制作日誌・第一回
vol. 1 2023-11-23 0
監督の東かほりです。
こうして制作日誌を読んでいただけること、とてもとてもうれしいです。
ほんとうにありがとうございます。
紹介にも書かせていただいたのですが、この映画『とりつくしま』の原作は、わたしの母、東直子の小説です。
17歳のころの私は、母が嫌いで嫌いで、こんな日がくる未来が待っているなんて聞いたら発狂するんじゃないかと思います。
今思うと、なんでそんなに母が嫌いだったのか謎です。
あの頃言い合ったひどい言葉達がぐるぐる頭をめぐり、心臓がギュッとなります。
30歳くらいでようやく母としっかり向き合えるようになり、わたしの長すぎる反抗期は幕を閉じました。
母との関係については長くなりそうなのでまた改めてここで書かせてください。
わたしの話を少し。デザイナーとしてお仕事をしながら27歳で映画を撮りたい!と思い立ち、映画学校に通いました。
2021年に初めての長編映画『ほとぼりメルトサウンズ』を撮り、映画の上映トークゲストに、母を呼んだ日がありました。
壇上で母と会話するのはあまりにも照れくさかったですが、なんだかとてもうれしく、母原作での映画が撮りたいと、このとき初めて思ったのを覚えています。
そのあとすぐ、プロデューサーの市橋さんからお声がけをいただきました。
前々からENBUシネマプロジェクトの映画は観ていて、いつか私も撮りたいなぁと思っていたので、ほんとうに光栄でした。
ワークショップを経て、映画を制作するこの企画に合う内容を考えたとき、母の小説の中でとくに好きだった『とりつくしま』が頭に浮かびました。
ファンタジーにしたくはなくて、映画を観た方の現実に続いていくような、生活に馴染む作品にしたいと思いながら提案しました。
次回は、ワークショップについて書いていこうと思います。
引き続き応援していただけますと幸いです。
●ロケハンの際に、カメラマンの古屋幸一さんが発見してくれた四葉のクローバー。
縁起がいい!押し花にして、撮影中ずっとカバンにいれてました。
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