理解できないものを除外しないという意志ー松元悠さんからの応援コメント
vol. 26 2025-05-09 0
「第3回刑務所アート展」クラウドファンディングへ、版画家、美術家の松元悠さんから応援コメントをいただきました。
松元悠 版画家、美術家
<プロフィール>
1993年、京都府生まれ。版画家、美術家。マス・メディアが報じる出来事(事件)の周縁に赴き、そこで得た情報からリトグラフ技法を用いた版画を制作する。2021年に関西をベースに法廷画家としても働き始める。
近年の展覧会に、個展「注目作家紹介プログラム チャンネル16『夢』」兵庫県立美術館ギャラリー棟1階アトリエ1/2025、個展「サラバ化物(憶測の追跡)」茨木市立ギャラリー/2024、企画展「出来事との距離ー描かれたニュース・戦争・日常」町田市立国際版画美術館/2023、個展「越後妻有MonET 連続企画展Vol.2松元悠 『版画報、道が動く』」越後妻有里山現代美術館 MonETなど。
<応援コメント>
法廷画家としての役割をもつ私は、法廷内や拘置所で彼ら彼女らと事務的に出会い、表面上しかみておりません。
しかし、証言台の下で握りしめられた拳、固く閉じられる口元、「相談できる人はいなかったんでしょうか?」という遺族の問いかけに、暫くして「そういうものはいなかった」と答える被疑者の後ろ姿。傍聴席で肩を震わす人たちの息づかい。そのようなものから、確かに目の前に当事者はいて、生活は続いていくということを実感します。私は自分の仕事を終えたのちに事件の当事者に関する現場に向かいます。それは、加害者、被害者のことを理解しないままにしておかないための衝動的な行為といえます。
刑務所アート展は事件の当事者である彼ら彼女らへ一歩踏み込む姿勢と同時に、第三者へ向けられた取り組みだと感じます。
理解できないものを除外しないという意志は、結局のところ、そこに直面しようとしないと実証することは出来ません。
出展された作品を鑑賞し、自分が何かを想うことも、その一つだと思います。
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松元さん、応援コメントありがとうございます。
5月26日まで、第3回「刑務所アート展」展示会の開催資金を集めるため、目標250万円のクラウドファンディングを実施しています。ぜひ、プロジェクトページをご覧になり、ご支援いただければ幸いです。