深田晃司さんからの応援メッセージ
vol. 13 2021-02-01 0
『神山アローン』に寄せて
短編ドキュメンタリー映画『神山アローン』を見た。
映画学校時代、ともに映画を作りもっとも濃密な付き合いをした友人のひとりが監督の長岡マイル氏だった。
当時から、その破天荒な個性は映画学校という小さな枠組みに収まるものとはとても思えなかった。
映画学校を終えてからはそれぞれの道を歩むようになり連絡を取り合うことも減っていった。
お互いそれだけ必死だったということなのだろう。
私にとっては知ることの出来なかったこの10年が綴られた彼の監督作『神山アローン』を見て、とても大切な出会いを得て掛けがえのない時間を彼が過ごしてきたことを知った。その充実ぶりは、慈しむように丹念に撮られた神山の景色とそこに住むひとりの女性の姿を通じて伝わってきた。この女性さっちゃんがとても魅力的で、監督の強烈な個性を受け止め撮りたいと欲望させ、その地に留まらせたことにつくづく納得した。
さて、10年という時間を充実した映像とともに届けてくれた長岡監督が次に描くのは「種苗法改正」問題についてだと聞きました。
「種」という原始的であり政治的である賛否うずまくこのテーマを長岡監督がどう捉えるのか。完成したらぜひ見せてください。
深田晃司(映画監督)