ぺぺぺの会のこれまで裏話(鈴木視点)
vol. 2 2021-04-20 0
みなさん、こんにちは。
ペペペの会の鈴木南音と申します。
ふだん出演はしていないので、「誰だお前」と思われるかもしれませんが、
ぺぺぺの会では主に、制作という、公演を企画として成功させるための仕事をしています。
(ただ、最近は諸事情で、できる範囲での仕事をさせてもらっています)
今日は、ぺぺぺの会の発足から今にいたるまで、「ぺぺぺの裏話」を鈴木視点でお届けいたします。
一年目(旗揚げ〜「おうち公演」まで)
ぺぺぺの会に最初に関わったのは、「獄中のユーチューバー」という公演でした。
(このときは、「ぺぺぺの会」という名前ではなく、一回限りのユニット「fukurodanotaki」という名前で活動していました。茨城にある滝の名前です。)
第四回えんとつ王決定戦参加作品
獄中のユーチューバー
ぺぺぺの会が「ふくろだのたき」って、名前だったころの演劇。
このときはまだ誰も、自分が「ぺ」になるなんて予想していなかった。
同じ会話を3回繰り返すだけの演劇なんだけれど、俳優の身体と精神にどんどん負荷をかけていくから同じに聞こえないまるで手品のような演劇。
第4回えんとつ王決定戦出場作品。野菜をふんだんにつかった演出で審査員から賛否両論。
公演写真も残っていない、半ば幻の公演で、新潟への遠征公演でもありました。
そして、この公演、実は、鈴木はこの公演は役者として出演していました。
(しかも主役でした・・!)
野菜を生でかじりまくりながら、野菜を投げまくるユーチューバーという、何が何だかよくわからない役回りだったのですが、筋トレがあまりにもキツすぎて、本番の前日に高熱を出してしまったため、39度の高熱のまま、舞台でじゃがいもを齧りまくるという、タイトル通り「獄中」のような公演でした。
当時の鈴木が、「もう俳優はやらないぞ・・」と密かに決意した公演でもありました。
(だから、ペペペの会の俳優さんたちは、すごいと思います)
ちょうどその一ヶ月後くらいに、
大和から、劇団をやりたいという連絡をもらって、立ち上がったのがぺぺぺの会でした。
初期のメンバーは、(写真の左から)有間・石塚・宮澤・鈴木・木村で、
「こういう集合写真の端っこにUFOを載せておけばバズるんじゃないか」とか、馬鹿なことを考えながら運営していました。
最初のうちは、役者プロフィールにこういう写真が載っていました。
どうして刺身を持って写真を取ろうという話になったのか、だいぶ前なのであまり覚えていないのですが、特にみんな疑いもなく、ホームページにはしばらくこの写真が載っていました。
役者紹介として、こういう、くだらない動画を作ったりもしてました。
Twitterに載せられるくらいの尺だったので、ちょうどよかったのを覚えています。
最初の公演は、「一人称^自分」です。
日常的に発する声で、非日常的な会話をすることに、もう飽きなければならない
呼吸、幸福、苦悩、偏愛
誰もが皮膚感覚でヒリヒリすることのできる空間をデザインしよう
この公演は、渋谷のplayroomというところで上演しました。
客席数は、1ステージあたり20人くらい。全部で120人くらいのお客さんにきていただきました。
この公演は、
・上演中にスマホがいじれる(撮影も可)
・ご飯が食べられる(飲食自由)
・作った料理が食べられる
・客席が舞台上にある
という公演でした。
私は照明をやっていて、照明操作のパネルがやたら高いところにあったので、
ずっと背伸びをしながら操作パネルをいじったせいで、千穐楽には足がパンパンになったのを覚えています。
この年の年末には、みんなでお酒を飲みながら自分たちの演劇を観たりしました。
(実は、この「みんなで作品を観ている動画」をみんなで観ている動画もあるのですが、情報が多くてなんだかよく分からなくなってしまったので、お蔵入りしています。いつか公開するときが来るかもしれません・・!)
次の公演です。
2019年3月に上演したのが、「おうち公演」です。
これは、珍しく宮澤が作・演出ではない企画で、
町中に巻いた上のチラシのQRコードを読み取らないと、予約ができない演劇でした。
QRコードを読み取ると、専用のWEBページに飛ばされ、
そこでいくつか選択肢が出てくるので、正しい選択肢を選び続けると、
ようやく予約フォームにたどり着けるという企画です。
そして、予約すると、マンションの一室の住所が送られてくるので、そこにいけば演劇が観られるという仕組みでした。
そのときは「寺山修司」的なものに漠然と憧れを頂いていたので、それへのリスペクトもあったのかもしれません。(寺山修司好きな方、すみません・・)
演劇を観にに行くまでの体験に付加価値をつけて、Youtubeなどの動画コンテンツと演劇を差別化する、というようなことを、当時は考えていました。
春には、こういう動画も作っていました。
何が何だか分からない企画で、気がつけば立ち消えになっていました。
この時は、東京オリンピックを2020年に実施できるとばかり思っていたものですから、
2020年の高輪ゲートウェイ駅が完成するのに合わせて、企画が完結する予定でした。
(このちょうど後ろに、高輪ゲートウェイ駅ができました)
2年目
鑑賞がおわったとき。
観客はすでに額縁のなかに存在しており、
それをまたちがう誰かが鑑賞する.
絵画的エンゲキ体験»»»»»»これが真の鑑賞する演劇である
7月に「夢の旧作」という作品を上演しました。
この作品は、詩の連作を演劇に立ち上げたもので、「どうなってしまうんだろう?」というドキドキ感とワクワク感が毎日あったのを覚えています。
400人ほどのお客さんに来ていただいて、興行的にも成功した公演だったと思います。
この作品から、ペペペの会の作風が固まってきました。
8月には、上野恩賜公園で、「ほゑあ・ゐず・つん? (Saigo’s DOG)」を上演しました。
シェイクスピアを犬語で上演するという謎公演でした。
途中で小さいお子さんが舞台上に登ってきてくれたりして、思わぬハートフル(?)もあった公演でした。
11月に上演したのが、「9.807」でした。
この公演は、台風が直撃した被害をもろに受けて、半分くらいのステージが中止になった公演でした。テレビで多摩川が氾濫している映像を観ながら、上演中止のお詫びの文章を書いたのをよく覚えています。
2019年は、1年間で五本近く公演を打っていました。
詳しくは、「ぺ」のこれまでというHPも観てもらえたら嬉しいです。
3年目
これは、昨年の「No. 1 Pure Pedigree」公演です。
(写真は、リモート稽古をしている時の様子です)
「9.807」が終わってすぐに、入念に準備を重ねていた公演だったのですが、
新型コロナウイルスの影響には敵わず、この公演は、延期を決意しました。
昨年の3月末の時点では、延期せずに、万全の対策を打った上で赤字覚悟で上演する方針でした。しかし、日増しに感染症の足音は強くなっていきました。
最初のうちは、なんとか上演する気満々ではありました。
「しゃべらないおしゃべり会」という矛盾・・。
それから、
だんだん雲行きが怪しくなってきて、稽古で使える場所がなくなっていきました。
多くの小劇場演劇の現場がそうだったと思うのですが、
昨年は、劇場が使えないことはもちろん、稽古場が次々と使えなくなってしまい、
最終的には自分たちで場所を持っていない限りは公演できない、という事態でした。
(ぺぺぺの会でも実は、不動産屋に行って、稽古場兼用の「ペペペハウス」を作ろうと話していたのですが、よい物件が見つからずに諦めました・・)
こういうステートメントを公表しようとも思っていましたが、
昨年の時世で、これを発信することはどうしてもできず、お蔵入りになりました。
(上演する決断も、しない決断も、難しい状況でした。)
昨年時点では、ウイルスの危険性も詳しくは判明しておらず、
アルコール消毒液やマスクなどが十分出回っていなかったこともあって、
なかなか、上演を決断することも、難しかったです。
劇団内でも様々な意見がありましたが、結局、昨年は、安全性を優先させ、上演延期という道を選びました。
それでも、2020年は、多くの方のご厚意により、
12月に短編演劇展「おばけばかり」を開くことができました。
私たちにとっては、コロナ禍でできるギリギリの公演で、
いいへんじ・魔法の竹馬ミナもやんの二劇団のみなさんと力を合わせながら、上演をし、
成功した公演だったと思います。
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そして、今、に至ります。
私たちは、この5月に、2021年版の「No. 1 Pure Pedigree」を上演します。
去年よりできることは限られている中ですが、多くの方のお力添えによって、公演に向けた準備を進めることができています。ご支援いただいたみなさま、本当にありがとうございます。
上演を成功させるために、そして、劇団としての活動を存続させるために、どうか、ご支援いただけたら嬉しいです。
また、公演のことや、クラウドファンディングを、多くの方に広めていただけたら、とても嬉しいです。
どうぞ宜しくお願い致します。
鈴木南音
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ぺぺぺの会『No.1 Pure Pedigree』
【スケジュール】
5/1(土) 14:00/☆17:00/19:00
5/2(日) 14:00/☆17:00/19:00
5/3(月・祝) 14:00/19:00
5/4(火・祝) 14:00
※受付開始は、開演の30分前です。
☆の回は『春琴抄 -ホワイトアウトする静謐-』特別上演会です。2021年3月に上演した春琴抄を、No.1 Pure Pedigreeとセットでご観劇いただけます。
(14:00の『No.1 Pure Pedigree』の観劇後、同日の17:00の『春琴抄-ホワイトアウトする静謐-』をご観劇いただくか、17:00の『春琴抄-ホワイトアウトする静謐-』の観劇後、同日19:00の『No.1 Pure Pedigree』をご観劇いただけます。)
ご観劇の方は、『No.1 Pure Pedigree』とのセット券をご購入ください。
【会場】
北千住BUoY
Googleマップ: https://goo.gl/maps/3qZmb6BYVdVauWkg6
東京メトロ千代田線・日比谷線/JR常磐線/東武スカイツリーライン「北千住」駅出口1より徒歩6分、西口より徒歩8分
【チケット】
(予約・当日ともに)
一般・学生:3000円
高校生以下:無料(枚数限定)
春琴抄セット券:4500円
※春琴抄セット券は、同じ日の『No.1 Pure Pedigree』と『春琴抄 -ホワイトアウトする静謐-』がセットでご覧いただけるチケットです。
※現金またはPayPayでお支払いいただけます。
【作・演出】
宮澤大和
【出演】
石塚晴日
佐藤鈴奈
熊野美幸
(以上、ぺぺぺの会)
松浦みる(いいへんじ/青年団)
小澤南穂子(いいへんじ)
大矢紗瑛
谷川清夏
大木菜摘(魔法の竹馬ミナもやん)
【詳細】
https://pepepepepe.amebaownd.com/posts/16275692
【公演詳細・感染症対策について】
感染症対策に最大限注意を払いながら、稽古・運営をして参ります。
詳しくは、こちらのページの下部をご覧ください。
https://pepepepepe.amebaownd.com/posts/16275692