守利の「バック・トゥ・ザ・フューチャー&パスト」
vol. 36 2020-04-14 0
職員の守利です。
劇場の業務って何をやっているの?とよく聞かれることがあります。
劇場スタッフは、利用劇団さんのあらゆることに関わっているので一概にこれ、と言い切りができないのですが、各職員の得意分野に合わせて分担がなされている《職務》も存在します。
人によっては劇場事業の準備の仕切りをやっていたり、
人によっては職員全体のスケジュールの管理をやっていたりします。
また、自身の創作活動に取り組むこともクリエイターで構成されている《花まる学習会王子小劇場》職員の立派な職務です。
ぼくはと言えば、主に劇場の広報デザインを担当しています。
簡単に○○マンで言うならば、劇場事業の宣伝チラシをつくるマンです。
このクラウドファンディングの発端である「佐藤佐吉演劇祭2020」のチラシのデザインも、ぼくが行った立派な仕事です。
できれば、またもう一度このデザインが日の目を浴びることになってほしい、と願うばかりです。
そして、ぼくが担当しているもうひとつの職務が《劇場新年会のディレクター》です。
このコラムをさかのぼっていただくとわかるのですが、ある年までは劇場のモラルさんが担当をしていました。
新年会は、全演劇人を愉快におもてなしするビッグイベント。
本来だれよりも適任者であるモラルさんが永久に担当するはずだったのですが、モラルさんのスケジュールや世代交代の意を込めてぼくがその職務を引き継ぐことと相成りました。
もともと場を創作するのが好きだったこともあり、やったるで!と意気込んでいたものの、モラルさんの積み上げたものに泥は塗れないという謎の責任感によりガッチガチに。初陣はモラルさんの見よう見まねが精一杯でした。
ぶっちゃけ当時は来年もこれをやるのか...と怖気づいていたのを覚えています。
しかしアイ アム ア ヒューマン。
経験を重ねるごと徐々に“自分のやりたい感じ”をつかめたり、他の職員と連携をとりながらディレクションができるようになってきました。
それらがバチコンたのしくまとまったのが19年の新年会、その名も「バック・トゥ・ザ・フューチャー&パスト」です。
この年は劇場が20周年だったこともあり劇場の記録から過去20年分の演目を年表化。当時のチラシと共に廊下に掲載しました。
そして劇場内は《記念式典》をモチーフに装飾。
オープニングでは記念のくす玉を割り、その後20年後の芸術監督「マイケル・OJI・フォックス」(演:岡野康弘(Mrs.fictions))が登場。過去20年と未来20年をつなぐことに成功しました。おそらく。
上記の文章では何のことやらあまりわからないと思いますが、この会は準備から当日までとっても楽しい時間だったのを覚えています。
一緒に企画を進めてくれた職員の伊坂さんや大石くんの力を借りて、前任のモラルさんとはまた違う方向で会を創りあげることができたな、という感じです。
いっちゃん最初の話に戻りますが、劇場職員の職務の全ては劇場に人が来てくれるからこそ成り立つものです。
そして劇場にたくさんの人が来て欲しいので、我々職員は新年会をはじめとした劇場事業をハリキって運営しています。
現在劇場は事実上閉じた状態にあるのですが、誰もいない劇場は本当にツラいものがあります。上の写真のような活気が嘘のようです。
劇場は作品を発表する場でもありますが、人が集うことができる大事な場でもあります。
また多くの劇団さんが劇場で上演をして、新年会にて集うことができるように、ご協力をいただけますと幸いです。よろしくおねがいします!
ちなみにこれは今年の新年会にて設置した《クロマキー合成コーナー》に映るぼくと、劇場の親会社である佐藤電気の社長・佐藤行雄社長とのツーショットです。
写真をご覧になって完全にわかるとおり、新年会は劇場の技術レベル向上の実験場でもあります。また来年も、楽しく新年会が開催できることを祈ります。