茶人たちからの応援メッセージリレー vol.6
vol. 7 2019-07-12 0
クラウドファンディング、84名の方に応援いだたいております。ありがとうございます!
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前半でいただいたご支援の熱を、後半より多くの方に届けてまいります!!
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今回の応援メッセージリレーは、埼玉・日高市の狭山茶専門の製茶問屋 備前屋の清水敬一郎さんです。
清水さんは、狭山というテロワール、そして、緑茶を中心に取り組まれる中にあって、お茶の持つ"萎凋"という魔法のような、その秘めた力を引き出す技に熱心に取り組んでおられます。
狭山が生んだ品種、狭山が育んだ喫茶文化、日本茶であって萎凋(いちょう)を用いるお茶。
いろいろなことを考えさせられる、そしてお茶の懐の深さを知りワクワクする取材となりました。そんな清水さんが、"萎凋"を用いたお茶の香りと出会った時の印象を次のように述べておられます。
一番感じたのは、フルーティーなという表現でしたね。あの時に感じた萎凋香というのは、今まで私の知っていた、何十年と飲んでいた煎茶、緑茶、日本茶とは全く違う香りだったので、花のようなといいますか、日本茶の、日本酒の大吟醸のようなといいますか、とにかくフルーティーな感じがあって、これがお茶なのというのが正直なところでしたね。
香りというのは普段何気なくしか認識してなかったんですけど、こんな深いその食品の香りがあるのかなと思ったのがその時の煎茶でした。
一方、やはり狭山茶は蒸し製緑茶が中核であり、それは今でも変わりありません。そんな産地の中にあって、萎凋を用いたお茶を取り扱うようになった時の、お客様のリアクションはどのようなものだったのでしょうか。
半発酵茶(萎凋させたお茶)を初めて出した時に、お茶の専門店で狭山茶の専門店でこういうものを扱っていいんだろうかというのがあったんですが、お客様の反応って非常に好意的で、こういう時代ですから、お客様の方が色々なものをご存知です。そういったものに対して、うちの方が提案したものがいいのか悪いのかというのは、本当に素直に反応していただけますね。
そしてその背景として、この地域には、"萎凋"というお茶に秘められたもう一つの香りを楽しむ風土があったのではと話されています。
太田儀十という先人がいらっしゃるんですけど、この方がおそらく萎凋香が好きだったようなんですよね。そして全品(全国茶品評会)の審査の時も、萎凋香のあるものを上位にすべきと主張したというようなことが残っております。それくらい、狭山というところは、昔からその萎凋香に対しては寛容だった、また、そのようなものを好む土壌があったのかなと思っております。
本編では、清水さんが大切にされている、狭山で育まれたお茶の品種である"ゆめわかば"が、胃腸によってポテンシャルを引き出され、そしてゲストの一口へ感動へつながる。そんな場面を追いかけます。
最後に、平凡なお茶と特別なお茶を分けるものは何か。そんな質問を清水さんにさせていただきました。その答えは「余韻」です。いいお茶は、いいものしか残さない。
お茶を飲んでて一番印象に残るというのは飲み終わった後なんですね。お茶の場合というのは、最初に口に含んだ時と、抽出液が喉を滑り落ちた時と、その後の余韻、この3つで味わうことができるかなという風に考えております。
一番あの、感想が残るというのは余韻なんですね。これがですね、とても香りがいいとか、味がスーッと引けるとか、そういうのが特別なお茶な感じがしますね。飲み終わった後に渋みが残るとか、苦味が残るというのは、これは私は平凡なお茶だと思います。
いいお茶というのは、いいものしか残さない。そういう気がしますよね。
お茶の懐の深さ、「日本茶」をどのように捉えるか、その土地でしか作れないお茶とは、いろんなことを考えさせられる、そしてワクワクさせてもらえる時間となりました。
ぜひ、本編を楽しみにお待ちください!
日本茶ドキュメンタリー映画製作チーム
高津 真