祭ばやしが聞こえる vol.3
vol. 47 2022-04-12 0
"東へ、東へ"
4月6日に福岡県八女市の拙宅を出て、車で高速道路を飛ば…さないで、安全運転で一路東へ、東へと向かいました。福岡県から800キロほど離れた三重県桑名市多度町の私の実家に数泊滞在し、諸用をすませ、それから東京に向かうためです。
なぜ便利な新幹線や飛行機を使わないかというと、東京で映画『おれらの多度祭』のPR活動に従事するため、言ってみれば『会社ごと福岡から東京に持っていき』『東京で二ヶ月間、小さな事務所を構える』ということを今回する必要があり(というか、その方法で今回はやりきるということを決めたため)、膨大に荷物があるからです。八女から送れる物は宅急便で送りつつ、準備期間が足りなかったり、生来の優柔不断もあり、積めるだけ軽自動車に積み、エイヤッと走り出しました。
福岡八女では、町並み保存団体が管理する木造古民家を借りて住んでいます。火の元水回りを丁寧に確認し、また、近くに住む妻の親戚にちょくちょく様子を見にきてもらい、もろに梅雨シーズンと重なるので窓を開け風通しなどもしていただくようお願いしました(些少ですがしっかりお心付けも渡し…ってそこまで書かなくていいか汗。でも大事なことですよね)。
高速道路で三重県までは、交代で運転して13時間前後かかります(私たちはかなりの安全運転なので、速い人はもっと速いと思います)。何度も往復している道ですが、なんでしょう、移動していると、旅の匂いになんとも気持ちが楽しくなってきます。
関門海峡大橋(福岡県と山口県をつなぐ橋)…平家が滅亡したという壇ノ浦の合戦の、壇ノ浦の上にかかっています。
山口県の美東(みとう)SAで遅い夕飯。このサービスエリアのご飯はどの店も美味いです。
夜明け。
広島の福山SAで買った『はっさく大福』
しっかりしたはっさくの香りと歯ごたえ、それを包む蜜柑餡もやさしく、大満足でした。
三重県桑名東インターを降りたのは、翌4月7日のお昼前。インターから岐阜方面に少し走ると多度山が見えてきます。
これをくぐると「帰ってきたな〜!」という気になります。もっとも、数泊で東京に向かわねばならないのですが。
東京で映画『おれらの多度祭』のPR活動に従事するため、『会社ごと福岡から東京に持っていき』『東京で二ヶ月間、小さな事務所を構える』と書きました。きっと、東京で映画の仕事に携わっている方々からすれば、「なんて面倒なことを…」と思われることでしょう。実際、面倒だし、42歳の私、51歳のパートナーともに、体はボロボロです。でも、心はピカピカに輝いているというか(書いてて恥ずかしいですが苦笑)。嫌な疲れでは決してないんですね。自分たちの作品を、自分たちで映画館と交渉し、自分たちで宣伝し、育てていく。簡単なことではないけれど、とてもやりがいのあること。そんな、人生でそう何度もトライすることのできない機会をくれた、クラウドファンディングにご協力くださった皆さんに改めて感謝したいです。ありがとうございました。
反面、そういう活動をやりたい、やらねばならない、と思い至った背景には、きっかけとして、苦い経験・悔しい思いもあります。また改めて書きますね。
伊藤有紀