「江田島の可能性—多様性を統合する『里海』という視点」
vol. 12 2025-03-06 10
本日のテーマ:「江田島の可能性—多様性を統合する『里海』という視点」
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◆ 江田島の持つ圧倒的なポテンシャル
江田島は、瀬戸内海で4番目に大きな島。
そして、海上自衛隊の幹部候補生学校 があることは、この島の歴史と発展において、決して無視できない要素です。
過去には、軍事的な機能を中心に人口増加が進み、現在でも毎年約3000人規模の新入生が島にやってくるという、瀬戸内の島々のなかでも、圧倒的な人的流入 を誇っていました。
しかし、今後の展望として、軍事機能だけで江田島の未来を描くことは難しいと思います。
技術革新が進むなかで、「人口増加=軍事力の強化」ではなく、むしろ少数精鋭の方向へとシフトしていくことが考えられます。
そうなると、江田島がこれから持続的に成長するためには、軍事以外の新たな軸を持つこと が不可欠です。
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◆ 食のブランド—「牡蠣&オリーブ」が持つ意味
江田島には、「牡蠣」と「オリーブ」 という、全国的にも知名度のある食のブランドがあります。
牡蠣は瀬戸内海を代表する特産品ですが、江田島は特に 「稚貝の産地」 としての重要な役割を担っています。
稚貝の供給基地として、広島の牡蠣生産を支えている島なのです。
また、オリーブは近年、江田島の新たな名産として定着しつつあります。
その背景には、江田島が 地中海性気候に近い環境 を持ち、
晴れの日が多く、高品質のオリーブが育ちやすい条件が整っていることがあります。
牡蠣とオリーブは、どちらも江田島の豊かな自然と密接に結びついた産業。
しかし、これを単体で打ち出すだけでは、観光の主軸としてはやや弱い部分もあるのが現状です。
特に牡蠣は、季節性が強く、年間を通じた観光のフックになりにくい という課題があります。
また、生産・流通の事情から、観光コンテンツとして展開するには工夫が必要です。
これらを「江田島ならではのストーリー」に落とし込むことが、食の魅力をより深く伝えるために求められているのかもしれません。
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◆ 観光の切り口 リーダーとなる旗印が必要
観光資源としての江田島には、確かに大きな可能性があります。
しかし、その可能性を最大限に活かすには、明確な方向性が求められます。
たとえば、現在もっとも注目を集めているのは、世界的な賞を受賞したリゾート施設 「江田島荘」 です。
この施設は、確実にインバウンド向けの強いブランドとなりつつありますが、ラグジュアリー層向けの展開が中心であり、一般観光客まで波及するわけではない という課題もあります。
また、江田島には オリーブ というもう一つの強いブランドがあります。
しかし、これらの要素が個別に存在しているだけでは、「結局、江田島は何の島なのか?」という問いに対して、明確な答えが出せません。
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◆ 江田島のブランディング—『里海』という一本化の可能性
江田島には、それぞれが魅力的な要素がたくさんあります。しかし、そのままでは散漫になりやすい。
だからこそ、バラバラに見える要素を、一つのコンセプトで統合すること が必要です。
そのキーワードとして、私は 「里海」 という概念に注目しています。
里海とは、人と自然が共生しながら、持続可能な形で海の恵みを活かすという考え方です。
江田島ではすでに、教育委員会を中心に 「さとうみ学習」 が進められており、地域文化のなかでも、「海との関わりを大切にする」意識が強く根付いています。
「里海の島」 というブランディングを打ち出せば、以下のように、江田島が持つ既存の強みを、一つのストーリーとしてまとめることができるのではないでしょうか。
- 海上自衛隊 → 里海を守る「防衛」という視点
- 江田島荘 → 里海を活かしたラグジュアリーな体験
- 牡蠣・オリーブ → 里海の恵みを象徴する食文化
観光地としての統一感を持たせることで、「江田島の価値」をより明確に伝えられる可能性があると感じています。
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◆ さとまる不動産が目指すもの
私は、不動産業を単なる「家を売る仕事」だとは考えていません。
その土地に眠る可能性を掘り起こし、新たな価値として再編集することが、不動産業の本質だと思っています。
江田島には、多様な魅力があり、それぞれが独自の強みを持っています。
しかし、それを 「点」ではなく「線」として結ぶことが求められているのが現状です。
空き家を活用することも、移住を促すことも、単に「人を増やす」ための手段ではなく、江田島の価値を再構築し、未来へとつなげるためのアクション。
「里海」という視点を通して、江田島のポテンシャルを、より多くの人に届ける仕組みをつくる。
そのために、私は 「不動産」 というフィールドでできることを探していきたいと思っています。
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現在の進捗
・支援金額:571,000円(57%達成)
・支援者数:48人
・終了まであと20日
このクラウドファンディングが、「田舎との関わり方の選択肢」を広げるきっかけになれば嬉しいです。
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