<製作ノート④>企画決まらない地獄
vol. 15 2021-09-15 0
『ブラックホールに願いを!』監督の渡邉です。製作ノートも第4回です。
2016年9月、最初の企画『夢の中へ』の実現を断念し、企画を立案しまくる日々が始まりました。
2016年~2020年までに執筆した企画の一部を(モザイクつきで)紹介させていただきます。
とにかく企画が決まらない!
これらの企画の中には、もちろんダメ元で捨て案として書いたようなものもありますが、基本的にはどれも「今度こそこれで決まりだ!」という意気込みで書いたものです。でも決まらない!!
そして企画を書いていくうちに、どういう方向の企画はダメなのかの傾向が判明してきました。
①その時々で僕がハマっていた映画(特に『シン・ゴジラ』、『カメラを止めるな!』)の縮小再生産的な企画は、面白くなりにくく、仲間内でのリアクションも悪い
②自主映画なのか、商業映画として作るのか、つまり製作費の出所が企画検討時は未定だった。いずれにせよ、予算規模が大きくなると想定される企画は実現可能性が低い。逆に言えば、企画段階ですでに”予算が少なくても品質を担保できるアイデア”が必須条件
③「巨匠が撮れば面白いだろうし、誰もが見たいと思うだろう」という内容の企画は、自分のような若造が企画しても誰も興味を持たない
④なにより、あらすじ一言で「面白い」と思える企画の立案が、単純にマジで難しい
これらと戦いながら、かつ当初の「五カ年計画大綱」に沿う企画を立案する...というのが当時の僕のテーマでした。これ永遠に決まらないのでは!?!!?
この頃、STUDIO MOVESのメンバーは世界各地に拠点を移していました。時差と戦いながら、グループ通話にて、連日のように企画会議は繰り返されました。あまりに企画が決まらず、友人たちに申し訳なく、また僕個人としてももどかしい日々が続きました...。
(2020年6月20日のオンライン打合せの様子)
日本・東京、福岡、ドイツ・ダルムシュタット...そしてアメリカ・ロサンゼルスには撮影監督の角洋介がいました。
2017年7月、企画が決まらなさすぎてついにアメリカに逃亡する渡邉ですが、その前に、当時アメリカに留学していた撮影監督・角洋介について、次回は紹介いたします。