印刷所へ行ってきました
vol. 19 2026-09-20 0
雨が降ったりやんだりと、ぐずついた天気が続いておりますが、これが終われば一気に秋になるのでしょうね。
さて、行ってまいりました。刷り出しの立ち会いに、です。
先日、校了してゴーサインを出したデータが製版され、いよいよ印刷が始まるわけです。
かなり激しい雨が降る中、僕とアートディレクター上田豪さんが向かったのは、もちろん長野県は松本市の藤原印刷です。
ここで少々寄り道を。
校了したデータはページ順に並んでいるので、まずはこれを並べ替える面付けという作業が行われます。
原則として商業印刷では、この図のように大きな紙の裏表に16ページぶん、あるいは32ページぶんをまとめて刷ります。
これは16ページぶんを並べたものですが、なぜ、こんなややこしい順番に並んでいるのか。実は、この大きな紙を何回か折ることで、連続したページの束をつくるのです。この束を折丁といいます。
16ページごとの(あるいは32ページごとの)折丁を重ねて1冊の本になります。だから、この場所が違っていたり、面付けの上下を間違えると、折丁のページが連続しません。
「TECH」の216ページがきちんと順番通りになるにも、正しい面付けをする必要があるわけです。
さらに、今回はフルカラー、つまり4色印刷です。
僕たちの視覚は、印刷物の色を4つの色の組み合わせで認識します。
そこで、面付けされた状態のデータを、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4つの版に分けます。
子供のころに版画をやったことがある方ならわかると思いますが、この版を順番に重ねて印刷することで
最終的に、表現したい色が再現される仕組みです。
ここまでが製版作業です。印刷前の準備段階です。
いやたぶん、もっといろいろと細かい作業があるのでしょうけれども、
とりあえず、ここでどれだけ丁寧な版づくりをするかが最終的な仕上がりの質を変えます。
今回は、印刷監督・花岡チームの百瀬さんが、微妙な画像の修正も含めて、徹底的に
版を仕上げてくださいました。百瀬さんありがとうございました。
予定の時間に藤原印刷へ到着し、印刷機の準備が整うまでしばらく待っていると、花岡さんがふらりと現れました。
「どうもどうも」
「おひさしぶりです」
などと軽く挨拶をしたところで、
「もっと紙がインクを吸いこんで、暗く沈むかと思っていたんですけど、あんなにきれいに色が出るなんて」
「銀の光り方がすごかったです。本当にありがとうございます」
などと、ひとしきり僕たちが先日の色校正を絶賛すると、
「ね。けっこうよかったでしょ?」
と花岡さんは軽く答えます。
「いや、すごかったですよ」
「びっくりしましたよ」
ところが、そこで花岡さんはニヤリと笑ったのです。
「実はね、あれからもうちょっと追い込んでみました」
「え!?」
「さらに?」
「ま、見てくださいよ」
いったいどうなっているんだ、藤原印刷。
あの色校正から、さらに何かをどうかしただと!? 本当にどうかしているぞ。
ということで、いよいよ印刷が始まります。
今回登場する印刷機は、こちら!
ドイツ・ハイデルベルグ社が誇るフラッグシップモデル。その名も「スピードマスターXL-106」。印刷に関わる人なら誰もが一度は触ってみたいと憧れる、まさに印刷機のF1マシンなのでありますよ!!
ちなみに175と描かれているロゴは、ハイデルベルグ社創立175年の記念ロゴだそうで、いわば記念モデル! よくわからないが興奮します。
それではいよいよ刷り出しの開始です。
ある程度の枚数を刷り、印刷機やインキが安定したところで一枚抜き出して、確認します。
色校正と比べながら、僕たちが色校正に対して出した指定通りになっているかを確認する作業なのですが、えーっとですね、指示通りというか、超えてきました。色校正でもかなり超えていたのに、さらに超えてきました。
写真だとわかりづらいのですが、あのですね、色校正よりも遥かに鮮やかになっていて、しかも光にかざすとキラキラするのです。特に裏表紙の「TECH」というロゴなんかは、アルミステッカーを貼ったの?と思うくらいの質感です。ひゃー。花岡さん、えらいことですよ。もう、文句なしのOKです。
OKを出したら、あっというまに印刷されていきます。さすがはF1マシン。速い、速すぎる。
刷り上がった表紙がどんどん運ばれていきます。
今回の表紙は、まず最初に銀色のインキだけで印刷して、その上から4色を順番に刷ります。ちなみに、これが銀色を刷った状態の紙です。
表紙が終わると、続いて本文です。
こちらも、色校正を超えてきました。せっかく立ち会っているのだから、「もうちょっとこの辺の赤みを落として」とか「この黒が潰れないように」なんてことを言いたいのですが、言うことがないのです。悔しい。
一番手前のユニットに青色の紙が見えていると思います。あれが、版です。それぞれのユニットでCMYKを刷ります。
よく見ると、セリフのふきだしの中が空っぽです。CMYのどの版なのか、僕は見ただけは区別できませんが、セリフは黒なので、少なくともこれは黒以外の版だとわかりますね。
そんなふうにして、4色のインキを順に刷った状態がこちら。
片面に16ページぶん、両面で32ページぶんが1枚の紙に刷られます。これを折って重ねるわけです。
こちらも一つずつ、入念に色のチェックをしていきます。色そのものにはまったく問題がないので、隣り合うページの間でトーンに差がないかを見て、ほんの少しだけインキを足したり引いたりという微調整を行います。
微調整をするたびにどんどん紙が減っていくので、ちょっと冷や冷やしつつ、それでも妥協はしない僕たちと藤原印刷です。
ということで、無事に印刷は終了しました。
あとは折って重ねて切って貼って固める作業です。
まもなくです。まもなく完成します。今しばらくお待ちください。
なお、ネコノスの通販サイト
https://neconosbooks.stores.jp/items/6a9cf985401c3170a6bc84cc
や、Amazonでの予約も始まっております。
https://link.amazon/B03nrc54R
こちらも拡散していただけると助かります。
また、一部の書店でもお取り扱いくださることが決まりました。
この本を書店の棚に並べる!が実現しそうです。
本当にありがとうございます。
浅生鴨 拝
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