紀州のスゴ腕部長さんは、心やさしい戦略家です。
vol. 8 2015-07-02 0
やりきる、使い切る、食べきる、……麦の郷ではどんな事でも最後までやり尽くす、『〇〇しきる』が合い言葉。持てる能力を出し惜しみしない、まさに完全燃焼の社会的企業だ。
柏木克之さんは大手スーパーからの転職組。食品担当部長だった経験を活かし、マーケットと福祉を融合させ、強いビジネスモデルを実現。麦の郷の商品を一般市場の他の商品にひけを取らない、あるいはそれ以上のクオリティーに引き上げた。管理職だが今も、障害のあるスタッフやひきこもり経験のあるスタッフらとともに、自社製品の直売所「麦市」の売り場に立つ。
『落ちている石ころでも商売に結びつける』がモットー。これだけ聞けば‘がめついおじさん’に思えるかもしれないが、この人にかかればムダなものなど何一つ、この世に存在しない。売れ残りの小松菜はヘルシーなケーキに、規格外の有機大豆は上質なきな粉に華麗な変身を遂げる。
人材だって同じ。適材適所、その人に本当に合った仕事を見つければ、最高のパフォーマンスを発揮するはず。自閉症の女性スタッフのために、麦市の敷地内に製菓専用の調理室もつくった。麦の郷は、職員、利用者、障害のあるなしにかかわらず、誰もが持てる才能を生かし切る。
社会福祉法人一麦会・通称「麦の郷」⇒http://www7.ocn.ne.jp/~ichibaku/index.html