講談会のレジェンド「神田松鯉(しょうり)独演会」大盛況!!
vol. 26 2022-07-26 0
7月24日(日)、中之条町ツインプラザ交流ホールにおいて人間国宝の講談師、神田松鯉先生の独演会が催された。会場に訪れた来場者は約190名。お楽しみ講談とオリジナル講談「清見寺に伝わる妖怪カシャ退治伝説」合わせて2席をたっぷりご堪能いただいた。
1席目は「雁風呂(がんぶろ)」(前半)。青森県津軽地方に伝わる民話を元にした、心温まる人情話だ。厳冬前に北国から渡ってくる雁は、口に木の枝を加え、飛び疲れると波間にその枝を浮かべ、その枝の上で休息をとるという。そしてはるばる津軽に辿り着くと、浜辺にその枝を残して冬を越す。春になるとまたその枝を加えて雁は北国へと戻ってゆくのだが…。浜辺には生きて帰れなかった雁の枝だけが残されるのだという。浜の人たちはその枝を集めて風呂を沸かし、雁の供養をするのだという・・・。
私ごとではあるが、この独演会の十日前にあたる7月14日、青森県津軽出身の義父(妻の父)が世寿86歳で正念往生を遂げた。昭和12年に青森県木造町に生まれた義父は、福島県会津若松市にある浄土宗寺院の住職を長きに亘り勤めた。義父はまた、生まれ故郷の津軽をこよなく愛した人だったが、飛来先の会津若松において多くの方々に愛されながら、生涯の羽休めを終えた。
神田先生はもちろんそれを知っているハズはないのだけれど、なんだか義父の供養のために、この話を選んでくださったように感じられた。そんな意味でも有り難いお話を聞かせていただいたのである。今度はぜひ続きを聞いてみたいと思った。
司会の小板橋武氏(プロジェクトアドバイザー)
さて、つづく2座目がいよいよ「妖怪カシャ退治伝説」のお話。登場人物の割田重勝や虎太郎、そして鹿野和泉守らが生き生きと語られ、神田先生は400年前の情景をまるで見てきたかのような熱演ぶりであった。聞き手はついつい神田先生の話しぶりに聞き入ってしまい、あっという間に時間が経ってしまう。
「凄い!」「さすがだ!・・・」と感動した。
終了後、神田先生とお話をさせていただく時間があった。穏やかで包容力のあるそのお人柄と説得力のある話しぶりに、ただ感激のひとときであった。
またいつか神田先生をお招きして、もっともっと講談を聞いてみたいと思った。もちろんその時には「妖怪カシャ退治伝説」も多くに方々にぜひ聞いていただきたい!
お礼の花束贈呈
誕生日に一番近い方へサインと一緒に花束のプレゼント
こうして清見寺約400年の歴史に新たなる1ページを刻む貴重な一日が終わったのである。
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すばらしい講談を聞かせていただいた神田松鯉先生、そしてご来場くださった皆様とスタッフの皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。