コンテンポラリーダンスカンパニー んまつーポス公演「曰く、惚れたが悪いか。」
vol. 24 2025-10-26 0
たくさんの応援、誠にありがとうございます! 今回は宮崎県を拠点に活動するコンテンポラリーダンスカンパニー「んまつーポス」によるパフォーマンスについてレポートします。
この作品のベースになっているのは、日本最古のSF文学ともいわれる「竹取物語」。坂本善三美術館の建物を背景に、その前に広がる緑の庭を舞台として上演されました。 袴を履き、しなる竹を手にした3人のダンサーが現れると、会場の空気がすっと変わり、その空間だけでなく時代まで変わったような不思議な錯覚を覚えました。
パフォーマンスに合わせて流れる音楽は、雅楽からテクノハウスのようなものまで多彩で、構成の工夫が感じられました。 何より、目の前で繰り広げられる圧倒的な身体表現に息をのみました。 「ダンス」というより「身体表現」と呼ぶ方がしっくりくるパフォーマンスでした。
“スポーツマン”を逆から読んだ名前が示す通り、彼らはスポーツや教育、地域文化といった日常の中にある身体の動きを探求しています。 代表の豊福彬文さんを中心に、宮崎大学をはじめとする教育現場や地域の学校、公立文化施設などと連携し、「ダンスを通じて人と地域をつなぐ」活動を全国各地で展開しています。 近年では、子どもたちと一緒に創作を行うワークショップや、地域の祭りや風景から着想を得た作品づくりなど、アートを社会に開いていく実践を続けています。
小国町ではこれまで公演だけでなく、子どもたちに向けたワークショップを何度も開催しており、幼少期からずっと「んまつーポス」の活動に参加してきた女の子を観客の中に見つけ、「大きくなったね」と声をかける一幕もありました。またその縁で、会場の片付けを手伝う若者の姿も見られました。 地域に根ざしたアートのあり方を体現する彼らの活動は、地方から発信される新しい文化のかたちを感じさせてくれました。アーティストと坂本善三美術館との長年の関係があってこそ実現した今回のパフォーマンス。 芸術祭のあり方について、改めて考えさせられる時間となりました。
「小さな国 十月」も残すところあと10日となりました。クロージングまでまだイベント等があります。皆様からの応援により何が実現できているか、できる限りこちらにアップデートしてお伝えしていきたいと思います。どうぞ最後までお付き合いください!
撮影:米津いつか
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