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「第3回刑務所アート展」の開催をクラウドファンディングで実現!
全国の刑務所から届くアート作品を展示する「第3回刑務所アート展」を東京で開催します。作品を通して、壁の向こうにいる受刑者一人ひとりの人生を想像し対話することが、回復の一助となります。開催費用のご支援をお願いします。
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Prison Arts Connections(PAC)は、全国の受刑者たちから募集した芸術作品を展示する「刑務所アート展」の開催を通して、塀の内と外をつなぐ対話の場を生み出すプロジェクトです。 https://t.co/bw8JBQNM8o
全国の刑務所から届くアート作品を展示する「第3回刑務所アート展」を東京で開催します。作品を通して、壁の向こうにいる受刑者一人ひとりの人生を想像し対話することが、回復の一助となります。開催費用のご支援をお願いします。
ポップで色鮮やかな絵、宗教画の模写、風刺的な絵、故郷を思った歌、誰かにあてた手紙……これらの作品は、刑務所にいる受刑者たちの手によるものです。作品の背景を知って作品をもう一度見たとき、あなたの印象はどう変わったでしょうか? あるいは、変わらなかったでしょうか。
私たち一般社団法人Prison Arts Connections(プリズン・アーツ・コネクションズ、略称:PAC)は、2022年から「刑務所アート展」を企画し、刑務所とかかわる人たちによる作品を通して、壁を越える対話を生み出す場づくりに取り組んでいます。今年の5月24日から開催する「第3回刑務所アート展」に向けて、皆さまの支援をお願いしたいと思います。
創作や表現は、誰かに見てもらい、反応を得ることで、コミュニケーションが生まれ、新たな気づきへとつながります。私たちはこの展示を通じて、刑務所の壁の向こう側にいる人々に作品を発表する機会を提供するだけでなく、それを受け取る私たち自身も、刑務所やその中で生きる人々について深く考え、想像するきっかけを持ちたいと考えています。
「刑務所アート展」は、刑務所で過ごす人たち、刑務所とかかわる人たちの芸術表現を集め、展示することで、塀の内と外をつなぐ対話を生み出す活動です。これまでに2回、展示会を開催し、全国約30箇所の刑務所から送られた250以上の作品を、延べ1000人以上の方に観ていただきました。来場者にいただいた感想コメントを、一人ひとりの応募者(受刑者)に郵送でフィードバックすることで、直接やり取りすることができない刑務所内外の人たちをつなぐ対話を媒介しています。
ひとつひとつ手書きで綴られた文字、絵や書には、それぞれの身体的な痕跡が刻まれています。力強い筆致、やさしい色彩、何かへのいらだちや怒り、過去の悲しみや喜び、過酷な状況を乗り越えようとするユーモア——これらの表現を通じて、彼ら一人ひとりの人生を想像することができます。
「受刑者」や「犯罪者」といったラベルに囚われることなく、一人の人間として彼らと向き合うこと。その手がかりとして、アート展は非常に有効であると実感しました。実際、来場者の多くは作品をまるで手紙を読むように丁寧に見つめ、長い時間をかけて鑑賞しています。手書きの文字や作品は、観る人の心を引きつけ、足を止めさせる力を持っているのです。
アート・プログラムが、再犯を防ぐ、犯罪からの離脱を促す効果があるといった実証研究は多く存在し、欧米圏でも非営利団体によるアート・プログラムや展覧会が盛んです。日本でも、刑務所主催の「矯正展」という展示会が各地で開かれています。
私たちが活動するなかでも、再犯防止といった「社会的意義」を期待されたり、応募受刑者の「反省」や「更生」を強調するような取材のされ方、書かれ方をしたりすることが少なくありませんでした。
しかし、人は反省や更生のために表現をするわけではありませんし、私たちも応募受刑者に対してそのようなことを求めてはいません。刑務所に入るに至った経緯や背景も、服役中の日々、どんなことを考え、誰に何を伝えたいと思い、どんな表現をするかも、受刑者一人ひとり異なるからです。
社会復帰支援の現場では、反省や更生といった言葉と同時に、「回復」という言葉もしばしば使われます。アメリカの精神科医ジュディス・L・ハーマンの研究によれば、人は孤立した状態では回復が難しく、社会とのつながりを再構築することが必要であるといいます。
※ジュディス・L・ハーマン『心的外傷と回復』
犯罪をしてしまった人の社会復帰や再犯防止にアートが寄与しうるとしても、それは周囲から「反省」や「更生」を強いられてではなく、一人ひとりが自己と向き合い、他者とつながりながら、その人にしかできない「表現」をすることによってこそ可能なのだと思います。
一方、刑務所は閉ざされた環境であり、「受刑者」と「刑務官」という固定的な関係の中で、受刑者が自らの多様な姿を想像したり、社会とのつながりを実感することは非常に困難です。周囲から「受刑者」「犯罪者」というレッテルを貼られることによって、当事者はその役割を受け入れざるを得なくなり、自己認識がその役割に固定されていきます。犯罪学者・浜井浩一の研究でも、何度も「犯罪者」とされるうちに、自己認識がその役割に囚われ、再犯に繋がることが指摘されています。
※浜井浩一(2012)「犯罪者とはどんな人たちか?」『加害者臨床』廣井亮一編、日本評論社
もし受刑者が家族や友人とのつながりを持っていれば、手紙や面会を通じて「誰かの大切な家族」や「友人」としての自分を思い出すことができます。しかし、残念ながら多くの受刑者は外部とのつながりがほとんどなく、そうした環境下では新たな自己像を想像し、創造することが非常に難しくなります。
刑務所を出た後も人生は続き、なるべくなら再び罪は犯さずに生きていってほしいと誰もが思います。その回復には、他者との新しい結びつきが必要であり、人間関係の網の目の中に自らを置くことが必要なのです。表現行為は自らを再び他者へと開き、つながりを取り戻す最良の方法ではないでしょうか。
第3回刑務所アート展の応募者から届いた手紙を一部抜粋して紹介します。
「私は毎日が悔しくて仕方がないです。ここで努力をする人は、受刑者にしては立派な人、優しい人は受刑者にしては心ある人、良識ある人は、受刑者にしてはまともな人としてしか映らない。一人の人間として立ち上がるには、受刑者という天井では低すぎます。
人間としてのリスペクトが欲しい。
人間としてのリスペクトが欲しい。
手も足も縛られた、なんの肩書もない一つの精神に何ができるのか。何者にも奪われることのないものが自分に残されているのか。」
これは、自分が「受刑者」という枠を超えて、一人の人間として見てもらいたいという切実な思いが込められた手紙です。この方は、高校時代に美術の先生との出会いをきっかけに自身の個展を開いてもらった経験があり、その個展を通じて周囲の目が変わり、自己肯定感を得たと言います。そして、再び展示を行いたいという強い願いとともに、複数の作品が届きました。
私たちがこの企画展を「受刑者アート展」ではなく「刑務所アート展」と名付けているのは、作者が受刑者であるかどうかという属性、ラベルを強調するのではなく、刑務所という場所あるいは制度、その制限された環境の中で生まれる表現であること、刑務所とその外側の社会の関係にも影響される表現であることに着目しているからです。
参考:「刑務所アート」という言葉から生まれる問い、表現、そして対話
展示という「見る/見られる」関係性をつくるとき、私たちはどのような眼差しを作品や作者に向けることができるでしょうか。来場者の感想のなかには、「もっと暗い絵や怖い絵があると思っていたら、色鮮やかな作品が多かった」「やさしい印象の作品が多かった」というものが多くあります。
犯罪者=暗い、怖いというイメージはどこからやってくるのでしょうか。人は24時間365日、100%犯罪者・加害者であるということはありません。しかし、一度罪を起こした結果、その人の多様な側面がみえなくなり、「犯罪者」という姿以外にイメージできなくなってしまいます。
私たちの眼差しや、私たちが貼ってしまっているラベルは何なのかを問い直すこともこの展示の大事なコンセプトです。
平成30年9月、内閣府が実施した世論調査で「犯罪をした人の立ち直りに協力したいと思うか」という問いがありました。皆さんはどう考えますか?
調査結果は、「協力したい」と答えた人が53.5%、「協力したくない」と答えた人が40.8%でした。犯罪に関する報道が流れると、SNSやニュースのコメント欄には処罰感情が目立つ、厳しい言葉が飛び交いがちですが、約半数の人が立ち直りに協力したいというこの数字には希望を感じます。また、協力したくないと答えた人にその理由を尋ねたところ、「犯罪をした人とどのように接すればよいかわからないから」が第1位(44.9%)だったとのことです。
※内閣府「再犯防止対策に関する世論調査」(平成30年9月)
すでに多くの人が出所後に社会復帰し、私たちと同じ社会で暮らしています。また、彼らを支援する人々もいます。しかし、刑事司法に関わる領域は、犯罪に関わったことのない多くの人にとって「自分とは無縁の世界」に感じられがちです。そのため、「どう関わればよいかわからない」と感じるのは自然なことだと思います。
「刑務所アート展」は、そのような人々にも関わるきっかけを提供します。作品を見て語り合い、感想を伝えるだけでも、誰かの回復を支える一歩となります。アートには、当事者・非当事者・専門家といったラベルを超えて、市民の誰もが関わる場を作る力があります。
また、これからの人生で、自分や大切な人が加害者や被害者になることもあるかもしれません。そのとき、このアート展で得た想像力や対話が、その先を生き続けていくヒントになるかもしれません。
あなたもこの場に関わり、支援することで回復の輪を広げる一員となることができます。ご支援いただければ、展覧会の開催や活動の継続が可能になります。どうぞご協力をお願いいたします。
今年で3回目を迎える「刑務所アート展」。今回は「壁の内と外のコラボレーション」をテーマに、新たな試みに挑戦します。
第3回刑務所アート展 概要
開催時期:2025年5月24日~6月14日
開催場所:東京都墨田区「京島劇場」を中心に、地域の複数施設で展開
テーマ部門① 「あなたへ」―たった一人に向けた匿名の手紙たち
この部門では、特定の「あなた」に向けた手紙を募集します。
届けられなかった想い、伝えられなかった言葉が、手紙という形で表現されています。展示会場では、訪れた方々が手紙を手に取り、感想や返事を書くこともできます。展示終了後、応募者にそれらを返送する予定です。他にも、来場者のみなさんと手紙の感想を分かち合ったり、朗読したりする時間を設けることも考えています。
テーマ部門② 「刑務所の中からのお願い」ー刑務所の内と外のコラボレーションに向けて
刑務所の中にいる人々が、塀の外にいる人たちに叶えてほしい「お願い」を募集します。
寄せられた「お願い」を展示するだけでなく、その中からいくつかを選び、刑務所の外にいる私たちが実現に向けて取り組みます。どのお願いを実現するかは、展示期間中に来場者と共に考え、協力者を募りながら形にしていく予定です。
自由部門 刑務所の中から外へ届けたい表現をなんでも募集!
上記のテーマ部門に加え、ジャンルを問わず自由に作品を応募できる「自由部門」も設けています。絵画や書、マンガ、詩、短歌、俳句、川柳、エッセイ、小説など、過去2回で募集してきた作品ジャンルはもちろん、ジャンルに縛られない新たな表現、表現と呼べるかどうかもわからないものまで、「作品タイトル」をつけて外に送ることができるものは、なんでも受け付けています。
刑務所内にはさまざまな規則があり、受刑者が表現活動に使える道具や、外部に送ることができる郵便物の分量にも制限があります。
制約だらけの環境のなかで、それでも、表現したい、伝えたいという思いを込めて、80名以上の受刑者から200点近くの多様な作品が私たちのもとに送られてきました。
ぜひご支援いただき、会場にも足を運んでいただければ幸いです。
作品のWeb公開およびアーカイブ化は鋭意、準備を進めています。2025年5月中には作業完了予定です。
2025年8月頃、大阪での開催を予定しています。
2025年5月24日から6月14日に開催予定の「第3回刑務所アート展」の実施に向けて、目標金額250万円のクラウドファンディングに挑戦します。「壁」を越える、対話と創造の輪に、あなたも加わっていただけませんか?
1.お礼のメール
感謝の気持ちを込めて、お礼のメッセージをお送りします。
2.アート展の記録写真データ(5枚)
第3回刑務所アート展の記録写真5枚をデータでお送りします。
3.活動報告書(PDF)
活動報告書(PDF)をお送りします。
4.お名前掲載
報告書の「スペシャルサンクス」欄にお名前を掲載します。
5.ポストカード(5枚)
応募作品をプリントしたポストカード(5枚)をお送りします。以下の画像は、前回の第2回刑務所アート展応募作品をプリントしたポストカードの写真です(ご参考)。
6.イベント招待権(1名)
第3回刑務所アート展会期中に開くイベントの招待権(メール)をお送りします。トークイベント、ワークショップなど会期中にさまざまなイベントを開催する予定です(イベントによって、会場参加のみのものと、オンライン参加も可能なものがございます)。招待権をお持ちの方はこれらのイベントのうち、有料のものに参加費無料でご参加いただく、または無料・定員ありのイベントに優先的にご参加いただくことができます。
会期中のイベント予定は、クラウドファンディング期間中にMotionGalleryの活動報告や、PACのWebサイトで随時公開します(日時、会場、内容が確定したものから告知します。遅くとも5月11日までには会期中の全てのイベントの予定をご確認いただけるようにします)。
※【5月18日受付締切】本リターンを含むプランでご支援いただいたコレクターさまには、クラウドファンディング期間中も随時個別メッセージでご案内を差し上げます。ご参加を希望されるイベントをお選びください。イベントに参加されない場合も、払い戻しなどはいたしませんので、ご了承ください。
7.カタログ
第3回刑務所アート展の作品を収録したカタログをお送りします。以下の画像は、第2回刑務所アート展の作品カタログ写真です(ご参考)。
8.記念グッズ(1つ)
第3回刑務所アート展の応募作品をデザインした記念グッズ(マグカップ、タオル、Tシャツ等を予定、いずれか1つ)をお送りします。以下の画像は、第2回刑務所アート展の応募作品をプリントしたTシャツの写真です(ご参考)。
※クラウドファンディング終了後、グッズの準備ができ次第、該当のコレクターさまにご連絡いたします。お選びいただけるグッズの種類と画像をお送りしますので、ご希望のグッズ(Tシャツの場合はサイズも)をお選びください。
9.ワークショップ参加権(1名)
プロジェクト運営メンバーが企画する「自分の作品をつくる」ワークショップにご参加いただけます。
※該当のコレクターさまと個別メッセージでご相談の上、みなさまのご希望やご都合(お住まいの地域やご予定)に応じて、ワークショップの内容や実施方法(対面orオンライン)、実施日時などをご調整いたします。
10.お名前・ロゴ掲載
展示会場およびプロジェクトWebサイトに、スペシャルサポーターとしてお名前・ロゴを掲載します。
※【5月18日受付締切】該当のコレクターさまにご連絡いたしますので、掲載を希望されるお名前およびロゴデータ(企業や団体などのロゴも掲載ご希望の場合)をご提供ください。
11.チラシ等配布(1種類)
展示会場にてチラシやノベルティを1種類、配布いたします。
※【5月18日受付締切】該当のコレクターさまにご連絡いたしますので、会場での配布を希望されるチラシやノベルティをお知らせください。コレクターさまからの郵送、または対面でのお受け取りにてご対応いたします。郵送の場合は、恐れ入りますが送料はコレクターさまのご負担にてお願いいたします。
以下の画像は、ご支援金額ごとに含まれるリターンの対応表です。
今回はプロダクションファンディング(All in)での挑戦になるため、もし目標金額未達となった場合でも、不足する資金は団体で補填し、実施方法や規模を調整の上で「第3回刑務所アート展」および巡回展の開催、作品のWeb公開およびアーカイブ化を実現します。リターンも必ずお届けしますので、ご安心ください。
「刑務所アート展」は、刑務所で過ごす人たち、刑務所とかかわる人たちの芸術表現を集め、展示することで、塀の内と外をつなぐ対話を生み出す活動です。これまでに2回、展示会を開催し、全国約30箇所の刑務所から送られた250以上の作品を、延べ1000人以上の方に観ていただきました。
参考:
昨年は新たな取り組みとして、応募作品の一部をお貸し出ししての出張展示を和歌山とニューヨークでも実施することができました。
参考:
【実施報告】「プリズン・アート展〜“なぜ犯罪を?”考える社会に〜」(和歌山県立図書館)
ニューヨーク「第6回 J-COLLABO 年次アート展」に刑務所アート展応募作品を出展しました!
応募作品は団体Webサイトのギャラリーにて公開しています。また、オンラインストアで作品カタログやグッズを販売しています。
一般社団法人Prison Arts Connections(PAC)は、「刑務所アート展」の企画・運営を中心に、刑務所内外、加害者と被害者を超えた対話と回復の機会を創出する活動を行う団体です。
私たちは、刑務所という閉ざされた環境で、受刑者がどのように表現し、何を伝えようとしているのかを塀の外に届けるとともに、その表現に私たちがどう向き合うことができるのかを問い続けています。
受刑者とはどのような人々なのか。罪を犯した経験からの更生や回復とは何を意味するのか。そして、社会はその過程をどのように受け止め、支援すべきなのか——。
私たちは、受刑者やその家族、犯罪被害者やその家族など、さまざまな立場の人々との対話を通じて、「誰もが加害者にも被害者にもなりうる」という現実を直視し、さらなる暴力を生まない社会のあり方を、表現を通じて共に考えています。
法人名:一般社団法人Prison Arts Connections
設立年月:2023年12月(任意団体として設立)、2025年1月(法人登記)
役員:風間勇助(共同代表理事)、鈴木悠平(共同代表理事)、上田假奈代(理事)
風間勇助(共同代表理事)
<略歴>
1991年静岡生まれ。奈良県立大学地域創造学部講師。
東京藝術大学にてアートプロジェクトの実践を通したアートマネジメントを学び、卒業後に民間シンクタンクにおいて文化庁委託事業を中心とした調査研究業務に従事。退職後、東京大学大学院文化資源学研究室において、「刑務所と芸術」を研究テーマにアートマネジメントの観点から、刑務所(矯正施設)の内と外との対話の回路をどのようにつくっていくことができるのかについて研究と実践を重ねる。この社会で埋もれてしまうかもしれない小さな声に、どのように寄り添い社会に表現としてコミュニケーションを生み出せるのかを考えている。
<このプロジェクトへの思い>
人は誰でも加害者にも被害者にもなり得ます。大小はあっても、人を傷つけてしまうこと、傷つけられた経験があると思います。そして多くの場合、傷つけた経験=加害性は向き合いにくかったり、気づきにくかったり、誰かに話すことが難しかったりします。周囲からは理解不可能な存在と、遠ざけられるかもしれません。でも、傷を受けた/与えた経験のその先も人生が続いていく時、どのようにその経験と向き合うか、どう生きていくか。そんな表現がこの社会の片隅にあったら、必要な人には届くんじゃないか。そんな思いで、私にできるのは表現を投げかけることと、その表現を受けとめてもらえる場をつくることだけで、どんなコミュニケーションが生まれるかは集まった表現次第、仲間次第。この活動を通して、一人の人生や回復にみんなで寄り添う社会に近づけば嬉しいです。それはアートにしか成し得ないと思います。
鈴木悠平(共同代表理事)
<略歴>
1987年生まれ。作家/インターミディエイター®
1987年生まれ。東日本大震災後の地域コミュニティの回復と仕事づくり、学ぶことや働くことに障害のある人や家族を支援する企業での現場支援や研究開発、メディア運営等を経験したのち独立、2020年に株式会社閒を設立。異なる身体・言葉・物語を生きる人たちの対話と協働を媒介し、「生活を創造する」プロジェクトに取り組む。現在は、「刑務所アート展」の企画・運営、重度身体障害のある人たちと介助者・テクノロジーの協働による自律生活支援等に携わる。
<このプロジェクトへの思い>
私もたくさん間違えてたくさん傷つけてきました。これからもまた間違うかもしれません。痛みと向き合い引き受ける責任が当事者一人ひとりにはあり、しかしその孤独な責任を果たすためには、他者と繋がり、対話することが、どうしても必要なのです。アートは、その矛盾を可能にする、か細い糸です。他の誰でもない自分自身の物語を懸命に紡ごうとしている、今にもちぎれそうで頼りない糸たちに、あなたの持っている糸をかけて、ほんのひととき、支えてくださいませんか。
大森かずえ
<略歴>
岡山生まれ。東京学芸大学、卒業。画号「大森かずえ」美術家として活動。
幼少期から、水墨画を描く母の影響を受け、毎日絵を描いて過ごす。
大学時代に自ら企画運営をし、積極的に個展やグループ展のディレクションをこなすが、24歳の頃、病気治療で記憶を消されて、2週間意識不明に陥る。また、後遺症で全身に麻痺が残り、一時は絵が全く描けなくなるが、とにかく描きたい一心でリハビリを経て、1枚の油絵を制作。その絵が第34回近美春季展にて大賞を受賞する(現在、病気は完治)。
現在は、制作活動と並行し、アート作品を生かすためのデザインやキュレーション、ディレクションも手がけるマルチプレイヤー。
<このプロジェクトへの思い>
昔から深く自分の探究に籠る性格だった為、他人との関わりに様々な疑問がありました。
自分の興味あること以外に興味のある人との交流を、極端に避けて生きてきた幼少時代を経て、人と想いを共有できる喜び、想いのすれ違いからの心の痛みを知り、少しずつ人間らしくなったような気がします。アートと向き合う意外に生きる意味を見出せなかった私は、それ故に多くの人を傷つけてきたと思います。
「ちゃんと想いを伝える」
そんな当然な事もコミュニケーションが取れないとできません。
刑務所アートは、現代の日本において異なるコミュニティで生きる人たちとの新しい形のコミュニケーションツールだと思います。
様々な社会通念や情報、問題があったとしても、アートは誰しもの心を覗き合うことを可能にするものだと、私は信じています。
黒木萌(くろぎもえ)
<略歴>
延岡市出身。大阪大学卒業。精神科訪問看護を運営する企業の採用チームの仕事や、お坊さんの運営する新電力会社の広報の仕事を担う。また通信制大学で社会福祉士取得に向け勉強中。すべての人が「ありのまま」の自分を愛し、安心して暮らせる多彩でジェンダーギャップのない社会の実現をめざす一般社団法人「ハウリング」の理事も務める。
<このプロジェクトへの思い>
芸術家の父のもとに育ち、アートは幼いころから身近にありました。成長するにつれて、日常生活を送るなかでだれかを傷つけたりだれかに傷つけられたりすることがあり、少しずつ身近な加害や被害について考えるようになりました。だから刑務所もアートも、わたしの日常からそう遠くない地続きのものとしてあって、それなのに刑務所はわたしたち塀の外にいる人間からすると通常あまりにも遠い隔たったところです。
しかし塀の中にいる人たちも当然ながら生身の肉体と感情をもった人間です。人は人との対話を必要とします。他者とのコミュニケーションがあってこそ、感じ考え、自分を掘り下げ、他者を知り社会を知り、回復に向かっていったり日々を生きていったりすることができます。
このプロジェクトは、塀の外と内とで断絶されたコミュニケーションの回路をつなぎ直す営みだとわたしは考えています。その回路として、だれしもの側にアートがあったなら。たとえ塀の中にいて使える画材が限られていても。そうした制約の中から、いったいどんな作品が生まれてくるのでしょうか。それを通してわたしたちはどのようなコミュニケーションができるでしょうか。
みなさんにも共にこの試みを楽しんでもらえたら幸いです。
杉田曠機(すぎたこうき)
<略歴>
1983年3月宮崎県生。鹿児島大学工学部卒。在学中に、書道家としてそのキャリアを始め、国内外へ展開。世界的ブランドやホテル、アメリカの美術館、神社仏閣、大手企業へも作品やデザインを収めた。国際的な展示会やイベントにも多く出演。2013年のニューヨークでの個展以降、美術史をベースに模索。絵画や彫刻など、表現媒体に広がりを見せる。2023年にSUGRを立ち上げ、アートやクリエイション、テクノロジーを通じて、文化を探究している。
<このプロジェクトへの思い>
刑務所アートの取り組みを最初に聞いた際、とても意義のあるプロジェクトだと感じました。参画させていただけたことに心から感謝申し上げます。
私自身、学生時代から社会とアートの関係性に注目し、戦争や貧困、ジェンダーなどの社会問題のリサーチを行なっていました。紛争地帯では少年兵の問題もあり、子供の頃から人を殺すしかない環境で、それが当たり前として育った子たちもいます。
日本でも家庭環境や地域によっては、犯罪を犯してしまう人は少なからずいます。私たちが思っている以上に、物事の要因は複雑です。
刑務所アート展を通じて、彼らが紡ぐ作品とぜひ対話されてみてください。何を感じるのか。そのコミュニケーションから新たな観点が生まれることと思います。
5000 円
8000 円
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30000 円
50000 円
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100000 円
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