「ウチのアパートには86歳の人もいるよ」と笑って答えてくれました。聞くところによると、このアパートでは1階の部屋は高齢者に優先して入ってもらっているということでした。
Kさんと一緒に部屋を内見したところ、彼もその部屋を気に入ったので、そこに入居することになりました。
85歳にしては元気に見えるKさんですが、やはり年齢のことを考えると、一人暮らしには不安がないわけではありません。今後は、大家さんや介護サービスの事業所とも連携をして、Kさんの見守りをすることが決まっています。
Kさんの場合、大家さんの協力もあって、アパート生活を始めることができました。
今後とも地域の大家さんや不動産屋さんとネットワークを作り、Kさんのような高齢者が安心してアパートに暮らせるように支援していきたいと思っています。