一人芝居のはじまり
vol. 2 2014-04-09 0
1人芝居を始めたのは、21歳の時でした。
自由に自分の思いのままを表現してみたくて、最初は、
295席もある北沢タウンホールを借りて上演。
重たい道具をよろよろしながら、稽古場で1人で稽古して
何千枚のチラシを色んな場所に配り、
何百通のお手紙を書いてお客さんを集め、
雨の日も荷物で傘もさせずにずぶ濡れになりながらあちこち出かけ、
寝不足で、針山と間違えて自分の腿に針をさしたりしながら縫い物。
お客さまに喜んでもらえる事を想像しながらわくわくして
公演を迎えました。
ところが、
ボロボロでした。
良かったよって励ましてくれるのは身内だけで、
あとは、「やめろ!」とか、「お金が無駄だった」とか、「死ね」
までアンケートに書かれ、300人近くのお客さんを敵にしたような気持ちでした。
私は心が痛み、1年間、いろーんなレッスンとアルバイトを掛け持ちで
あれこれやり、とにかく、世界で一番どん底にいるような気持ちでした。
レッスンに行く度、泣いてました。
自分の姿がガラスに映るだけで涙がこぼれるくらい
自分が大嫌いで、自信がありませんでした。
それが、或るとき、ある少女が私に相談をしてくれました。
「私、いじめられてるの」
私は、こんな駄目な私に相談なんてしてくれるなんて!
と、嬉しくてまた泣きました。
私はこの子の為の舞台をやりたい!
と思い、2回目、立ち上がる事が出来ました。
それが、この舞台です。
その時、気づいたのです。
自己満足ではなく、誰かに何かを届けたい気持ちがないと駄目なんだって。
私は、何を届けたいのか?
それは、「愛」です。
大雑把ですが、私は、とにかく「愛」を伝えたい。
もしもこの地球に生まれてくる前に、
「愛する気持ち」と「愛される気持ち」
どちらか1つの感情を選ばなければいけないとしたらー
どちらを選びますか?
もしも、この地球に生まれてくる全ての人間が
みんな「愛されたい」と思って生まれてきていたら、
誰も愛される人も愛する人も存在しない。
でも、もしもこの地球に生まれてくる全ての人が
「愛する気持ち」を持って生まれて来たら、
おのずと、愛する人も愛される人も存在する。
だから、自分の中から誰かを愛する気持ちというのは
愛される事よりも何かを生み出す素敵な事なんだって
思うのです。
愛されてる人は一見、幸せに思えますが
愛する気持ちを持っている人の方が、より幸せだと思うのです。