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いつでも夏休みを味わえる喫茶店とセレクトショップ「PUBLIC HOUSE はま」のオープンをクラウドファンディングで実現!

瀬戸内海に面した愛媛県・北条で、
子どもから大人までいつでも夏休みを味わえる「PUBLIC HOUSE はま」をひらく!

穏やかな海を前に、時間を忘れてのんびり過ごせる、このまちらしい旅と暮らしの玄関口。地元松山の北条港沿いで元駄菓子屋さんを改修し、訪れた人がまちの魅力を切り貼りして遊べる、喫茶店とセレクトショップを開きます。

FUNDED

このプロジェクトは、目標金額1,000,000円を達成し、2022年8月23日23:59に終了しました。

コレクター
134
現在までに集まった金額
1,344,555
残り日数
0

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このプロジェクトは、目標金額1,000,000円を達成し、2022年8月23日23:59に終了しました。

Presenter
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PRESENTER
長野 さくら

2022年の5月に、福岡県北九州市から地元の松山市(旧北条市)にUターン移住。 旅と暮らしが溶け合う、ゲストハウスという壮大な舞台装置に魅せられ、九州の玄関口・北九州の門司港で地域密着型のゲストハウスのおかみとして、まちと人の交流地点を育ててきました。 北九州を離れた現在は、地元北条の海沿いに広がる夏休みの原風景を残したくて、新しい拠点「PUBLIC HOUSE はま」を作っています。

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はまができるまで(2) 沖支度

vol. 3 2022-07-28 0

「棺桶に何いれよか。酒やろ、あと船に置いたままの竿と、長靴と、」

はまじいが死んだと、朝早くに母屋からの電話があった。
2年前の夏の初め、ちょうど私が帰省していた日の朝だった。

はまの話をするときに、毎回欠かさず登場するこの「はまじい」とは
北条の港で漁師をして暮らしていた母屋のじいちゃん(祖母の兄)のことだ。
みんなから「はまのおじい」と呼ばれ慕われていた。

「今年何歳になったん」と聞くと、「3日に1回」と飼ってるダックスフンドのうんこの頻度を答えたはまじいちゃんは大正生まれの98歳だった。

私が北条を離れてから過ごしたまちは、得てして港がそばにあったので
ひとつづきの海でつながっているはまで暮らすはまじいのことを、何かの拍子に思い出した。

クロアチアのドブロブニクを訪れた時、
すくってもすくっても透明なのに、どこまでも吸い込まれそうな深い翡翠色のアドリア海を前に、私の頭に浮かび上がったのは、北条の港の景色。
あまりに穏やかなので、へたしたらプールの水より入れ替わりが少なそうに見えた瀬戸内の海は、
一滴も残らずちゃんと大海原へ注がれていたことを、遠い海に流れ着いて初めて知った。

 

ヨットやクルーズ船が停泊するドブロブニクのグルージュ港と、北条港の船溜まり。こうやって見比べると、食パンの袋が浮いてる時点で北条の海はアドリア海には程遠い。当時の私は故郷を渇望するあまり、北条の海にフィルターをかけてしまったのだと思う。


今思えば、幼い頃は浮き輪でぷかぷか漂えるところまで、
ちびっ子の私の肩がせいぜい浸かる深さまでだと思っていた海の広さを
最初に教えてくれたのは、はまじいだった。

北条に帰ってきた今、私が作り始めたこの場所は
じいちゃんの乗っていた船「伊勢丸」の目の前にあるというのに、そこにはまじいはいない。


だからこそ、その不在の存在を、見つめてしまう。

母屋の船「伊勢丸」の真ん中で舵を取っているのがはまじい。幼い頃に船に乗せてもらった人はみな、じいちゃんが海の上で作るとれたての刺身やお吸い物、船がひっくり返りそうな大波の中での釣り、それぞれの思い出を口々に語る。


足腰を弱くしてからも、みんなの心配などよそに隙あらば一人で沖へ出たはまじいは、
獲った魚をボロボロの自転車を漕いで配りに来てくれた。
ところが配る先々で酒が出てくると、酔っ払って自転車に乗れなくなって、車で迎えにきてもらうこともしばしばあった。

一方、毎日姿を変えて食卓に現れる同じ魚を前にうんざりしたちびっ子の頃の私は、
「じいちゃんの魚なんていらない!」といつしか箸をつけなくなってしまったけれど
こうしてとれたての魚を恋しく思う頃には、
90を過ぎたじいちゃんは、桟橋が渡れなくなって船の免許を返してしまっていた。

はまじいのそばにはいつも酒と人が集まった。気難しい祖父とも飲み仲間だった様子


私が理不尽に駄々をこねた覚えはあるけど、陸でも沖でも怒られた思い出は全くない。
帰省して母屋を訪れるたびに、そこには大音量でテレビを流すはまじいの姿があった。
耳が遠くなって難しい話ができなくなっても、よう来たなあ、まあ上がれやと机を叩いて、いつでもみかんを差し出した。

そういえば、九州でよく聞く「アラカブ」という魚を
瀬戸内の海で呼び親しんできた「ホゴ」と同じだと知ったのはつい最近のことだ。

瀬戸内の穏やかな海で泳ぐホゴ達は、「煮るなり焼くなり好きにしな」とでも言いたげに、無表情でまな板に横たわっていたのに対して、
日本海の激流を生き抜いてきたのであろうアラカブは
「ええい俺はまだ泳ぐんだ」と言わんばかりにダイナミックに口を広げ、
今すぐにでもタライの中で水しぶきをあげそうだ。

こないだ実家から味噌が届いたので、アラカブで出汁をとって味噌汁を作った。

ありがたいことに、ポルトの冷凍庫にはいつも森本水産からの差し入れが何かしら入っていたように思う。こうして日常の至る所にはまじいは紛れていた。

クタクタに煮込まれたアラカブは、
名前が違うだけなのに目を合わせるだけで私は少し緊張する。
脂がよく馴染んだ汁をすすると、頬の身の引き締まった食感はなるほど確かに、ホゴと同じだ。

母屋に立ち寄ると毎回、じいちゃんが嬉しそうに納屋から出してきた袋いっぱいのホゴ。
こいつらはなんと、日本海の大海原では違う名前で愛されているんだぞと、
そして私もこの大海原でなんとか泳いでいるんだぞとはまじいに伝えたい。
そう思う頃には大抵もう遅いのだけれど。

おじいの沖支度。

棺桶には鯛釣りの道具が入った。
アルバムを囲んで遺影の写真をみていたときの、
誰かの言葉を借りて今回のタイトルにした。

(2020年 6月19日 note記事「 沖支度」より編集加筆)

トップページでも登場している、歴史を感じさせるはまの写真の数々は、私が実家のアルバムから引っこ抜いて、勅使河原航さん(てっしー)にデータにしていただいたもの。大切なひとのこれまでの人生を、丁寧にヒアリングしながら一冊にしていく「人生BOOK」というサービスを運営されているてっしーさん。北九州から、福祉を軸に幅広い活動を展開しながら、たわいない会話を大事に目の前のおじいちゃん、おばあちゃん達と向き合う姿勢に頭が上がりません...。最近、JUNKANお掃除屋さんとしてエアコンお掃除マスターになったそう。


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