制作日誌・第二回
vol. 2 2023-11-26 0
応援ほんとうにありがとうございます。
監督の東かほりです。
ENBUゼミナールのシネマプロジェクトはワークショップ・オーディションを経て映画をつくっていく企画です。
はじめてのワークショップ・オーディションはとても刺激的で魅力的な出会いの場所だったので、制作日誌2回目は、そのことについて書かせてください。
わたしは人の家のごはんが好きです。
家庭の味で人となりがなんとなく伝わるのがとてもいいんです。使い古された食器なんかも、たまらない。人を知ることが好きです。
●とあるご家庭でいただいたベストオブ家庭の味。
今回のワークショップを通して「その人の素を知る」というのをかなり意識していました。
普段どういう方なんだろう?というのは、写真やプロフィール文だけではわかりません。
初対面の方のお話を聞くのが好きで、以前数人で話す際に、司会に徹しすぎて、笑っていいとも!のタモリさんみたいと言われたことがあります。(うれしい)
ほんとうに魅力的な方がたくさん応募くださり、定員もあったため残念ながらみなさん全員とお話しできなかったのですが、悩みに悩んで3班に分けさせていただき、ワークショップがはじまりました。
どの班も1日目に
①日常の癖。
②最近街で見かけた気になった人や出来事。
③みなさんの、とりつきたいモノはなんですか?
という質問をさせていただきました。
この質問をした際に、一番見ていたのは、話している方の癖です。
頭をかいたり、顔をくしゃっとしたり、服の裾をもじもじと触ったり。
こういう動きが自然と出るとうれしくなります。
癖を活かしたい方にはなるべく癖を取り入れてもらうようにしてみたり、印象的なエピソードを話してくれた方には、その出来事を演じていただいたり、あてがき台本を作りながら頭の中で想定していた、原作の登場人物と重ねていました。
この当てがき台本を元に、原作にはないオリジナルのシーンもつくっていきました。
そして、このワークショップで一番心に残ったお話をたくさん聞かせていただいたのは、③のとりつきたいものはなんですか?という質問です。
母が残してくれたダルマ
家族の顔が見れるから、テレビ
ライブ会場の天井
一杯で消えたいので、実家のインストコーヒー
妻の枕
スカイツリー!
などなど。
答えた方の理由や、話し方も含め印象に残っているモノがたくさんあります。「とりつきたいもの」を聞くことは、その人の人生を少し垣間見る瞬間でもありました。質問した際のお名前やメモは大事にとっています。
ワークショップが終わり、どのお話しにするかをたくさん悩みました。
原作から選んだ4話についての理由や、キャストの方々について、今後このお話しも映像にしたいと思っていることについてなども、また書かせていただきます。
次回は、ワークショップにも何度か顔を見せていた、母との脚本のやりとりについて書いていきたいと思います。
●『レンズ』のロケ地のお家は、すてきなおじいさまのお家をお借りしました。家の前の植物の飾り方、とてもすてき。花壇アートもお人柄がわかるのでだいすきで、住宅街を散歩する際は目を光らせています。