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個室シェルターをクラウドファンディングで実現!

住まいのない人が安心して暮らせる個室シェルターを作りたい!

東京都中野区内にあるビルを改装し、住まいを失った生活困窮者が暮らせる個室のシェルター(8部屋を予定)を開設します。

FUNDED

このプロジェクトは、目標金額800,000円を達成し、2014年8月9日23:59に終了しました。

コレクター
118
現在までに集まった金額
1,079,500
残り日数
0

FUNDED

このプロジェクトは、目標金額800,000円を達成し、2014年8月9日23:59に終了しました。

Presenter
一般社団法人つくろい東京ファンド 代表理事 稲葉 剛 プロフィールを表示

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1969年、広島県広島市生まれ。1994年より東京・新宿を中心に路上生活者支援活動に取り組む。20年間で3000人以上の路上生活者の生活保護申請を支援。 2001年、湯浅誠らと共に自立生活サポートセンター・もやいを設立し、共同代表に就任(2003年より2014年まで理事長)。2014年、一般社団法人つくろい東京ファンドを設立し、空き家を活用した低所得者支援に乗り出す。 一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事、住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人、生活保護問題対策全国会議幹事、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授。

ビッグイシュー販売者の路上脱出を応援したい!対談:瀬名波雅子さん(ビッグイシュー基金)×稲葉剛

vol. 7 2014-07-10 0



稲葉:今日はお越しいただき、ありがとうございます。ビッグイシュー基金の瀬名波雅子さんとの対談を始めたいと思います。実は本日対談するこの場所はですね、今朝からみんなで大掃除をやっていたのですけども、私が新しく立ち上げた新団体「つくろい東京ファンド」で開設するシェルターの一部屋になっております。
瀬名波:ねぇ、なんかすごいいいお部屋! 住む方も喜ばれるんじゃないですか?すごいキレイ。
稲葉:みんなできれいにしたんです。
瀬名波:私、初めてお邪魔したので、ちょっとあとで撮影させてください。
稲葉:まず最初に、瀬名波さんがビッグイシューに関わるきっかけとか、動機を伺えればと思います。
瀬名波:そうですね、2006年に大学を卒業し、一般企業に就職したのですが、その頃から一般企業かNPOに就職するかですごく悩んで、結局一回は企業に入ろうと思い、新卒で企業に入りました。 会社の仕事はすごく楽しかったんですけど、やっぱり何か自分の思いに近い仕事をしたいなと思っていた頃、ちょうど2011年3月に東日本大震災が起きて、私はその時ビルの12階にいたのですが、大きな揺れに驚いて「死ぬかも」と思いました。その時にすごく後悔したのが、自分がやりたいなと思った仕事を選ばなかったことだったんですね。いつまで人生が続くか分からないって考えたときに、ずっと興味のあったビッグイシューのような仕事をしたいと。 もともと海外の貧困に興味があったので・・・
稲葉:学生時代から海外の貧困に興味が?
瀬名波:そうですね、結構バックパックで一人旅とか・・・。 留学や国際協力のNGOとかで海外に行くことが多く、学生時代は正直日本の貧困問題にはあまり目を向けていなかったんですけど、会社に入って、湯浅さんの「反貧困」を読んだことや、あとは身近な友達がふとしたきっかけで困難な状況に陥っていくのを見ていて私も考え方が変わっていきました。日本の貧困問題に関心をもつようになり、2011年、ちょうど求人があったビッグイシューの門を叩いたということになります。この八月で丸三年になります。
稲葉:ビッグイシューには有限会社ビッグイシュー日本と認定NPO法人ビッグイシュー基金の二つがあるのですが、この動画をご覧になっている方にはよく分からない方もいらっしゃるかもしれないので、ちょっとビッグイシューの仕組みについて説明していただけますか?
瀬名波:はい。 ビッグイシューというと、ご存じの方はおそらく「雑誌販売」の仕事と認識される方が多いと思います。大きな駅などで目にされた方もいらっしゃると思います。
まず、「有限会社ビッグイシュー日本」と、「NPO法人ビッグイシュー基金」のざっくりした仕事の違いは、雑誌を制作することと、ホームレスの方たちに雑誌を販売するためのサポートをするというのが有限会社ビッグイシュー日本の仕事になります。なので、多くの方が認識されているのは、有限会社ビッグイシュー日本が行っている事業なんです。NPO法人ビッグイシュー基金の方は、ホームレスの方たちの生活、仕事など自立に向けた相談ですとか、あとは「路上脱出ガイド」という小さな冊子をもやいさん達と協力して作ったり、「若者ホームレス白書」を作ったりということをしています。
有限会社ビッグイシュー日本は雑誌を制作しているんですが、今年の4月からそれまで300円だった雑誌を350円に値上げしました。販売できる方の条件をは、ホームレス状態にある方のみに限定している雑誌です。一番はじめに販売希望の方がいらっしゃったときに、10冊雑誌を無料で差し上げて、その売上げ(3500円)を元手に次に販売する雑誌を一冊170円で仕入れてもらう。なので、雑誌1冊の定価350円の雑誌と仕入れ額170円との差額である180円がホームレスの方の収入になるという仕組みです。
NPO法人ビッグイシュー基金の方は、ホームレスの方々の、仕事を探したい、家を探したいなどという要望があったときのサポートの他に、リーマンショック前後で急増した若者ホームレス問題に取り組んでいて、「若者ホームレス白書」や「社会的不利・困難を抱える若者応援プログラム集」を発行していたり、いろんな分野の団体の方たちとつながりながら、サポート体制を探っていっています。また、住宅政策や若者政策の提案なども行っています。すごく簡単な説明なんですけど。
稲葉:あと、文化・スポーツ活動も。
瀬名波:そうです。 文化・スポーツ活動もビッグイシュー基金の活動の一つです。毎年どこかの国で行われているホームレスワールドカップですとか、最近公演も増えてきたダンス・ソケリッサですとか、英会話クラブが始まったり…。大阪の方では野球が盛り上がっていたり、販売者さんが町を案内する「歩こう会」とか…。販売者さんが主体的に楽しめる活動を応援しています。その「楽しめること」が生活を立て直すときにふんばれる力になると考えているので、販売者の方を中心とした文化・スポーツ活動の場を大事にしています。
稲葉:ビッグイシューの販売が始まったのは2003年?
瀬名波:そうですね、有限会社ができたのは2003年ですね。
稲葉:最初、大阪で始まって、その後東京でも始められたんですよね。私、よく覚えていまして。私自身は1994年から新宿を中心にホームレスの人たちの支援活動をしてきて、いろんなところでホームレス問題について講演をしていたんですけど、時々講演の参加者から、海外ではホームレスの仕事を作るストリートペーパーってありますが、そういうのが日本にもできないんですか?という質問を90年代から何回か受けていたんです。私は「いや、それは結構難しいんじゃないですか?」って答えていたんです。というのも、以前はホームレスの人たちに対する偏見が非常に強く、ストリートペーパーを売るってことは、人前で自分がホームレスであることをさらけ出すということで、なかなかそういう一歩踏み出すような勇気は日本の社会だと持ちにくいのではないかと。 自分がホームレスであると知られてしまうことになりますので・・・。あと、日本で販売したときに、どれだけの人が買ってくれるんだろうと。非常に有意義な取り組みだとは思うけれども、日本でビッグイシューのような事業を始めるのは難しいのではないのでしょうか?という話をしていたんですよ。それが、佐野章二さんが大阪で始められて、その後東京でも始められた。「え、やるんだ!」とすごくびっくりしたのを覚えています。
瀬名波:91年にイギリスのロンドンでビッグイシューが生まれて、世界各地でストリートペーパーの前例はすでにあったんですね。ですが、日本で始めると言った時、主に4つのむずかしさが指摘されたそうです。まず、日本は道でものを売るという文化がなかったこと、次に、若者の活字離れがすでに進んでいたこと、そしてネットで情報が無料で手に入る時代になったこと、最後に、ホームレスの人たちから物を買う人たちがいるのだろうか?という疑問。なかなか難しいものはあったと聞いているんですけれども、いろんな創意工夫とエネルギーで起業して今に至ると。昨年、ちょうど会社の方は10周年を迎えました。
稲葉:東京で販売が始まったときには、私も当初かかわっていた新宿の炊き出しの場に販売者の勧誘に行ったことが・・・(笑) あとは、販売が始まってからは講演会などでもいつもご紹介させていただいています。ビッグイシューが定着するかどうかが日本におけるホームレス問題の一つのリトマス試験紙になるんじゃないかみたいな話をよくさせてもらっていました。まぁ、でもそれが定着して10年以上続いているというのはすごいことだなと。
瀬名波:ありがとうございます。経営的にはなかなか厳しいところがあるんですけどね。
稲葉:それで、実際に売ってらっしゃる販売者さんの生活の状況、収入の状況というのはどれくらいになるんでしょうか?
瀬名波:今、ビッグイシューは1日と15日の月2度、雑誌を出しているんですけど、平均して一人大体一号につき200冊くらいの売上げですね。収入でいうと、月に6万後半から7万前後の収入ですね。大阪などはドヤの数も多く、値段もとても安いのですが、東京の場合はネットカフェでも一泊1500円とかしますので、今回の稲葉さんのシェルターのようなところがあったら本当にいいのにという希望がありました。平均7万円っていう金額は、どういうふうに見るかだとは思うのですが、もう少し販売をがんばって、安価な住まいが確保できれば何とか自分で生活できていけなくもない金額です。住まいが安定すれば、安定した販売につながる面もあると思うのですが、東京の住まいの問題はとても深刻ですね。
稲葉:私も「もやい」でいろんな人の保証人や緊急連絡先になっていて、何人かビッグイシューの販売者のサポートもしてきたんですが、販売者さんの中には10万円以上の収入がある方もいらっしゃるじゃないですか?だから、2万とか3万の安いアパートだったら払えるという人はいらっしゃるんですが、どうしても初期費用・・・敷金、礼金、不動産手数料等が払えないというのが大きなハードルになっているんじゃないかなと感じます。
瀬名波:そうですね。あと、現住所がないということで、身分証明書が持ちづらいんですね。家に入るにしても、現住所がないことがハードルになる方も結構いらっしゃいますね。
稲葉:このたび、クラウドファンディングでお金を集めているこのシェルターは、「あわやハウス」と名付けたんですが、8部屋の個室を作って、うち2部屋につきましてはビッグイシューの方専用にしようと思っています。実は、今いるこの部屋がそうなんですが。(笑)ビッグイシューの販売者さんであれば、月3万円くらいなら家賃として払えるのではないかと。で、いったんそこに入っていただいて、お金を貯めるなり、あるいはいったん住民票をここに置けば仕事も得やすいのではないかと思うんですね。そしてゆくゆくはアパートに入れるように支援していければと思っているのですが、手前味噌なんですけど、どうでしょうかね?
瀬名波:ビッグイシューの販売者にお部屋を貸していただけると伺った時に、ビッグイシュースタッフの間でも、「ならば、どうやってその部屋を利用しようか?」という話になったんですよね。私たちが目指すところは、ビッグイシューの仕事や基金の活動を通して、自分でチャンスを掴んで、チャンスを活かして生きていく基盤を整えるということでやっていますので、販売者の中でもアパートの入居を現実的に考えている人に入っていただきたいなと思っているんですね。先ほどもお話ししたように、路上生活からそのままアパートに入るのはむずかしく、すごく販売を頑張っていても、初期費用が貯まらない、現住所がなく大家さんに断られてしまう、あとは保証人が立てられないなどで、アパート入居のハードルがとても高いです。なので、あわやハウスはアパートに入る前のステップハウスとして準備をするために使っていただきたいなと。ここに入っている間に現住所を設定したり、初期費用を貯めたりして、あとは実際に暮らしてみることによってシュミレーションができるというか、自炊してみたりとか、いろんな生活面での準備もできるかなと思っているので、私たちもすごく楽しみにしているところがあります。屋根のある、自分の部屋と呼べるところに住む安心感が、ビッグイシューの販売やその後の就職活動をがんばれる基盤になるといいなと思っています。
稲葉:ありがとうございます。これまでも「もやい」でいろいろなプロジェクトをご一緒してきましたが、今後はこのシェルターも活用しながらホームレスの方々のサポートをしていきたいと思っています。本日はどうもありがとうございました。
瀬名波:ありがとうございました。

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    • スタッフによる貧困問題レクチャー(2時間程度)。
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