電気も水道も通っていない、野生シャチ研究所での毎日!
vol. 6 2016-06-29 0
こんにちは!トモコです。
連日、海の生き物について書いてきましたが、
本日のアップデートコラムは「オルカラボでの生活」です。
タイトルにあるようにオルカラボのあるハンソン島は、電気も水道もない島です。
島の大きさはタテ3キロ、ヨコ8キロ。
オルカラボの他には島のてっぺんに仙人のような地質学者さんのキャンプがあり、徒歩2時間くらいのところにリゾート小屋のようなものもあるのですが、お買い物できたりするわけではありません。
電気はソーラーパネルで発電し、水はいまにも枯れそうな小川から引いています。
ボランティアスタッフたちは女性の割合が多いです。
ストロングウーマン!
ボランティアたちの住まいは基本的にテントと寝袋。
(わたしはシャチの鳴き声聞き分け担当ですので、特例でシャチが鳴けば即座に対応できるように常にラボの建物内に待機しています)
夕飯だけ支給されるのですが、ボランティアたちは朝と昼は自炊。
わたしたちのキャンプキッチンにはちゃんと屋根がついていますので
雨が降っても大丈夫♩
各自好きなものを調理して食べます。
まともに冷蔵庫が使えるわけでもないので、パスタ類が多いですね。
お風呂は満潮時に海水をバスタブに汲み上げておき
五右衛門風呂の要領で下にまきをつっこんで焚きます。
男子は白昼堂々と入っていますが、女子は夜に満天の星空を眺めながら入ることが多いです。
おトイレは風を感じることができる森の中。
お洗濯は10日に1度くらいの買い出し時にコインランドリーで洗って島に持って帰り、デッキに張ったロープで干します。
北米では乾燥機が一般的なので海外のスタッフにとっては干す作業が新鮮なようなのですが、まあこれは日本人にはお手のものですね。
こういった中での調査・研究ボランティア!
いちばん大事な仕事がシャチの鳴き声のレコーディングです。
24時間、交代で水中マイクの音を聞き、シャチの方言を聞き分けて動きを記録しています。
どの録音データにどの音が入っているのかも細かくメモして、あとでデジタルデータに変換しアーカイブ化しています。
仕事は録音だけではありません。
オルカラボでは 「オルカライブ」としてわたしたちが聞いているシャチの鳴き声をインターネットで無料で配信、さらに動物中継サイトExploreと提携し、4つのカメラの映像も無料配信しているのです。
このカメラのコントロールもボランティアの重要なお仕事です。
オルカラボの前をシャチが通過するときは双眼鏡や望遠鏡、わかりにくいときは写真撮影して個体識別をし、聞こえてくる鳴き声と照らし合わせて確認しています。
オルカラボではボートを出してシャチを見に行くことはほぼありませんのでボランティアは陸からの観察しかできませんが、シャチやザトウクジラがすごく近くを通過してくれるときもあります。
しかし、シャチの仕事だけしていればいいわけでもないのです。
オルカラボは自然の中に作られた研究所ですので、
自然の中で生きるための仕事や、雑用がとてもたくさんあります。
毎日必ずやらなくてはいけないのが、薪割り。
薪割り機なんて便利なものはありませんから、玉からクサビで割ります。
これは薪ストーブの燃料になります。
日本と一緒で季節は夏。晴れた日中は動いていればTシャツで過ごせるときもありますが、冷え込むときはダウンジャケットを着ていても凍えそうで薪ストーブは必須です。
掃除の作業も多いです。
ウッドデッキは1日で落ち葉だらけになりますし、
ボートの底は放っておくとみどり色のぬるぬるがついて燃費が悪くなりますし、
ドライサウナの釜だって放っておくと灰だらけになります。
博士がお出かけのときはボートの準備をしたり荷物の積み下ろしを手伝ったり、
とにかく博士夫妻の研究がしやすいようにマネージャー業務のようなことも。
こんな感じで朝から晩まで忙しく働いています。
時には寝る間もなく働いています。
働いても働いても、ボランティアですからお給料もありません(美味しい夕飯は出るけど!)
また、オルカラボにいる間は休日というものもありません。
ピーク時はそれこそ2~3時間睡眠でエンドレスで働いていますが、
何度体力の限界を感じても投げ出すこともなく何年もこの島に戻ってきてしまうのは、
やはりこの島でかけがえのない何かを得ているからなんでしょう。
今回のドキュメンタリーで、こういったこともしっかり撮影してこようと思います。
残りあと2日となり、急激に支援が伸びて、
もうちょっとで目標に届きそうなところまできました!!
ご支援くださった方、お金での支援が無理でも心から応援してくださっている方、ひとりひとりに感謝の気持ちでいっぱいです。皆様、ありがとうございます!!