竣工祭レポート<遷座祭編>
vol. 9 2015-09-23 0
竣工祭の様子をレポートします!
第一弾は,竣工祭前日の遷座祭の様子をお伝えします。
・遷座祭とは
今回,震災で被害を受けた葉山神社本殿が再建されました。
神社は,本殿と拝殿に分かれており,我々が普通お参りするのは拝殿の方です。
本殿には,神社のご神体が収められていますが,本殿が壊れてしまったり,立て直す際には別の場所に仮に移動します。
そして,遂に社殿が完成すると,神社の宮司がご神体を持ち,行列を組んで本殿の御扉の中へと収められるのです。
その日を,遷座祭といいます。
神社の遷座祭は,神社の破損,再建などがされなければ行われない非常に珍しい祭事です。
ご神体は宮司以外人の目に触れる事は許されません。
神職が白い幕で宮司とご神体を囲み,ゆっくりと歩いていきます。
各浜の氏子総代長,役員が一人一人提灯を持ち,静寂と暗闇の中厳粛に行われます。
・遷座祭の様子
夕方,暗くなる頃僕らは神社に到着しました。
葉山神社の社殿は,今まで掛かっていた足場が外れ,その全貌を見る事が出来るようになっています。
完成し,扉が開けられた社殿。
桧の匂いが漂い,雄勝の人たちが集まって来ています。
遷座祭には,15ある雄勝の浜にある神社氏子総代長や,葉山神社の奉賛会会長など,雄勝町の浜を代表する住民の方々が提灯を持ち,ご神体の先を歩きます。
やがて社務所の中に人が集まり,神事が執り行われていました。
応援の神職も他の神社から出張し,厳粛な雰囲気が漂います。
一人一人,名前が呼ばれます。
咳払い,鼻をすすることさえも許されません。
雅楽の演奏が始まりました。
行列が,出来て行きます。
総代たちが全員外に出た後,社務所の電気が消されました。
雅楽の音と暗闇の中,ご神体が運ばれます。
白装束に,マスクのような白覆面をし,四人で白い幕を持ちながら宮司とご神体を囲みます。
ゆっくりと,本当にゆっくりと行列は進んでいきました。
一人一人が拝殿に上がり,ご神体の到着を待ちます。
静まり返った境内。空には,満点の星空です。
提灯の淡い光だけが光り,参列者は息を呑みます。
そして,拝殿の階段を登り,ご神体は御扉の中へと収められました。
・神楽,荒神舞の奉納
ご神体が収まった後,拝殿では雄勝法印神楽の一番,荒神舞が奉納されました。
二人の太鼓と,一人の笛。
荒神舞は,たった一人,舞手が激しく踊ります。
この舞は神社完成の祭に舞われるものだそうです。
古い記録に,残っていたのでしょう。
厳粛な雰囲気から,一気に激しい空気へ。
遷座祭は,滞りなく完了し,本殿へご神体が収められました。
明日は,竣工奉祝祭です。