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佐藤佐吉演劇祭2020中止・延期に際した支援プログラムをクラウドファンディングで実現!

佐藤佐吉演劇祭2020中止、延期に際し、
参加した若手劇団の未来を拓きたい

新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、「佐藤佐吉演劇祭2020」3週目以降の公演を中止、ならびに延期開催いたします。今回参加している若手劇団に対して、今回演目と次回公演に向けてのご支援を募ります!

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このプロジェクトは、2020年4月30日23:59に終了しました。

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このプロジェクトは、2020年4月30日23:59に終了しました。

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佐藤佐吉演劇祭は、東京都北区王子の「花まる学習会王子小劇場」を中心に、2年に1度開催している演劇祭です。本年度の『佐藤佐吉演劇祭2020』は、3会場、2020年2月18日(火)から3月31日(火)までの6週間に渡って開催予定でした。しかし2020年2月29日、新型コロナウイルス感染拡大の状況、日本政府からの要請や、なにより若手劇団のキャリアへの被害を第一に考え、演劇祭3週目以降の公演を中止、ならびに延期開催することに決定いたしました。詳しくは、こちらのステートメントをご参照くださいませ。https://en-geki.blogspot.com/2020/02/2020_29.html

地獄の?ディレクターズワークショップレビュー

vol. 25 2020-04-03 0

こんにちは。職員の井上と言います。

去年の2月くらいに働き始めました。新人です。
もう一年たったので、新人じゃないですね……下っ端です!!

先輩方のお話を聞いていると、色んなドラマがあって劇場で働き始めたんだなあと思います。と言っても一から十まで知ってる、ってわけではないんですけど。
何となく働いてる人の知り合いでーとか、王子で公演やってて声かけられてーとか、そういうことが多いです。
王子で何のドラマもなくぱっと現れた、みたいな人の方が、少ないのかもしれません。

かく言う私もちょっとしたドラマがありました。
働き始めたことに直接関係がある、というわけではないんですが、多分これがなかったら、劇場で働くことはなかったんだろうな、と思います。

今回は私にとって思い出深い、「ディレクターズワークショップ(通称DWS)」に関してお話します。

〇DWSとは?

DWSは名前の通り、演出家のためのWSです。
正しくは、「演出家が正しく致命傷を負うためのワークショップ」として、2012年から全六回、2017年度まで、年末年始の四日間をかけて行われていました。
(今は開催していません。)

四日間も?! と思った方もいることでしょう。四日間連続のワークショップです。
劇場を四日間DWSのためにあけるんです。すごいですよね。

で、何をするかというと、毎日、稽古と上演発表をします。
演出家と俳優、見学の大体4、5人のグループを5つくらい作って、毎日稽古をして、みんなで集まって、発表。みたいなことをします。

画像

そしてなんとなんと、DWSは参加者無料で開催されていました。
しかも打ち上げもです。すごいです。

余談ですが、ずっと、何で無料でできるんだろう……?って思ってたんですけど、年末年始って劇場を借りる団体さんも少なくて、っていうのもあるみたいです。
あと印象的だったのは、「めっちゃ赤字だけど、人は財産だからね」みたいなことを仰ってました。
原石を磨いていって、劇場を使ってもらう。今考えてもすごいワークショップだなと思います。

〇地獄のエピソード

そんなDWSに、私井上、2015年度と2017年度の二回、見学と演出家の二つの立場で参加しました。
大学一年生と三年生の冬のことです。

「王子 DWS」で検索していただければわかるのですが、DWSは「地獄」と評されています。色んな人に。
演出家が正しく致命傷を負うためのワークショップと銘打っているだけあって、色んな人が致命傷を負っていった結果なのだろうと思います。
私はというと、一回目の参加の時はやっぱり沢山ビビってましたし、地獄だなと思った瞬間はいくつかあるので、ご紹介します。

その一、職員が軒並み怖い

2015年度はじめての参加の時です。見学の私は劇場ホール内に入って、席につき、後ろを振り返りました。

当時の職員の人が5,6人腕を組んで立ってました。

記憶曖昧なんですけど。みんな腕組んでました。
にこにこ「こんにちは~」ってわけでもなく、入ってくる人に軽く会釈、みたいな。
大学一年生の私はそれだけでビビり散らかしていました。


ただ、2017年度の二回目の参加の時は、「真剣である」という印象が強くなりました。
究極に真剣にやる。そのために笑顔は見せない。そんな覚悟すら垣間見えました。
ちなみに二年間で職員の方の態度が変わったということではないと思います。腕組んでましたし。

私の視点が変わったのだと思います。
見学として参加していた2015年度では見えませんでしたが、演出家として参加したとき、すごく見られてる、と感じました。演出家自身はもちろん、グループの雰囲気、上演したものそれ自体、などなど。
演出家として気付いてない部分に一番気付くのは職員の皆さんだったし、観客としても色んなところを見ていました。

「徹底的に、真剣に、見る」。ある意味とても怖い空間です。


その二、質疑応答が怖い

さて、DWSが始まると、ファシリテーターがこれから行われる「演出プランの発表」に関して説明します。
事前に渡されるしおりには、「どう読んできたか」「どう上演するか」をプレゼンしてください、と書かれてありました。
一回目の参加では、「はて?」と思いながら聞いていました。どうやら、
・俳優演出:俳優をどう演出するか
・空間演出:舞台美術、照明、音響など、空間をどう演出するか
・戯曲読解:戯曲をどう読み解釈するか
というものが演出の大まかなお仕事らしい。というお話でした。
「なるほど!」と思い、一年生の私は頑張ってメモをとりました。偉い。


そんなこんなで演出プランの発表が行われます。
順序としては、
1.演出家として参加している人が、一人ずつ演出プランを発表する
2.質疑応答
3.俳優・見学者が気になった演出家に投票
4.希望に沿ってグループ分けがされる
という感じで進んでいきます。


ここで第二の地獄がやってきます。質疑応答です。

例えば課題戯曲は長編近代戯曲の抜粋シーンであることが多いので、「その演出プランだと何ページのどこどこと解釈変わるけどそれに関してはどう思ってるの?」「読んだ?」「抜粋シーンだけの『戯曲』として完成させる明確な指針もあるわけじゃなさそうだしね」「怠慢だよね?」みたいな。

例え話ですので、これをそのまま言っていた、というわけではないんですが、こういう感じでした。ビビりすぎてどういう感じだったのか完全に覚えてません。
ただ、「怠慢だよね?」までがミソです。本当に最後まで言うんです。どこまでも突き詰めていくんです。

代替案も絶対に出しません。薄っすらと記憶の片隅にあるのは、「プランが抽象的すぎる、具体的にどうしていくのか分からない」と問い詰められ、そのまま質疑応答が終わり、次の演出家のプレゼンにうつる、みたいなことがありました。


さあ、見学でもビビっていたこの質疑応答、2017年度の「演出家」としての私はどうだったのでしょうか。

実は2017年度の回は、演出プランの発表の後、質疑応答はさっくりしたものになっていました。
何故なら、演出家としての参加者が12名いて、演出プランの発表の後に人気投票が行われ、半数が演出家として、半数が演出助手として参加することになっていたからです。

いつもの二倍の人数だったので、プレゼンには時間制限がありました。それもそれで怖かったですけど……。
そうして井上はあまり演出プランに突っ込まれず、ギリギリで演出家としての参加を果たしました。

でも知っていました。第三の地獄が一番地獄だってことを……。


その三、フィードバックが怖い

さて、一番の地獄がここから始まります。
一日目から三日目までは、とにかく稽古、上演、フィードバック、という順番でワークショップが行われていきます。
ちなみに最終日は場当たりと少しの稽古をして、舞台/照明つきで最終上演までします。そのあとフィードバックの時間があり、打ち上げ、って感じでした。

稽古も上演もそこそこ楽しく進みます。
見学といえど色んな意見を聞いて下さるチームでしたし、上演も、自分たちのグループ以外がどんなふうに上演するのか、また、自分たちのグループがどんなふうに見られるのかを楽しみにしていました。

フィードバックの時間は、一応怖いんだろうなって思ってはいました。
だって質疑応答であれだけ問い詰められるし。
上演見た後の感想や質問なんて、もっと突き詰めたことを言われるに決まっている、と。


その通りでした。ていうか思っていたより地獄でした。もちろん、この時間が一番地獄です。

上演を見た後なので、もちろん、「舞台上で表現されるもの」に焦点がいくわけです。そして演出プランで述べていたことと現実(=上演したもの)の差を、思い切り突き付けられます。

「その演出じゃ、どこを見たらいいのかわからない」「その演出だと、このシーンのどこが面白いのかわからないし、戯曲の良さをつぶしてる」
解説をしようものなら、「伝わってないものはないのと同じ。いくらあなたがそう思っていても、それはそう思ってるってだけ。知ったこっちゃない」。

そう、知ったこっちゃないって言われるんです。とにかく見せたものだけが評価され、叩かれる場所でした。


恐ろしいと思いました。とにかく現実だけを見させられる。
普段芝居をやっていたら全然見ない部分を嫌というほど見るんです。アンケートにも書かれてないようなことをビシバシ言われます。

2017年度、演出家としての参加をした私も、この時間が一番地獄でした。

ご一緒させていただいた俳優さんが、とてつもなく怪優だったんです。初日、大まじめにやった私のシラノ・ド・ベルジュラックは満点大笑いをとりました。
心臓に近いところが冷えて顔の表面が燃えるみたいに熱く、乾いた笑みを浮かべて初日の上演を終えたことを覚えています。
その後、「君の演出は俳優に負けてるね」と言われ、もう乾いた笑いすら起きませんでした。

後は積極的誤読(正規の読み方ではなく、曲解を加えて新たな解釈をするという読み方です)をしてみたのですが、どうも戯曲と融和性が低かったりとか、
トライアンドエラーが苦手で稽古中理屈ばっかり説明したりとか……。
あげたらきりがありません。地獄でした。

〇もう少し地獄を味わいたかった

そんな地獄のDWSですが、私、そんな地獄を味わいきれなかったなと思っています。


2017年度、ようやく演出家として参加して、地獄を味わうこととなったわけですが、
意外と、自分がいざ言われる立場になると、怖いより悔しいが勝りました。

そして同時に、責められたくないと思いました。

二日目、三日目と様々な障害にぶち当たりましたが、突破口を見いだせず、結局最終日の発表は無難なものに落ち着いてしまって、現実だけ残る、という、なんとも不甲斐ない結果に終わります。


最後のフィードバックで、
「確かに君の誤読は精読より面白くなかった。演出が俳優に勝った瞬間もあったけど、結局は負けていた。でも、無難になっちゃったのは、残念だね。」
と、まあ要約すると言われました。


それもそれで致命傷というか、正しい致命傷だったのかもしれませんが、私はもっと傷つけたんじゃないかな、と今でも思います。
無難にやらなければ。もっとチャレンジしていれば、傷つきながらも、現実よりもっと大きな何かを見つけられたのかな、と。


しかし一つ、この地獄は普段の稽古でも作れる、ということに気が付きました。
演劇は一人で作っているわけではないし。俳優、演出助手を説得してやる稽古はそもそも、演出って呼ばないし。
トライアンドエラーとフィードバックを繰り返せば、地獄は作れるはず。


なので私は、味わいたかった地獄を今一度生成して、ドM精神を満たしていこうと思います。

今は稽古は出来ませんが、こうした思い出を振り返ってみると、ちょっと前向きな気持ちになれます。
こういう時だからこそ、昔を振り返ってみるのも良いものです。

皆さまも何卒ご自愛ください。
引き続き、クラウドファンディングをよろしくお願いいたします。

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