『再び生まれる声』パイロット版上映&トーク メキシコ・オアハカの刑務所の版画活動
vol. 27 2025-05-09 0
2025年5月3日(土)、プリズン・アーツ・コネクションズ(PAC)主催のオンラインイベント「ドキュメンタリー映像『再び生まれる声』パイロット版、上映&トーク メキシコ・オアハカの刑務所の版画活動」を開催いたしました。
イベントは、まずPACの活動紹介と、現在「第3回刑務所アート展」開催に向けて実施中のクラウドファンディングの説明から始まりました。続いて、ゲストに映像作家・アーティストの小林大賀さんをお招きし、小林さんが2023年9月から約1年間のメキシコ滞在中に取材されたオアハカの刑務所における版画活動のドキュメンタリー映像『再び生まれる声』パイロット版(約17分)を上映しました。この映像は、活動を主宰するアーティスト・セサル・チャベスさんや、刑務所でアートに出会い自立を目指す21歳の元受刑者ホセ君へのインタビュー、そして現地の社会的な背景に焦点を当てています。
▼ドキュメンタリー映像『再び生まれる声』パイロット版(約17分)のトレイラーはこちら
上映後、小林さんとのトークセッションが行われました。メキシコ・オアハカでの刑務所アート活動「シケイロス工房」(革命期のメキシコの画家で自身も収監された経験のあるシケイロスにちなんで命名)のユニークな点(彫刻刀の使用許可、朝9時から夕方6時までの長時間の工房利用、公的資金への依存の少なさなど)や、その背景にあるメキシコの社会状況について詳しく話されました。
オアハカは先住民人口の割合が高く、人権運動が活発な地域であり、2006年の警察との衝突をきっかけに人権運動が組織化され、そこからアートによる表現運動が発展してきた経緯が紹介されました。また、メキシコでは警察の不正や司法制度の問題があり、冤罪や不当な逮捕も珍しくないという社会背景も語られました。
トークでは、元受刑者のホセ君の事例も紹介されました。21歳のホセ君は薬物依存の問題を抱えていましたが、刑務所でアートに出会い、現在は作家として独立を目指し、自分の作品と受刑者の作品を展示するためのギャラリーを作っているとのこと。彼の作品は当初ハードなテイストでしたが、徐々に表現の幅が広がってきている様子が写真とともに紹介されました。
このイベントの模様は、現在YouTubeアーカイブ動画として公開されています。メキシコの刑務所アート、そしてアートが持つ力の可能性について、ぜひ映像でご覧ください。
▼イベントアーカイブ動画はこちら
PACでは、2025年5月24日(土)から6月14日(土)まで開催する第3回刑務所アート展に向け、目標金額250万円のクラウドファンディングに挑戦中です。東京・墨田区の京島劇場をメイン会場に、展示規模を拡大し、テーマ部門も設けるなど、より充実した展覧会を目指しています。日本の刑務所の状況とも対比され、改めてその重要性が語られたPACの活動継続のためにも、皆様からの温かいご支援、情報拡散のご協力を心よりお願い申し上げます。
▼第3回刑務所アート展クラウドファンディングはこちら
PACの活動や応募作品については、公式サイトや各種SNS(Facebook, Instagram, YouTube)でも随時発信していますので、ぜひフォローをお願いいたします。
Instagram → https://www.instagram.com/prisonartsconnections/
Facebook → https://www.facebook.com/prison.arts.connections/
X(Twitter) → https://x.com/PrisonArts_info
YouTube → https://www.youtube.com/@PrisonArtsConnections
ご参加いただいた皆様、ゲストの小林大賀さん、誠にありがとうございました。