現代の茶人からの応援メッセージリレー vol.2
vol. 2 2019-06-20 0
日本茶ドキュメンタリ映画製作チームの高津です。
現代の茶人たちからの応援メッセージリレーの第二弾は、
静岡・天竜のカネタ太田園、太田勝則さんです。
太田さんは、全国茶品評会という、日本茶の栽培・製茶技術の品評会で、
何度も全国1位を獲得されたことのある、お茶づくりの名人です。
太田さんの茶園は、私(高津)が見てきた茶園の中で、最も茶の木の寝心地の良さそうな足元、
まるで三ッ星ホテルのベットのような技術・手間・愛情が注がれた畑でした。
そんな太田さんは、年間を通じて圧倒的な回数、茶園に足を運ばれます。
手間を惜しまず、何度も何度も茶園に足を運ぶ。
プロフェッショナルな茶農家さんは当たり前のように実践されていますが、
誰にでもできることではないと思います。
今回、手もみ茶の名人として登場いただいている中島 毅さんが、
「あれほど茶の木が充実して育っている茶園がない」と言われる茶園。
そんな茶園ができる理由や大切にしていることをお聞きしたところ、その答えは、
「とにかく数多く畑に足を運ぶ」というシンプルなものでした。
しょっちゅう畑に行って、葉っぱの様子を見てやって、変化がないか。
人間でもそうなんですけど、風邪をひき始め、鼻風邪の時ならちょっと注意してすれば治るんですけど、肺炎までなると入院となってしまう。お茶の病気や害虫もそうです。軽いうちに処理すれば、いかに畑にいって初期症状を気付いてやるか。そうすれば農薬だって量少なくていいし、弱い薬でもいいじゃないですか。
もちろん肥料なんかもしょっちゅういって有機肥料巻いて撹拌してすいてやることによって、もちろん畑だって見てるじゃないですか。とにかく回数、畑に行くことが一番だと思います。
そして、茶の木に対する思いを次のように述べられています。
自分が真面目に百姓やっていると、百姓の仕事というのは、手をかければ手をかけるほど、そのまま素直に戻してくれる。
人間って人によっては、こちらが一生懸命やっても、嘘ついたり騙すことがあるんですけど、お茶は本当に素直だから、手をかけただけは返してくれる。自分が努力すればその分だけは返してくれる。
だから手を抜かずに一生懸命やれば結果を出してくれるというのを、長年やってます。
そんな太田さんという「人」。
そして、天竜の気候と風土という「天」と「地」。
この天竜の「天地人」が揃って、感動の一杯が生まれます。
太田さんが育む天竜の茶園。その天地人が作り上げた茶園と茶の木を、
ぜひ映画の中で体感してください。
最後に、私が最も驚いた太田さんのお話を紹介させていただき、vol.2を締めたいと思います。
太田さんは土づくりのために、こまめに茶園に足を運び、干草や自家配合の有機肥料をまき、
土に馴染ませるための撹拌を行い、土中の生物がこれを分解して土にする、
というサイクルを、年中そして何年も繰り返しておられます。
すると、茶畑の土が、徐々に徐々に増えていき、これが積み重なることにより、
何年かに一度、茶園の石垣を一段高くする必要に迫られるそうです。
土を作り続けていく先に、茶園の石垣が一段高くなる、、
どれだけの回数、茶園に足を運び、そして土作りに時間をかけているかがわかるエピソードです。
そんな太田さんの茶園と太田さんが紡ぐ言葉。ぜひ、本編まで楽しみにお待ちください!
日本茶ドキュメンタリー映画製作チーム
高津 真