現代の茶人からの応援メッセージリレー vol.10 茶茶の間・和多田善
vol. 11 2019-07-22 0
日本茶ドキュメンタリー映画製作チームの高津です!
クラウドファンディング、ご支援100名突破まであと少し。
頑張ってまいります!!
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今回の応援メッセージリレーは、表参道・茶茶の間の和多田善さん。
茶農家、製茶問屋と続く日本茶のバトンを最後に受け取り、ゲストの"感動の一杯”につなげる、
淹れ手のプロフェッショナルです。
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様々な嗜好品の中で、和多田さんが最も惹かれたものが日本茶。その理由を聞いて見ました。
日本茶は製造工程において一番変化が少ない嗜好品。畑から摘み取ったお茶を蒸して揉んで乾かしただけで作っているもの。畑を取り巻く環境であったり、フレッシュな春の一番いい香りのする茶畑のその香りをそのまま閉じ込めているのが日本茶です。これを都会の、家の中であっても、お湯をさせばその香りや味わいを、うつわの中で再現できる。こんなことができるのは日本茶だけではないかと。
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茶畑の香りを、都会のうつわの中で再現する。お話を聞いているだけで香りが漂ってきそうです!そんな和多田さんが、普段どのようなことを意識しながらお茶を淹れているか聞いて見ました。
普段一番意識しているのは、そのお茶の持っている個性をどのようにした一番引き出せるのかということに重点を置いて呈茶をしていまして、お茶の楽しみ方ありきの日本茶なので、どういう風に楽しむのかという出口を決める。そして、その出口に合うようなお茶の葉、逆に言えばお茶を見た時にどういった出口で楽しんであげるのが、このお茶の個性を合楽しんであげれるのかということを考えて決めて行く。
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一方で、過去に比べると日本茶の消費が落ち込み、"若者の日本茶離れ”という言葉も耳にしたりします。本当に、次の世代は日本茶から離れていってしまったのでしょうか?
私が感じるのは、リーフのお茶の魅力それ自体が否定されてきているのかというとそんなことはないと思ってまして、実際にお店に来る若いお客様で、ペットボトルが凄く好きで、でもリーフを飲んだことがなくて、初めて飲める機会なんで楽しみに来ましたという方が、美味しいと言ってそのまま急須も持っていないからと言ってお茶と急須を買って帰られるなんてこともあるんですよね。
もちろんそれが常にということではないですが、確かに飲む機会は減っていると思うが、リーフの魅力そのものは現代の我々にとって否定されるものかといったそんなことはなく、むしろあえて自分が淹れるからこそいいものが求められているかもしれない。つまりペットボトルのお茶があるので普段はそれで十分。特別な時はリーフのお茶を使って飲みましょうなんていうのが今後形成されて行くのではないかと思います。
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ペットボトルのお茶の良さ。自分で淹れるお茶の良さ。それらを時々によって選べる立場にある我々は、幸せな時代に生まれたのかもしれません。今ではちょっと想像できませんが、昔の和多田さんもリーフのお茶の魅力を知らなかった一人。そして、日本茶との"幸せな偶然”があり、魅了され、茶茶の間が生まれました。
知らないという方が一番じゃないでしょうか。かくいう自分も知らなかった。こういうのを始めた一つのきっかけとして、自分が美味しい日本茶を体験したときに、なんでそれを今まで知らなかったんだろうというのがすごい影響力というか、知らないなら知れるような機会のある場所を作れたらいいと思ったのがこの店を作った理由のひとつなので。ぜひ知ってほしいですね。
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和多田さんの、茶畑の香りを都会で蘇らせる呈茶(ていちゃ)、ぜひ本編でご覧ください!
日本茶ドキュメンタリー映画製作チーム
高津 真