トークレポートをお届けします。
vol. 39 2014-12-07 0
本日のゲスト:柳澤史樹さん(Team LINKS代表)、坂本健さん(避難・支援ネットかながわ 代表)、小野田義孝さん(双葉町出身・除染作業指揮官)
前作のトークショーにでもご登壇いただいた柳澤史樹さん、そして柳澤さんのご友人であり富岡町から横浜に避難されている坂本健さん、そして福島から小野田義孝さんがお越し下さいました。
双葉町出身で関西で生活をしていたが3.11以降は富岡町で除染作業指揮官として働いている小野田さん。富岡町の森林を担当しているが、作業服や長靴すら支給されず、写真にあるような布手袋と紙マスクのみの装備で作業に当たっている。線量計も何も持たせてもらえないという。除染作業従事者の命を守るのは、指揮官次第というところがあると説明。従事者たちは3畳1間の部屋に2段ベッドで2人ずつ暮らしており、除染作業従事者というだけで福島県内では家も借りられない現状がある。自身も床屋さんで雑談をしている際、除染作業の仕事をしていると話したら、髪を切っている途中であるにもかかわらず、今すぐ出て行って下さいと言われたと告白。小野田さんは自分のFBで日々の様子を発信しているので見てほしいと呼び掛けた。
客席からの質問では、復興はそんなに進んでいないのではないか。復興住宅が90%という安倍さんの発言についても質問が飛んだ。
90%というのは正確にはわからず答えられないが、その90%の中には柱1本しか建てていないものも含まれると思いますよと坂本さん。双葉町に関してはゼロであると舩橋監督。
富岡町から避難をし、現在横浜で生活をしながら避難・支援ネットかながわの代表を務める坂本さん。加害者が定まらないうちに賠償ばかりと言われないよう、損害賠償と刑事責任は必ずセットでで進めているという。帰れないというならばお金で補償してもらわないといけない、その部分は綺麗事ではなく本当にそうであることをご理解いただきたい。その為にも刑事責任は必要、同じ事故を起こさないための歯止めにもしなければならないと説明。
原発事故は過去のこと、既に収束しているのではないかという見方が多い。広島・長崎は復興が早かったのに何で福島はダメなんだと言われた時には言葉が詰まったと小野田さん。除染が無駄だとは決して思わない、彼らと共に生きていくと決意を口にした。
自主避難という言葉は正しくない、地域内避難・地域外避難者が平等に賠償を受け、人生の再建ができるように皆と一緒に世の流れをつくらないといけないと坂本さん。
繋がることの大切さを感じ、ネットを中心にNO NUKES ラボの活動を行っている柳澤さん。こうして気骨ある人たちが声をあげてくれている。自分たちは彼らの置かれている状況を想像することしかできないが、彼らを想い、疑問に感じることを発信し投げかけている。情報は知ろうとしなければ得られない。情報共有をしつつ繋がって発信をしていくことを地道にやっていくしかないのだと話した。
そして最後に舩橋監督は、できるだけ多くの人に知ってほしい。福島の事故はあまりにも遠いと話した。
トークショー終了後も居酒屋に移動し、観客の皆様・登壇者の皆様・監督・プロデューサー・スタッフと共に色々なことを話し合う時間をいただきました。
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明日以降の予定です(ポレポレ東中野)
・12月8日(月)10:30の回上映後
田原総一朗さん(評論家・ジャーナリスト)×舩橋淳監督
※この日のみ、2回目の上映は13:15からに変更となります。
2回目をご覧になられる方もトークにお入りいただけますので、12:30頃までにご来場下さい。
・12月9日(火)13:00の回上映後
金子勝さん(慶應義塾大学経済学部教授)×舩橋淳監督
・12月11日(木)13:00の回上映後
鎌田慧さん(ルポライター)×舩橋淳監督
・12月12日(金)13:00の回上映後
鎌仲ひとみさん(映画監督)
※舩橋監督によるティーチインを予定しておりましたが、鎌仲ひとみさんのご登壇が決定致しました。