残り4日「田舎の商業不動産はどうすべきなのか?」
vol. 27 2025-03-21 0
残り4日。気合いのラストスパートへ。
クラウドファンディングもついに残り4日となりました。
ここまで応援してくださった皆さん、本当にありがとうございます。
ここからは、気合いのラストスパート。
今まで発信してきたことをさらに深め、僕が目指していることをしっかり伝えていきたいと思います。
「田舎の空き家問題」とひとことで言っても、住宅だけでなく、店舗、公共施設、商業地……さまざまな側面があります。
今日はその中でも、特に「田舎に商業不動産はどうすべきなのか?」 というテーマについて考えていきます。
本日のテーマ:「田舎の商業不動産はどうすべきなのか?」
地方に空き店舗が増え続ける現実
日本全国で空き家問題が深刻化していますが、その中でも 商業不動産(空き店舗・空きビル) は、住宅以上に利活用が難しくなっています。
総務省のデータによれば、地方の商業地の空室率は年々上昇し、地方都市でも30%を超えるエリアが出てきている。
さらに、住宅と異なり「賃貸市場がほぼ存在しない」ことが大きな障壁になっています。
これは、住宅なら「住む人」が見つかれば活用できるのに対し、商業物件は 「地域に市場(消費者)が存在しなければ活用できない」 という根本的な課題を抱えているからです。
では、田舎において「空き店舗を活用すること」自体が正解なのか?
そもそも、商業不動産を活かそうとする前提を疑うべきではないか?
この視点を軸に、データをもとに考察していきます。
データで見る「地方の商業不動産が使われない理由」
地方の空き店舗が埋まらない理由は感覚的に語られることが多いですが、実際にデータを見てみると明確な傾向があります。
1. 商圏人口の減少:市場がそもそも成立しない
2020年の国勢調査では、全国の約70%の市町村で人口減少が続いている という事実が示されました。
特に、商圏人口(店舗が顧客とできる範囲の人口)が 5万人以下の地域では、新規出店が極めて難しい という統計もあります。
これは、単純な人口減少に加えて、以下のような要因が重なっているためです。
- 購買行動の変化:地方でもECサイトの利用率が都市部と変わらないほど高まり、「地元で買う」必然性が低下している。
- 高齢化による購買力の低下:高齢者が増えると消費は縮小し、店舗の売上が維持できなくなる。
- 大手資本の進出:地方都市では、郊外型ショッピングモールや大型スーパーの影響で、個店が成立しにくくなっている。
2. 事業者の後継者不足:事業を継ぐ人がいない
中小企業庁の調査によると、地方の小規模事業者の60%以上が後継者不在 であることが分かっています。
店舗が空き家になる背景には、「借り手がいない」のではなく、「そもそも貸す側が事業を継続できなかった」という事情があります。
また、地方の創業率(新しく事業を立ち上げる割合)は、都市部に比べて著しく低い ため、新しい事業者が生まれにくいという構造的な課題もある。
3. 商業施設の再利用コストが高い
住宅と違い、商業不動産は「業種による用途制限」や「設備の更新コスト」がネックになりやすいです。
例えば、飲食店を開くには排水設備や厨房機器の更新が必要ですが、地方では改修コストを回収できるほどの売上が見込めないため、結果として物件が放置されるケースが多いです。
加えて、消防法・建築基準法の改正によって「旧基準のままでは営業できない物件」が増えているのも、地方の商業不動産が利活用されにくい原因になっています。
「空き店舗を活用する」前提を疑う
これらのデータを踏まえると、「田舎の商業不動産は活用すべき」という前提そのものを見直す必要があるかもしれません。
むしろ、以下のような視点から「空き店舗を減らす方法」を考えるべきではないでしょうか?
1. 商業地の再編と撤退戦略を考える
例えば、既存の商店街や旧市街地を「縮小」し、商業エリアをコンパクトに再編するという手法が考えられます。
海外では、商業エリアを集約して「コアゾーン」として維持し、それ以外は住宅や公共スペースに転用する例もあります。
田舎の商業不動産活用では、「どのエリアを維持し、どこを諦めるか」を決める視点が不可欠です。
2. 事業者ではなく「場」としての活用を進める
商業物件として貸し出すのではなく、「地域のコミュニティスペース」や「期間限定のポップアップショップ」として活用するなど、「事業者に貸す」以外の方法を模索するべきかもしれません。
特に、都市部で広がっている「シェア型店舗」や「週末限定ショップ」などの形式を地方でも応用することで、商業不動産の負担を減らせる可能性があります。
3. 商業地の「データ化」と流動性の向上
さとまる不動産では、商業不動産の情報をデジタル化し、流動性を高める仕組みを考えています。
例えば、
- 空き店舗の利用状況や条件をオンラインで見える化する
- 短期間で利用できる柔軟な賃貸契約を推進する
- 行政との連携で、活用可能な補助金情報を整理する
といった取り組みを通じて、「借り手がいない」のではなく、「貸し方が分からない」問題を解決することを目指しています。
さとまる不動産が目指すもの
僕たちが目指すのは、「すべての空き店舗を活用する」ことではなく、「本当に活用すべき商業不動産を見極める」ことです。
- 商業エリアの再編を考え、地域にとって最適な商業のあり方を模索する
- 事業者への貸し出しに固執せず、空き店舗を柔軟に使える仕組みを整える
- 不動産データを活用し、借り手と貸し手のマッチングをスムーズにする
現在の進捗
・支援金額:706,000円(71%達成)
・支援者数:56人
・終了まであと4日
このクラウドファンディングが、「田舎との関わり方の選択肢」を広げるきっかけになれば嬉しいです。