バンド・デシネ翻訳者の原正人さんから応援コメントをいただきました!
vol. 15 2026-08-29 0
皆さん、はじめまして! フランス語圏のマンガ“バンド・デシネ”の翻訳をしながら、世界のマンガを翻訳出版するレーベル「サウザンコミックス」の編集主幹をしている原正人と申します。
ヴィンチェンゾ・ナタリのグラフィック・ノベル『TECH』のクラファンが目標金額に到達したとのこと、実にめでたいですね! またひとつ海外マンガを日本語で読めるようになったことを、一海外マンガファンとしてうれしく思います。
クラファンの終了は8月31日(月)23時59分とのこと。あと数日残っていますから、まだの方はぜひこの機会にご支援いただければと思いますし、まだこのクラファンのことを知らない人のために情報拡散をしていただければと思います。
プルーフと呼ばれる本番印刷前の見本でひと足先に『TECH』を読ませていただきましたが、まさに「SFノワール」という感じで、すっかり夢中になってしまいました。荒廃した近未来の世界と高度なテクノロジー、ドラッグによる自己拡張という要素の組み合わせは、『ブレードランナー』や『攻殻機動隊』、『AKIRA』といった、僕らにお馴染みの傑作を連想させます。そしてページの端々から漂うバンド・デシネの香り。作者自身が認めていることですが、メビウスやエンキ・ビラル、フィリップ・ドリュイエらのSFバンド・デシネの影響は一目瞭然です。こういった作品がお好きな方は、乞うご期待ください。
恥ずかしながら、僕は映画監督のヴィンチェンゾ・ナタリが、グラフィック・ノベルを出版していることを知らなかったのですが、映画監督でありながら、こうしてグラフィック・ノベルまで執筆してしまうその才能には、唖然とするほかありません。日本だったら、それこそ大友克洋や今敏、宮崎駿、アメリカならフランク・ミラー、フランスだったらエンキ・ビラルやマルジャン・サトラピ、ジョアン・スファール、リアド・サトゥフなどが思いつきますが、世界的に見ても、そんなマルチな才能の持ち主は、それほど多くはない気がします。
本プロジェクトのトップページにも書かれている通り、海外マンガの翻訳出版はかなりハードルが高いです。本作の企画が流れてしまうことも全然ありえたと思います。そんな中、クラウドファンディングを行う決断をして、本作を日本語で読めるようにしてくれた浅生鴨さんとネコノス合同会社さんに心から感謝したいと思います。
実を言うと、僕自身、「サウザンコミックス」でクラウドファンディングを通じて海外マンガを翻訳出版するという試みをしていまして、浅生鴨さんとネコノス合同会社さんの想いとご苦労は痛いほどわかります。一方、従来の商業出版ではなかなか難しいこういった挑戦を可能にしてくれるクラファン、めっちゃすばらしいですよね。
ちなみにサウザンコミックスでは、9月30日(水)まで、僕自身が発起人になる形で、ダヴィッド・プリュドム『レベティッサ』という、ギリシャのブルース「レベティコ」の世界を描いたバンド・デシネを翻訳出版するためのクラファンを行っています。よかったらぜひプロジェクトをのぞいてみてください。
https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/9446
面白そうだと思っていただけるようでしたら、ぜひ事前予約としてご支援いただけるとありがたいです。『TECH』の成功に続けるように頑張ります!
原正人
「バンドデシネ」翻訳者/「サウザンコミックス」の編集主幹
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1974年静岡県生まれ。フランス語圏のマンガ“バンド・デシネ”を精力的に紹介する翻訳家。世界のマンガをクラウドファンディングで翻訳出版するサウザンブックス社のレーベル「サウザンコミックス」編集主幹。アレハンドロ・ホドロフスキー&メビウス『アンカル』、フィリップ・ドリュイエ『ローン・スローン』、ピエール・クリスタン&ジャン=クロード・メジエール『ヴァレリアン』(いずれも小学館集英社プロダクション)、ダヴィッド・プリュドム『レベティコ―雑草の歌』(サウザンブックス社)、ロラン・オプマン作、ルノー・ロッシュ画『ルーカス・ウォーズ』(キネマ旬報社)など訳書多数。監修に『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』(玄光社)がある。 |
