現代の茶人からのメッセージ 辻喜代治
vol. 19 2019-08-12 0
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いよいよクライマックスに向けて、頑張ってまいります。
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現代の茶人からのメッセージもついに最終回。
今回の茶人は、京都・宇治で、日本一の抹茶を生産されている辻喜代治さんです。
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辻さんはお茶の栽培の話をしてくださる時、茶の木を人に例え、我が子の成長について語るようにお茶の話をされます。
宇治という土地、辻さんという人。この場所でお茶の天地人ががっちり組み合わさり、
ここでしかできない抹茶ができることを教えてもらいました。
このお抹茶の原料の碾茶ですね、碾茶栽培が始まって約400年と言われています。文献によりますと、600年前からこのような覆い下手摘み栽培が行われていたという文献も残っています。400年間、文献だけ、そして口伝だけでしか伝わっていない栽培方法ですね、それを、その400年経験された、先人さんたちの経験を受け継いだ。その受け継いだ栽培方法は、本当になんら変わっておりません。でも、そこに、プラスアルファしていくことによって、さらに良質茶が生まれる。そこのプラスアルファのところの部分を、本当に、自分の、今の経験で、体感していただいて、お茶と対話していただいて、いきたいと思う。そうすれば、必ず良質茶が生まれます。
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伝統をしっかりと受け止めながら、小さじ一杯でも、自分たちの代で進化させていく。そうした人の努力と宇治の天地が組み合わさって、この時にしか味わえないお茶が生まれます。
名人と呼ばれる辻さんですが、ご本人はいたって謙虚。茶をつくるということに、極めるという瞬間はないようです。
私のお茶栽培のこだわりということなんですけども、私が就農して30年となりますけど、覆い下手摘み茶園というのは一年に一度しか摘採をしません。それも手摘みの摘採です。本当に、私も30年なんですけど、30回しかまだしていません。30回の中から、どのようなものがいいのかというのを検証するために、毎年、アミノ酸分析しています。で、そのアミノ酸分析によって、どれだけの旨味成分がこの新芽に蓄積されているのかというのを、来年にフィードバックしながら、そして、その栽培を良い点はその栽培を続けて、悪い点はそこは除外してしまう。というところで、どんどんといいお茶を良質茶を作るために頑張っています。
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楽しんでこそのお茶。抹茶と聞くと、少し敷居を高く感じる方もいらっしゃるかもしれません。
辻さんから、「まずはどんな形でもいいので本物のお茶に触れてほしい。そうすれば、自ずと興味を持っていただけると思う。」との言葉をいただきました。
本当に美味しいお茶というのは裏切りません。ちゃんとしっかり日本人のDNAにお茶というのはしっかり根付いています。やはり美味しいお茶というのは、五感、心、日本人の心にしっかりと根付いています。その良質茶を見分けるのは、どのような形でもいいので、まず最初はどんな形でもいいのでお茶に携わってほしい。お茶に触れて欲しい。そこから美味しいお茶へ進んで行っていただければいいかと思います。
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映画本編では、辻さんのお茶づくりの現場を描きます。そして、辻さんの抹茶が、東京・西荻窪のsatenへ。そこで新たな日本茶ファンが生まれる瞬間に、ぜひ皆さんも立ち会ってください。
日本茶ドキュメンタリー映画製作チーム
高津 真