現代の茶人からのメッセージ ブレケル・オスカル
vol. 18 2019-08-12 0
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今回のアップデート記事は、日本茶伝道師 ブレケル・オスカルさん。
母国スウェーデンで日本茶に恋をして、日本茶を学びに日本へ。
その日本茶にかける情熱は、とことん熱くて純粋です。
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オスカルさんが教えてくれる日本茶の魅力には、我々日本人がふと見落としがちな、
でも日本茶の楽しさの本質を捉えたものがあります。
その一つが、「淹れる楽しさ」と、おもてなしの心。
日本茶は最もシンプルな料理、と言われることを思い出させてくれます。
お茶っていうのは、飲んでおいしいだけじゃなくて、淹れるのも楽しくて、蒸し製緑茶はお水で淹れてもおいしいし、ちょっとやや熱めのお湯で淹れても美味しいですし、あとお茶が持っている味の要素、苦味、渋み、甘み、うま味、それらをバランスよく引き出そうと思えば、70度くらい、80度くらい、のお湯で淹れればいいですし、非常に柔軟性があって、自分が求めている味に挑戦することができますし、あるいは、誰かにお茶を淹れた時に、相手の好みに合わせることもできるのは、日本茶の、日本の蒸し製緑茶のすごく楽しいところなんじゃないかなと思います。
例えば、誰かにお茶を淹れた時に、少し苦いお茶は大丈夫ですかと聞いたら、やや熱めに淹れて、香りも含めて引き出すような淹れ方もあるし、やっぱりちょっと苦味とか渋みとかちょっと抑えた方がいいということであれば、ちょっと温度を下げてじっくりと淹れることもできますし、相手に対する思いやりをなんというんですかね、行動で示すことができるのは日本茶なんじゃないかなと思います。
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日本茶に魅せられ、今は、国内外のゲストに日本茶の魅力を伝えるべく奮闘されているオスカルさん。そんな、第一線で活躍するオスカルさんから見て、現代人は日本茶から離れていっているのか、聞いてみました。
離れていっているというよりも、気付いていないんじゃないかと思います。
例えば、自分より10歳くらい若い方、20代前半くらいの方だと、自分は急須を使ったことないという人もちろん多いんですけど、両親も使っていないという人も多い。離れていったというよりも、触れたことがない。お茶イコールペットボトルそれがもうスタンダートなので、なかなこれとリーフのお茶と急須と触れたことがない。そこで、逆に今がチャンスじゃないかなと思う。というのは、特に若い世代の方に優れた日本茶を紹介すると「なんだこれ!」と。飲んだことがない香味なので、やっぱりみなさん驚きますよね。
一回感動したら、やっぱりこれって楽しいなって思うようになって、コーヒーとか紅茶より今どこでも飲めるんですけど、いい日本茶はなかなかその辺で出会えないので、逆に特別感があって良い。特に今、東京中心に日本茶カフェとか増えてきましたし。たぶん日本人は日本茶が飲みたいというのがあるんじゃないかと思います。やっぱり、捨てたもんじゃないなと。こういう意味で、日本茶がある意味弱くなってきても、粘り強さを示して、復活しそうな状態に今なっているんじゃないかと。
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日本茶への好奇心は感動の一杯から。そしてその魅力に気づくセンサーが、日本人のDNAには入っているようです。
また、我々がまだ日本茶の魅力に出会っていないゲストに日本茶を紹介するとき、どのようなことを心がければ良いか聞いてみました。
まずは、美味しいお茶を紹介すればいいんじゃないですかね。美味しいと思ってもらってそれ始まると思います。そのあとは楽しい。日本茶の楽しい世界を紹介すればいいんじゃないかと思います。みなさん忘れがちと思うが、これは健康にいいとか。若い人はそこまで健康に意識はなく、楽しいの方が惹かれる。せっかくこんないろんな淹れ方ができて、そういう楽しいところを紹介したらいいと思う。
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楽しい日本茶の世界。最高です。
最後に、いくつかある日本茶の価値の中で、日本茶が我々の生活をちょこっと、でも確実に豊かになるというお話をしてくださいました。
日本茶は、人間関係をつくるのに最適な飲み物です。酔わずに真剣なことを話しができ、お茶があった方がその場が落ち着きます。「職場で活かす」というと肩肘張った言い方なるのでそこまで言わずに、取引先だけでなく社内の中でも、充電する感じでお茶を一緒に楽しく飲む。
スウェーデンでは「フィーカ」という概念があって、友人や家族と温かい飲み物などを飲みながらゆっくりする時間を過ごすが、そういう時間があると、日頃のストレスの中にあるし、人生が豊かになるし、そういうところにお茶を取り入れてもいいのではと。
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本編では、オスカルさんの素敵なインタビューを、もっと聞いていただけます。
日本茶が好きな人の背中を追っていると、新しい日本茶の魅力を再発見できる。
そのことを確信させてくれる、オスカルさんの取材でした。
では、残り二日間、駆け抜けてまいります!
日本茶ドキュメンタリー映画製作チーム
高津 真