文化人類学者 ・ 松村圭一郎が小国の高校生と対話する「お話し会」を開催しました!
vol. 22 2025-10-22 0
町のランドマークである「道の駅」小国 ゆうステーションにて、本芸術祭のリサーチャーの一人、文化人類学者の松村圭一郎と小国高校2年生の川谷唯心さんが、「聞き書き」を通して出会った物語を振り返りました。
「聞き書き」とは、話し手の言葉をできるだけ忠実に書き起こし、その人の人生、知恵、生活文化などを記録し保存する調査手法です。地域に暮らす人々の生き方や考え方をありのままに残し、次の世代へと伝えることを目的としています。そんな「聞き書き」に、川谷唯心さんが挑戦しました。松村さんのアドバイスを受けながら、この夏、林業の名人として知られる町の方に取材を行い、山と人が共に生きる小国町の営みについて話を聞いてきました。
「ずっと気になっていた人を選びました」と語る川谷さん。取材の相手はすぐに決まり、現在はその聞き書きの原稿をまとめる段階に入っています。「新しいことに触れるというのは、自分の世界を変える経験なのだと思います。」松村さんのこの言葉を受けて、緊張気味だった川谷さんの表情が少し誇らしげに変わった瞬間を、会場のみんなが見守っていました。
Q&Aでは、「小さな国」のテーマの一つでもある“善”に関する質問もあり、文化人類学者の立場から語られた“善”の解釈はとても興味深かったです。イベント終了後には、松村さんに直接質問したり、持参した著書にサインをもらったり、進路相談をする高校生の姿も見られました。
アットホームでありながら、学びの多い充実した時間となりました。ご参加いただいた皆さま、そして話し手のお二人、どうもありがとうございました。
撮影:米津いつか
