さまざまな分解者
vol. 12 2015-11-22 0
今回の時間軸の中で、生き物がさまざまな者に分解されているシーンが重ねられています。
"鳥” に分解され
”蛇” に分解され
”森” に分解される。
"鳥”は羽に世界の始まりと終わりを持っていて、その周りの空間はぐにゃりとねじ曲がっている。
世界の始まりとは寓話的な蛇と鳩によるものだけれど、終わりは水爆実験の煙と光による。
”蛇”は言葉をもっている。アイヌにおける尊ぶものの在り方や、チャップリンの独裁者の演説、あらゆる水について、キング牧師の解放宣言、アボリジニ・ワニ族の世界と始まりについて、日本国憲法第九条、漢字の成り立ち。
人類の知 である言葉を持って、生き物を解体する。
”森”は微生物がじわじわ生きものの頭部を回転させながら、少しずつ食べて行く、しまいには綺麗な頭骨になる。その中に種が植えられてゆく。
日本では火によって肉体が解体されることが多いですが、乾いた大地を通過し、湿潤の森を肉体に重ねる実感を体験した私は、自らの身体をシンプルな物質として捉え、そのさまざまな解体の在り方について、私なりに真剣に取り組みたかったのです。その想いはさまざまな解体者の登場に置き換えられています。
おおこじま