日鉄の撤退で、呉は曲がり角にきている
vol. 21 2020-07-02 0
呉では、今年の2月に衝撃的なニュースが流れた。地元の基幹産業の一つ、日鉄日新製鋼呉製鉄所が2020年に高炉が休止し、その1年半後には完全撤退となる見通しと発表されたのだ。人口減少の基調の呉市にとっては、痛手であることは確かだろう。
呉は、戦前は軍港として栄え、戦後は造船所、海上自衛隊基地、製鉄会社等があり、市街地の活気を押し上げてきた。しかし呉市の人口は減少する一方で、1980年の総人口約30万2千人をピークとして、2018年には約22万5千人となっている。さらに2040年には、約16万2千人と予測されている。つまり20年後には、ピーク時の半分になろうかという状況だ。
また若いファミリー層は、マンションがいくつも建設されている郊外に移っている。国道沿いには量販店が軒をつらねており、中心市街地はシャッター店舗がところどころにみられる。年配者からは「昔は活気があって良かった」という声が聞かれることもあるようだ。
全国の地方都市で起きていることが、ここ呉でも起きているのだ。
そんな中、新しい動きが芽生えつつある。古い建築物が残る呉の中心市街地だが、その古さを強みに転換した、リノベーションによる小さい店舗が増えてきている。そのデザインを手掛けている地元の方を、ご紹介いただき、今回の音戸イロリバHOUSEの依頼できた。名前は、中本さんといって、是非、そのデザインを見ていただきたい。明日以降で紹介します。