関野さんの近況が届きました!<旧石器時代からのつぶやき15>
vol. 32 2025-09-16 0
こんにちは!クラウドファンディング(以下、CF)担当スタッフです。
今回は「旧石器時代からのつぶやき」その15をお届けします。
以下、関野さんから届いた写真とメッセージです。
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森羅万象①
北海道では、岩陰に寝たが、四方が壁で囲まれた空間に寝たことはない。洞窟で寝るのは初めてだ。
入り口から細い通路を5mほど、背を縮こめて歩くと、広い空間になる。なんとか立って歩けるスペースは12畳くらいだろうか。傾斜があるが何とか工夫すれば寝る空間は確保できる。
昼間はかろうじて光が入って来て、目が慣れるとしわくちゃの石灰岩質の壁が見える。私たちがイメージする観光地の鍾乳洞のように、滑らかで、乳白色の美しい表面ではなく、ゴツゴツしていて、トゲトゲしい。天井の低いところで、急に立ち上がると、頭に岩の一部が突き刺さってくる。痛いので,頭を触ると、岩の破片が頭に触る。刺さったままではまずいので、親指と人差し指の先で挟んでつまみ出すと、指先に血が着いている。不注意な私は何回も頭をぶつけるので、頭が凸凹してくる。
仲間がいれば、同情を期待して、「ひどいな、ここは、おまえたちも気をつけたほうがいいよ」と声を掛けても、いるのは、便所コオロギとも呼ばれるカマドウマ、天井に張り付いて死んだようにまったく動かないクモと、耳をかすめて飛んでくるコウモリが飛び交うだけだ。チュッチュッと鳴きながら、天井にぶら下がるように止まる。ペアで戯れるつがいもいる。彼らからはなんの返事もない。むしろ冷たい視線を感じる。
湿度はいつも90%近く、数日ですべてのものがカビが生えてします。湿気が大好きなダニも多い。身体中刺され、刺された跡に赤い斑点を残す。酷いところは水疱ができている。このまま銭湯に行ったら、「あの人、悪い病気をもっているんじゃないの」と、皆ドン引きになってしまうだろう。
着ている服もいつも湿っぽくなる。いつも濡れている服を着ているような状態だ。今年の植村直己賞受賞者で、世界の洞窟探検の第一人者で、洞窟バカこと吉田勝次に、湿気対策を聞いた。すると、「着たまま、自分の体温で乾かすんですよ」とシンプルな答えが返ってきた。
今まで、世界の様々な環境で適応してきたが、ここの暗さと、湿気は今まではなかったもので、少しずつ慣れていくしかないなと思っている。
石器野吉晴
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